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大都市に若手医師が集中することは悪いことでしょうか?職人として一人前になるのだったら優れた指導医や小児医療がさかん地区を選ぶのは人情でしょうが・・・さて、これを大手新聞社さんはどう分析するでしょうか?。
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産経イザ! 2008/07/10
平成19年度に臨床研修を終えて小児科に進んだ新人医師の6割以上が東京、大阪などの都市部に集中し、新潟、 奈良、和歌山など22県には5人未満しかいないことが10日、日本小児科学会の内部調査で分かった。16年度に改正された臨床研修制度では、新人医師が研 修先を自由に選べることから、都市圏と地方で格差が広がっているとみられる。宮崎はゼロ、山梨、島根などは1人しかおらず、崩壊の危機にある地方の小児医療体制の実態が改めて浮き彫りになった。
調査は全国の大学病院や民間病院を対象に実施し、106の大学施設と998の研修指定病院の計1104施設から回答を得た。調査によると、19年度に研修 医から小児科に登録した新人医師は545人。前年度より8人増えたが、臨床研修制度導入前の15年度と比べると107人減少した。
内訳では、大学病院に勤務した医師は250人。残る295人は民間病院に勤務しており、14年度の調査開始以来、初めて大学病院を上回った。
都道府県別では、北海道や大阪、兵庫など23道府県で小児科の登録者数が減少。特に宮崎はゼロ、山梨、島根、徳島、沖縄の4県は1人だけだった。これに対し増加したのは18都府県で、東京と千葉は10人以上増えた。
その結果、東京、埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の大都市はいずれも2ケタ以上の登録があり、この9都府県だけで全体の6割以上を占めた。
小児医療をめぐっては、勤務時間外の診療が多いなど労働の過酷さや、少子化による将来性の不透明さなどから、小児科の志望者が急減。さらに新人医師が研修 先を自由に選べる臨床研修制度が導入されて以降、大半は待遇が良く、症例数も多い都市部の民間病院を選ぶようになり、地域医療を支えてきた大学病院の派遣医師が減り、都市圏と過疎地の格差が一層拡大したといわれる。
深刻化する医師不足の解消に向け、政府は今年6月、医師数を抑制する従来 の方針を見直し、大学医学部の定員を増やす検討を始めたが、同学会委員で京都大病院の中畑龍俊教授(発達小児科学)は「医師を増やしても、都会の病院ばか りに新人医師が集中する現状を改善しない限り、医師不足は解決しない。小児医療の充実は少子化対策の柱でもあり、医師の偏在をなくす制度の見直しを早急に 講じるべきだ」と指摘している。
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大都市に小児科医の卵が集中することが悪いようにかかれちゃっていますが、日本の都市部への人口集中はもうわかっていることだと思います。
その裏返しで、人口が過疎になっているエリアからは医療需要が高齢化で偏り、満足に小児科の研修ができないところを、若手の医師たちが感じ取って「都市部」を選んだ結果でしょう。
さらに、大学医局も「指導医」不足で、集約化が進んでいるだけで、別段、不思議でもなんでもないのですけどね。
「大半は待遇が良く、症例数も多い都市部の民間病院を選ぶようになり、地域医療を支えてきた大学病院の派遣医師が減り、都市圏と過疎地の格差が一層拡大した」
なんてストーリーを産経新聞さんが、作文を作るのは自由ですが、「人口動態」くらい把握して記事を書けよな・・・毒。
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日本の人口、都市部、地方の経済活力で明暗(2008年4月16日)
総務省は15日、2007年10月1日現在の推計人口を発表。都市と地方との人口の流出入の違いが鮮明となっています。東京圏や名古屋圏は地方からの人口流入で人口が増える半面、地方は人口の流出が止まりません。
都市部では人口増が地域経済を活性化し、それが人を呼ぶ好循環を生んでいますが、地方は人口流出で労働力が鈍り、経済の停滞に繋がる懸念も生まれています。
都道府県別では東京都が全人口に対する比率が10%を超え、これは28年ぶりの出来事・・・です。
また、東名阪の3大都市圏(一都二府八県)合計の人口が、全国に占める割合も50,6%と過去最高に達しています。
前年に比べ人口が増えているのは10都県。東名地区に加え、滋賀、沖縄、静岡、福岡などが人口増。一方で、減少している県は37都道府県で、最も減少率が大きいのが秋田県の1,16%となっています。
また、兵庫県が北海道の人口を比較可能な統計開始から初めて上回っています。
ちなみに年少人口(0-14歳)が全人口に占める割合は、東京都を除く46都道府県で低下。老年人口(65歳以上)は全都道府県で上昇しています。
人口集中地区(平成17年)Wikipediaより
平成17年 順位 DID 人口(人)
1 東京都区部連合 8,489,653
2 横浜市連合 3,470,271
3 大阪市連合 2,628,312
4 名古屋市連合 2,159,379
5 札幌市連合 1,778,475
6 京都市連合 1,346,033
7 川崎市連合 1,305,875
8 福岡市連合 1,297,830
9 さいたま市連合 1,009,004
10広島市連合 886,753
これだけ足しても、2400万人以上、上位20位まで広げると3100万人です。もちろん、周辺部をいれれば間違いなく、もっと多くなります。だいたい 関東圏だけで3500万人います。そういう意味では、「都市部に集中している」のは医師ではなく、国土がそういう仕組みなのだから、短絡的に「ケシカラ ヌ」みたいな論調はいただけません。
待遇がいいからじゃなくて、研修を受ける場所が偏っている。小児診療より高齢者向けの診療の需要が高い地区には、小児科医もやはり元々偏っているのです。
本当に、産経新聞って、「待遇がいい」とか本当に僻地の医師の賃金とか調べたのかなぁ?
大手のマスコミさんは、影響力があるくせに、「事実を歪曲」して伝えてしまう危険性に、もうすこし敏感であるべきですな。
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時間外診療だけではなく・・・です。長野県は大変なようです。県民一人当たりの医療費は日本で一番お金をかけないというのが自慢でしたが、そろそろ曲がり角のような気がします。
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信濃毎日新聞 2008/07/10
長野市民病院(長野市富竹、竹前紀樹病院長)は8日、初診で外来診療に訪れる患者について、かかりつけ医の紹介状と事前の予約を求めることにした と発表した。9月1日から実施する。外来患者が2年間で約20%増え、医師や看護師の負担が大きくなっており、「高度な医療の質を維持するために必要な措 置」と病院側は説明している。
同病院によると、2006年4月の外来患者は1万5641人だったが、今年4月は1万8600人。急病センターを開設したこともあって、今年4月の時間外の患者は、前年同月の424人から1186人に急増した。
外来患者が増えた理由について同病院は、北信地域の他の病院で医師不足が深刻になり、患者が流入している可能性を指摘している。
9月からは、小児科や脳神経外科、婦人科の不妊治療、時間外の急病センターと救急対応を除いて、紹介状と、地域医療連携室(026・295・1611)への予約が必要になる。
双方がない場合、〈1〉症状に対応した医師の診察を受けられない〈2〉長時間待たされる〈3〉当日中に診てもらえない――などの可能性があるという。
同病院などによると、原則として紹介状を必要とする方式の導入は県内で例がないという。同病院では「重症の患者や救急患者に十分な診療を行うために、やむをえないこと」と、理解を求めている。
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予想されたことです。周辺が医療崩壊すれば、残った病院に患者さんが殺到。間違いなく、夜間診療が崩壊します。まして、重症患者さんを最優先すべき2次、3次救急の「人員」には限りがあります。
ちなみに・・・カナダでは「くじびき」で患者さんが選ばれているようです。あくまで予約の受付なのですが、深刻なことですね。
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医師不足に悩む病院、診察対象者を「くじ引き」で選ぶ-カナダ
Web-Tab 2008-07-10より引用
【トロント 7月9日 IANS】カナダのある病院が今週、新任医師の診察が受けられる人を受診希望者の中から選ぶ「くじ引き」を行った―医師不足に悩む病院の「苦渋の策」だったようだ。
カナダのテレビ局CTVによると、くじ引きを実施したのはニューファンドランド島ガンダーにある病院。ホームドクターを求めている4000人のうち、同病院で対応可能な人数は半数の2000人。くじ引きに「はずれた」人々は、次回のくじ引きを待つことになるという。
新任医師2人が着任したこの病院。以前、別の新任医師が着任した際に混乱が生じていた。同病院のマネジャーによると、当日は早朝から病院外まで続く受診希望者の長い列ができてしまったという。
同じ事態を繰り返さないため、病院側は今回の「くじ引き」実施を決定、7日には「当選者」に通知したという。
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カナダは都市部も医師不足がひどいのですが、国内でもある先生によれば・・・
「自分のところの初診予約はチケットぴあ方式、先着順になってます。毎月、決まった時間に決まった数だけ初診枠を解放して、電話で早い者勝ち。外れた人はまた来月です。」
くじ引きとチケットぴあ、どちらがいいのでしょう?」という話です。
カナダ:医師不足のため外国人医師確保へ
medicalnews 2008/06/10
カナダ:多くの医師が労働時間短縮か退職を思案中・・・
medicalnews 2008/01/16
カナダ:医師不足の真相
medicalnews 2008/04/10
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そうそう、本田宏先生が本を発行されたようです。
本田 宏「勤務医よ、闘え!」 2008. 7. 2
『誰が日本の医療を殺すのか ― 医療崩壊の知られざる真実』を昨年9月に上梓しましたが(2007.8.31 「『誰が日本の医療を殺すのか』9月7日発売!」 )、お陰様で現在、第6刷で3万2000部が世に出ています。
この本を出版してから、一般市民や政治家の方からの講演依頼が増加、さらに新聞やテレビ、雑誌などメディアの方からの取材が殺到し、テレビのニュース番組 から若者向けの週刊誌まで広範に医療問題を取り上げていただけるようになりました。一般市民や政治家など非医療者に対しては、講演会や論文投稿だけでな く、書籍という媒体による現場からの情報発信が大変に重要であることを再認識させられました。
医療崩壊はこうすれば防げる!
本田 宏(編纂)

医療崩壊か再生か―問われる国民の選択
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