「野戦病院」の研究室でドクトル虎の巻先生が、「移民受け入れで治安がよくなる?」と書かれていますが、やはり医療従事者としては、医療分野でのSkilled Workerの人手不足は深刻な状況です。

 

 日本は世界の先進国の中で、有数の老人大国となっています。今後さらに高齢者の割合が増えます。若い人は「年収300万円以下」の介護士などにはなかなか定着してくれそうもありません(当たり前だけど汗)。


 そんな中、いよいよEPAの枠組みの中で、試験的にインドネシアから看護師・介護士を受け入れる話が出ています。

 NHKのBSの「今日の世界」でもとりあげられていましたが、介護士の資格がインドネシアにはないため、まだこれから色々と必要な教育、語学研修、それ以外も 「イスラム教徒」との共存が果たして可能か、少しづつこの動きは「医療」だけでなく、人的な供給源を外国に頼らねばならなくなってきている、日本の実情があります。

 

 介護は家族に・・・という古典的な考えもあるでしょうが、介護殺人や老老介護など厳 しい現状を知る側としては、外国人労働者を「受け入れ」ることは、仕方ないのでしょう。

 

 彼らの永住を許可するのか?あるいは研修生のように3年 を限度に、日本語も覚え、一人前になったら追い返すのか?そういう意味ではまた「新たな実験」が始まったと思います。

インドネシアの看護師・介護士、300人受け入れへ

日本経済新聞 2008/06/21

 【ジャカルタ=代慶達也】日本、インドネシア両政府の経済連携協定(EPA)に基づく初めての看護師・介護福祉士の受け入れ事業で、日本側の仲介機関・ 国際厚生事業団は21日、ジャカルタでの面接を終了、審査の結果305人を受け入れる見通しになった。現地での募集期間が短かったこともあり、予定してい た最大受け入れ枠(500人)を約4割下回った。

 初年度の日本側の受け入れ数は看護師が174人、介護福祉士131人。それぞれの受け入れ枠は200人、300人で介護福祉士の応募者が日本側の需要を 大幅に割り込んだ。今後は日本側の受け入れ機関と調整したうえで7月下旬以降に順次日本に派遣される。(21日 23:14)

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ちなみに、日本の医療側というと、日本看護協会は下記のような形で、2008年6月17日に協会側の見解を公表しています。

インドネシア人看護師候補者受け入れにあたって
日本看護協会の見解


1.日本看護協会の基本姿勢
日本看護協会(以下、本会)は、医療・看護の質を確保するため、外国人看護師の受け
入れについて、従来から以下の4条件を求めている。
① 日本の看護師国家試験を受験して看護師免許を取得すること
② 安全な看護ケアが実施できるだけの日本語の能力を有すること
③ 日本で就業する場合には日本人看護師と同等以上の条件で雇用されること
④ 看護師免許の相互承認は認めないこと



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 という具合です。もちろん、言葉の壁もあるのでしょうが、新規参入してくる外国人看護師の給与が日本人と同じ給与でないと、「雇用」が守られないからだと いうのはわかるのですが、今後、看護師が不足して医療の安全を守るために、マンパワーが必要な場合、来てくれる人を拒み続けるのではなく、共存という形で 探らねばなりません。

 さて、話が変わりますが、外国人を人口の85%まで受け入れている国があります。UAEの中にあるドバイという国です。

ドバイにはなぜお金持ちが集まるのか


「共存する各国のコミュニティ」

 ドバイには、現在およそ150カ国の人々が居住している。これだけ多様な国籍の人間がひとつの地域に仲良く共存している例は、世界中どこを探してもないだろう。

 コスモポリタンなこの国には、自分が外国人であることを感じさせない不思議な魅力があり、この地に長く居を構えている私は、ドバイを故郷のひとつとすら感じている。

 日本を含めた多くの国が在留外国人の問題に頭を悩ませているが、その本質は外国人を「他国人」として扱い、自国の文化や習慣に同化させようとすることにあるのではないだろうか。

 ドバイの外国人に対する姿勢は、同化や融合ではなく「共存」である点に特徴がある。というのも人工の約85%が外国人であるドバイでは、外国人の帰化、地元文化への同化や融合はもとから期待していない。

 地元のアラブ首長国人は、自らの文化、生活のベースである「イスラム」の教えや習慣を尊重してくれさえすれば、外国人にそれ以上のことは求めていないし、ましてやイスラム教に改宗させることなど最初から目標とはしていないのだ。

~(中略)~

 つまり、外国人同士はビジネス上でまさに「表面的」に触れ合うことはあっても、それ以上の深い付き合いは基本的に必要ないということである。

 一見冷たい社会のようだがそうではない。それぞれがお互いを村長し合って、お互いのことに必要以上に干渉しないのである。これがドバイの社会が調和している秘訣かもしれない。

 この背景には、もうひとつ忘れてはならない要因がある。ドバイ在住の外国人のほとんどは、一時的に出稼ぎに来ている、いわば仮住まいの存在だと言うことだ。

 ドバイにおいて、外国人の長期滞在や永住、帰化というシステムは正式には存在しない。滞在許可は一律3年と決まっており、3年後との更新が必要になる。例外的にも3年以上の滞在許可(査証)は存在しないし、永住権や市民権の授与などもありえない。

 実際に出稼ぎに来た両親のもと、ドバイで生まれ、何十年も居住している外国人がたくさんいるのだが、こうした人たちも必ず3年ごとに滞在許可証を更新しているのだ。(以下略)

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 人口160万人のうち85%が外国人という国では、労働力不足に対処するには、こういう方法しかないのでしょう。しかし、この本を書かれたのは日本人で、また現地の人とは違った見方をされているでしょう。

 出稼ぎに来る人たちはきっと「外気温50度の中建築工事にあたって出稼ぎ工として賃金を得て母国へ送金」。

 ドバイのアラブ首長国人は決して、そんな外で肉体労働しなくてもいい仕組みで、かなり特殊な事情です。でも、今のところ景気が良いので、文句が出ないでいます。彼らが商売が上手にやっているからです。

 一方、海外から外国人が集まってきたのに、富がなくなったとたん外国人に見捨てられた国があります。南の島ナウル共和国です。

アホウドリの糞でできた国―ナウル共和国物語

 ナウル国民の生活水準は、リン鉱石の大量輸出により、20世紀末までは先進国並みの水準を保っていた。だがリン鉱石がほぼ枯渇状態となり、2000年に は大規模な採掘事業は行なわれなくなった。現在、ごく小規模な採掘は継続されているが、かつてのような大量の採掘は見込まれていない。また、長年の大規模 採掘によりナウル島の中央部は車両通行ができないほど荒れ果てており、深刻な環境問題ともなっている。

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 ナウルは景気が良かった時、学校も無料、税金もゼロであったが、産業らしい産業もなく、環境も悪化し、いざ資源が枯渇してみると・・・外国人も住民も困惑。面白い本です。

 外国人が海を渡ってくる理由は単純です。稼ぎに来るのです。彼らは、本質的にビジネスチャンスがなければ、きません。また外国人が今いない日本の地域は滅びつつあります。だいたいが公共事業によっかかって来たところだからです。
 外人は工業事業などの利権を得にくい構造です。地道に稼ぐしかないのですが、集まる・・・のは東京・大阪・愛知・神奈川そして埼玉まで。ここに外人の50%が住んでいます。


 そういう意味では、「外国人看護師」も地方ではなく、おそらく外人がたくさん住んでいる都市部に需要が高いように思います。

 日本の農業も、最近は「外国 人頼み」だという話です。食料自給率は実は、外国人に支えられている状況になりつつある事態。それを無視して「なんでもハンターイ」より、日本の労働者不 足をどうやって解消しながら、外国人と共存できる仕組みも少しは考えて行かねばなりません。

  なかのひと


 

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