最初に・・・よろしければ、こちらもお読みください。(改題しました)
医療事故は刑事事件にすべきだと思いますか?
2008.06.17
--------------------------
さて、昨日の続き・・・です。6月17日にこんな記事が出ていました。アメリカのFRBの議長の発言をめぐっての話題です。
-----------------------------------------
米医療制度改革 コストの視点を 日本経済新聞 2008/06/17
16日、米上院財政委員会 で講演するパーナンキF RB議長=ロイター
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は十六日、米乗員財政委員会で医療制度改革について講演し「財政負担の軽減に向け、コストパフォーマ ンスの高い医療制度を構築すべきだ」と協調した。医療支出増が経済成長の足かせになりかねないと指摘。医療制度改革では「費用対効果」を重視するのが望ま しいとの見方を示した。
医療制度改革は米大統領選の争点の一つ。バーナンキ議長の発言はコストを慎重に考慮せずに「国民皆保険」の導入だけを求める声に、経済効率性の観点から疑問を投げかけた形だ。
同議長は医療について「社会問題であると共に経済問題でもある」と指摘。米議会予算局 (CBO)の試算を材料に 「国民皆保険」の導入だ「2050年までに米財政支出の約半分が医療コストで占められる」と警鐘を鳴 らした。
特に「米国民一人当たり の医療支出の伸びが、一人当たり所得の伸びを上回っている」と強調。効率性を 高めない限り、米国の医療制度は持続不可能との見通 しを示した。
米大統領選で共和党の候 補指名が確定しているマケ イン上院議員は、いまの医療制度を前提に保険加入支 援に向けた所得控除の創設を主張。民主党のオパマ上院議員は国や州、保険会社 が制度の効率を見直した上で、すべての子供が保険に加入できる仕組みの創設を 提唱している。
パーナンキ議長は両候補 の主張には言及しなかった が、「経済効率」の視点を強調することで、今後の大統領選で経済や財政の持続可能性を軽視した改革案が浮上するのをけん制する狙 いがあったとみられる。
(ワシントン=米山雄介)
------------------------------------------------
MedicalNewsJapan 2008/01/08
アメリカの医療については「最高水準」の医療を受けられる人とそうでない人の格差が問題になっています・・・そして過去11年で二倍になった医療費の伸び率をどうやって抑えるかがFRBの議長の発言につながっており、また大統領選挙の争点でもあります。
その点、日本も後期高齢者医療制度をめぐって、与野党の間で高齢化社会を迎える日本の未来について議論するのは正しいです。ただ、日本の医療費の伸びは「急激」に高齢化する前から、「医療費抑制」を続けてきたので、医療の限界がやってきています。
この数字をもとに日本のマスコミも、そろそろ「医療費抑制」から「高齢者増加に見合った医療費増加」を議論することを求めます。もちろん「産経新聞」さんもです。
医療費抑制が続けば・・・医療や福祉のサポートが必要な高齢者が増え続ければ、全体への医療サービスが低下するわけで、それが国民が求めているのであれば、仕方ありません。ただし、「自由診療」が導入されなければ、
「産科診療」や「小児診療」のような医療崩壊が、さらに救急診療や外科治療に広がっていくのは間違いありません。 →


------------------------------------------------
医学界新聞 第2783号 2008年6月2日
続 アメリカ医療の光と影 第128回 李 啓充 医師/作家(在ボストン)
世界一の大国・米国は,医療にもふんだんに金を使っている。例えば,GDPに占める医療費の割合15.2%は日本(8.0%)の約2倍,国民一人あたりの医療費5711ドルは,日本(2249ドル)の約2.5倍となっている。
しかし,使っている額の巨大さに見合った成果を上げているかというと決してそんなことはなく,例えば,平均余命は日本の男78.4歳(世 界2位)/女85.3歳(同1位)に対し,男74.8歳(同26位)/女80.1歳(同26位)と,はるかに劣る数字となっているし,乳児死亡率も日本の 2.8(出生1000あたり,世界3位)に対し6.8(同29位)と,「世界一の大国」を名乗ることが恥ずかしくなるような情けない数字となっている(註1)。
米国医療の効率が悪い理由
医療費の巨額さとは裏腹の結果の悪さからいえば,米国の医療は「世界一効率が悪い」と断言していいのだが,いったい,なぜ,こうも効率が悪いのだ ろうか? 理由の第一は「民」を主体とした医療保険制度を採用していることにあるが,民の保険が「非常に高くつく」特性を有することについてはすでに第122回で述べたとおりである(註2)。
効率が悪い理由の第二は,「格差社会に暮らすことがもたらす健康被害」にあるのだが,例えば貧富の格差で見た場合,米国が,メキシコに次いでOECD加盟国中第2位の「格差大国」であることは第125回に 示したとおりだ。収入・教育程度などの社会経済的地位(socioeconomic status)の格差が,肥満・糖尿病・高血圧・虚血性疾患など,さまざまな疾患の発症・増悪要因となっていることは広く知られているが,米国では,「格 差社会のもたらす健康被害」が医療費を押し上げているだけでなく,平均余命や乳児死亡率のデータでも示したように,金をかけているのに「結果が出ない」こ との最大の要因となっているのである。(以下略)
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く