「薬害」の根絶を願う患者さんサイドとは、また違う思惑でお役所は動いています。
個人的には、「副作用」が一切ない「薬」などありえないし、リスクとベネフィットの間で慎重に使われるべきものです。
「薬害」の被害者団体の方たちの願いとはまた違うところに、官僚側の動きが見えてなりません。もちろん、我々医療従事者も「薬」を使って、患者さんを治したいのであって、それで危害を加えようという意識はいっさいありません。
そういう意味で「国がやればうまくいく」というのは、ちょっと甘いだろうし、基本的に国は万能じゃありません。あまりそこにこだわることは、薬害防止に役立つとは思えないのですが。さて、このもつれた糸をほぐすことはできるでしょうか?
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総合機構の抜本改革
舛添大臣は独力権限強化案への支持鮮明に
Biotechnology Japan 2008-7-7
厚生労働省は2008年6月30日、「薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のおり方検討委員会(以下、検討委員会)」の第3回会合を開催し た。事務局は中間取りまとめ案を提示。この中には本誌既報の通り、医薬品の承認審査や安全対策を統括する組織について抜本的な改革案が含まれていた(関連 記事)。
取りまとめ案は、2種類の組織を提案している。記載内容をそのまま記すと、1つ日の案は「承認審査、安全対策、副作用被害救済等の業務を一括して厚生労 働省医薬食品局(別の組織もあり得る)が行い、審議会が大臣へ答申する(A案)」、2つ目の案は「承認審査、安全対策、副作用被害救済等の業務を一括して 総合機構が行い、同機構が大臣へ答申する(B案)」となっている。「A案、B案いずれの場合も、最終的には大臣が全責任を負う」との但し書きがある。医薬 品行政に関する業務を行う組織が現在は厚労省と医薬品医療機器総合機構に分かれており、非効率的だとの批判がある。両案とも、業務を1つの組織に集約する という点では一致している。この日の会合は、どちらの案が好ましいかを議論するためにほとんどの時間を費やした。
冒頭、約40分に渡って検討委員会に出席した舛添要一厚労相は、「これまでなぜ薬害が何度も繰り返 されたかというと、国民に対する忠誠心よりも組織に対する忠誠心を優先させたからだ。22歳で入って定年までいるような組織形態では、どうしでも組織を優 先させてしまう。肝炎被害者のリストも厚労省の倉庫にしまい込まれて、なかなか出てこなかった。どういった組織であれば国民への忠誠心を貫けるのかを議論 してほしい」と、実質的にB案への支持を鮮明にした。
舛添大臣が退席した後の議論ではまず、泉祐子委員(薬害肝炎全国原告団)、水口真寿美医院(弁護士)など薬害肝炎の被害者に近い立場の委員から、「最終 的に国が責任を取るなら、組織も国の中に作ればいい」「厚労省の中ではなく、新たな省庁を立ち上げるべき」など、A案の基本方針に賛同する意見が多く出 た。
「これまでさんざんひどい目に・・・」
これに対して総合機構の審査官だった小野俊介委員(東京大学薬学系研究科准教授)は、「国に任せればうまくいくと考えている方が多いようだが、これまでそのやり方でさんざんひどい目に遭って来たではないか。重要なのは、国民のために正しい意思決定ができる組織であることだ。公務員にしてしまうと、いろいろな制約に縛られる。私はB案に賛成したい」と明確な意見を述べた。
さらに山口拓洋委員(東京大学医学系研究科特任准教授)も、「私もB案に賛成だ。審査が総合機構に移管されてからは、活発に議論されるようになった。血 液製剤問題も、その起源は総合機構が誕生する前だ。最終判断は大臣に任せるとして、科学的な判断は治療現場や患者に詳しい人が行うべきだ」と発言した。
議論が続いたため、7月7日に改めて委員会を開催することになった。副作用データベースの構築や安全対策に携わる人員の拡充などの対応策については、 09年度の予算策定に間に合わせるため検討委員会で最終結論を出す予定。ただし、行政機構のあり方については委員の間や厚労省内でも意見が分かれており、 結論が得られない可能性もある。(河野修己)
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