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米国時間2007年8月28日更新、「A Critical Shortage of Nurses」
●「米労働市場の今を探る」シリーズの第2回(参考記事:「労働力不足の虚実」)。
米国は深刻な看護師不足に直面している。既に、必要な数に対して推定で8.5%の欠員が生じている。2020年までに8000万人のベビーブーム世代が引退し、看護を必要とする人が増加するのに伴い、この欠員率が3倍に膨れ上がるという予測もある。看護師不足は10年前から続いている。ここ50年間にこんなことはなかった。病院経営者や看護師団体は、看護師不足が深刻な状態にあると訴えている。
では、なぜ看護師の賃金は上がらないのだろうか。正看護師の賃金の上昇率は2006年から2007年にかけてわずか1.34%で、これはインフレ率よりもかなり低い。病院のコスト削減や保険会社の保険金支払方針など様々な要素が複雑に影響しているのだが、見落とされがちな要因が1つある。毎年米国に大量にやってくる外国人看護師だ。ここ数年、米国で雇用される正看護師の3分の1近くは外国人なのだ。
これに対しては、短期的な応急策であり、長期的には大きな問題を招くという批判の声が上がっている。外国人看護師が流れ込んでくることで、病院は安い賃金で欠員を補充できる。しかし、その結果、看護師の賃金が抑制され、看護師になりたいという米国人はますます減ってしまう。
バンダービルト大学看護学部のピーター・ビールハウス教授(専門は米国の看護労働力)は、「看護師の賃金をもっと上げるべきだ。賃金が上がれば、看護師は前途有望な職業だとの認識が社会に広まる。将来の看護を支える労働力を確保するためには不可欠な要素だ」と主張する。
グローバル化が米国人の仕事を奪う
米国の看護師市場は、グローバル化が労働市場にどのような影響を与えるのかを示す好例である。技術革新と労働力移動の活発化により、労働市場には地域どころか国の境界すらない。「需要と供給」のメカニズムは以前ほどうまく機能しなくなった。普通なら、市場における供給不足は価格の上昇によって調整されるが、別の市場から供給が補われるので価格調整機能が働かないのだ。
こうした労働力不足は、医療、建設、農業、ハイテクといった様々な分野で起こり得る。労働市場問題で最も激しい論争が起きているのはハイテク産業だ。米国のハイテク企業が外国からプログラマーやエンジニアを多く受け入れていることに対して、米国人労働者は自分たちの賃金が抑制されるのではないかと不満を募らせている。
一方、マイクロソフト(MSFT)、IBM(IBM)、グーグル(GOOG)、オラクル(ORCL)、モトローラ(MOT)といったハイテク企業は、外国からの技能労働者を期間の長短を問わず、もっと受け入れるべきだと主張している。
しかし、コンピューター科学者やソフトウエア開発者たちは、このままではハイテク分野を究めてやろうという米国人が減り、長期的に米国の競争力を低下させることになると警鐘を鳴らしている(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年2月8日「Work Visas May Work Against the U.S.」、2007年3月27日「Immigration Reform: Americans First?」)。
看護師の平均年収は5万8000ドル足らず
看護師の場合、問題は賃金だけではない。過酷な労働条件や慢性的な人手不足のため、資格を持っていても看護師として働こうという気にならないのだ
正看護師になるためには高度な訓練を要するが、その平均年収は5万8000ドルにも満たない。米国人労働者全体の平均年収は3万6300ドルである。米国の看護師資格を持っている人たちが"割に合わない"と感じているのは明らかだ。現在50万人の正看護師の有資格者が看護の仕事に就いていない。現場で働いている正看護師250万人のなんと5分の1にもおよび、不足分の2倍以上に当たる。
病院側は、米国の看護師不足は非常に深刻であり、カネだけの問題ではないと主張する。ロサンゼルスの移民法弁護士、カール・シャスターマン氏が契約している100の病院では、それぞれ100人程度の看護師が欠員となっている。米国では看護師養成機関も足りず、養成課程に入るために2~3年待たなくてはならない。看護師の"輸入"は病院の死活問題なのだ。
「米国内でもっと多くの看護師を養成し、賃金を上げたとしても、外国から看護師を受け入れなければ米国の医療は成り立たない。外国人看護師が米国人から仕事を奪っているなんて言ってる場合ではない」(シャスターマン氏)
ただし、賃上げが看護師の増員につながったこともある。1990年代後半に問題となった看護師不足に対処するため、2001年に多くの病院が賃上げを実施した。その結果、2001年から2003年の間に看護師が18万6500人も増加した。賃金と人手確保は直結するという主張を裏づけるものだ。米女性政策研究所が2006年に発表した論文「賃金引き上げによる看護師不足の解消」では、「看護師の賃金引き上げは、既に資格を持っている者とこれから看護師になろうという者を病院に呼び込むために最も効果的だ」と結論づけている。
忙しすぎて罪悪感に震える現場看護師
看護師団体も賃上げが必要としているが、米国の看護労働力を持続的に維持するためには労働条件を根本的に改善すべきだと主張している。今後、看護師不足はますます深刻化する一方なのである。米保健福祉省によると、2020年までに看護師の不足率は現在の8.5%から29%、人数にして81万人強に急増する見込みだ。
「報酬が高ければ人は集まるだろう。だが、職場に定着するかどうかは別問題だ」と、米国最大の看護師組合である全米看護師組合のシェリル・ジョンソン代表(正看護師でもある)は言う。
「看護師なら誰でも十分な人手を確保することが一番大切だと思っている。1人当たりの仕事量があまりにも膨大で、患者の呼吸を確認したり、水を飲ませたり、床ずれしないように体の向きを変えたりといった基本的なことさえできないことがある。罪悪感に押しつぶされそうになる看護師もいる」(ジョンソン氏)
賃金引き上げ、労働条件の改善、外国人看護師の受け入れ――。どのようにバランスを取るにせよ、看護師不足を長期的に解消するには様々な問題を解決しなければならない。
「看護師は結束して状況を改善しようとしているが、すぐに何もかもがよくなるわけではない。当然、我々と利害が対立する人たちもいる。現状維持を求めるロビー活動も行われているのだ」
11万5000人の正看護師を代表する全米看護師組合の広報担当、スザンヌ・マーチン氏の表情は厳しい。
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RisFax2007年09月19日
「5対1入院基本料」創設に向けたシンポジウムが、13日の「日本看護サミットおおさか」で開かれた。「5対1看護を見すえた看護経営」をテーマに各方面の専門家が意見を交わした。
濃沼信夫氏(東北大大学院教授)は、欧米諸国では10年間で患者1人当たりの医師・看護師数が約1.5倍に増加しているのに対し、日本はほぼ横ばいとのデータを示し、「技術革新に対応するために、先進国標準である看護配置5対1を目指すべき」と指摘した。
その上で、日本の急性期病院では病床数が飽和状態であるとし、「国の病床数適正化の方向性は間違っていない。病床数をスリム化した上で、配置の問題に取り組むべきだ」と主張した。
7対1入院基本料の算定基準に看護必要度を導入することについて、厚労省保険局医療課の柴田秀子課長補佐は、7対1届け出病院の患者像が多様化しているとの指摘があるとし、「急性期看護を提供する患者像を明確にするために、看護必要度導入が検討されている」と説明した。一方、田中彰子氏(北里大東病院看護部長)は、必要度測定にかかる時間は患者1人当たり平均48.4秒、新規入院患者は約2分とのデータを報告し、「測定がそれほど現場の負担になっているとは考えていない」と述べた。
座長の鶴田惠子氏(日本赤十字看護大教授)は、「看護配置引き上げに要した18年はあまりに長かった」と述べ、「看護師不足を早急に解消するためにもデータが必要。離職率20%という病院にとって恥ずかしい数値でも発信し、実態を伝えていかなければならない」と締めくくった。
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アメリカの看護師不足も深刻ですが、日本も今後、深刻になりそうに思われます。今日、都内のあるコンビニは人材不足のためにバイトの8割近くを中国人留学生のバイトに頼っているという話でした。
日本国内で看護師さんを十分に確保するためには、せっかく資格を取得し、育った新人看護師さんたちが、途中でドロップアウトしない仕組みが必要でしょう。
きっと勤務医のも何とか続けられるように・・・という意味で、医師も同じでしょうか。いずれにせよ、介護も含め医療はマンパワーが必要な仕事です。その辺を考えると、少し、看護師さんたちとも同じような悩みを共有できるといいのですが、難しいかなぁ。ぽち→固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
asahi.com 2007年09月19日
(兵庫)県内の公立病院での医師不足深刻化を受けて、県が昨秋に始めた「医師確保緊急対策事業」が難航している。不足が特に目立つ小児科や産科、麻酔など五つの診療科の医師を、県の「正規職員」として採用する試みだが、今年度1回目の締め切りの8月末までに応募はゼロ。県の担当者は「どうすれば集まるのか……」と悩んでいる。
医師不足の発端は、04年に、新人医師の臨床研修が必修になったことだ。新人医師が、大学の医局より実践的な技術を学ぶことができる病院での研修を希望するようになり、大学の医局が自治体などの派遣要請に応じ切れなくなった。
こうした事態を乗り切ろうと、県は「医療確保対策推進本部」を設置。06年9月から、独自の医師採用に乗り出した。通常なら、臨時職員や嘱託医としての採用が多い中、正規職員として採用し、「安定した身分」を保障するのが売りだ。採用後3年間は県内での研修だが、4年目には海外の病院や高度医療に携わることが出来る「特典」も設けた。
勤務地は九つの県立病院や災害医療センターなど。昨年度は4人を採用した。
今年度も、医師の報酬など事業費約8400万円を予算計上し、担当者が大学や病院に足を運んだり、医療雑誌に募集を掲載したりして応募を呼びかけた。
しかし、第1回締め切りの8月末までに、メールなどの問い合わせが計3件あっただけ。県医務課は「兵庫は面積も広い。都市部から離れることを避けられているのか……」と頭を抱える。
県医師会ドクターバンクのコーディネーター役を務める伊藤芳久医師は「研修制度の変更でドクターの実力や意思で自由に病院を選択して働けるようになった。研修プログラムで比較したり、優れた医師のいる病院を選んだりするようになったためだろう」と分析する。
県医務課の担当者は「高度医療機関での研修を確保している。県職員としての身分で地域医療、政策医療を担ってくれる人に来て欲しい」と呼びかけている。第2回の締め切りは11月30日。問い合わせは同課(078・362・3243)へ。
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現場に残る先生にとって厳しい現実が来年も待っているような気の毒なニュースです。
それにしても、今頃・・・ダイジョウブかな。兵庫県の南部から北へ・・・医師を交代で勤務する後期研修制度とかのみ許可とかダメだろうし。やはり自衛隊とか霞ヶ関の医系技官の出番でしょうか?それとても焼け石に水です。それにしても、若手医師が「安定したポジション」をもとめていると考えたのは誰なんだろう?違うでしょ。
そろそろ、自治体の努力も限界?なのでしょうね。ここで舛添大臣の出番ですが、必要な手段はおのずと限りがあります。
いずれ、「都市部の研修病院の枠を縮小」とか「地域医療の必修化」などではなく、各都道府県ごとに「研修医の大学医局へ強制的な入局」を求められる…結局、制度変更前の方法の方が良いかもしれません。医局の枠を撤廃したことで生じた今回の医師不足、研修医にとって他人事ではありません。
いわゆる自由化というのは、一方だけ利するようでは制度としては欠陥があるように思います。研修医側が選択権を握るという「新研修システム」の反省期に入っていくように思いました。ぽち→
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