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激務の産科医、労災認定 広島記念病院、中国地方初

中国新聞 2007/9/14

 広島市中区の広島記念病院に勤務し、昨年一月に脳出血を発症して左半身まひになった産婦人科医師の男性(47)が広島中央労働基準監督署から、「過重労働」による労災認定を受けていたことが十三日、分かった。厚生労働省などによると、産科医師が働き過ぎで労災扱いとなるのは、中国地方で初めてとみられる。全国で医師が不足する中、過酷な勤務実態に対する警鐘となりそうだ。

 関係者によると、この医師は脳出血になる前の六カ月間、平日午前八時半から午後五時十五分までの通常勤務に加え、時間外・休日の勤務時間が月間平均で八十九時間三十分、倒れる直近の一カ月では百十時間三十分に上っていた。

 緊急の分娩(ぶんべん)や手術の際に呼び出しを受ける自宅拘束も月間八―十一日に及び、泊まり込みの宿直も務めていた。

 医師は広島市内の自宅で静養中に脳出血を発症。リハビリで車いすから歩けるように回復したものの、左半身まひで分娩や手術を処置できなくなった。現在は退職して別の病院に勤務している。昨年七月に労災申請し、今年八月に過重労働として認められた。

 広島記念病院は国家公務員共済組合連合会が運営する総合病院。この医師の勤務当時、産婦人科医師三人で年間の分娩約五百五十件、手術約三百五十件を担当していた。

 同病院は労災認定を受け、「真摯(しんし)に受け止め、医師の業務の軽減化に努めたい。医師不足の状況下で厳しいが、医師確保にも引き続き努めたい」とコメント。この医師は「たくさんの勤務医が、倒れる寸前で踏ん張っている。同じようなケースを出してはならない」と話している。

 産婦人科医師の過重労働による労災認定は一九九九年、甲府共立病院(甲府市)の医師が急性心筋梗塞(こうそく)により三十五歳で死亡して認定を受けたケースがあるが、全国的にも異例となる。(上杉智己)

現場の疲弊浮き彫り 医師不足解消に道筋を

中国新聞 2007/09/14 

 

 脳出血で半身まひとなった広島市内の産婦人科医師が過重労働があったとして労災認定された。産科医師の過酷な労働はこのケースにとどまらず、命を削って多くの医師たちが働いている。現場が疲弊し切る前に、医師不足の解消に明確な道筋を付ける必要がある。

 広島県内では当直が毎月十日以上ある産科医師が約三割―との調査結果がある。多くが当直明けも仕事を続けている。今回の労災認定は氷山の一角にすぎない。

 今回、認定された医師は幸い現場に復帰できた。しかし過労死まで至ったケースはある。死後に労災認定された甲府市の産婦人科医師の場合は、亡くなる直前の一カ月に当直が十日、その当直中に計十五件の分娩(ぶんべん)を処置していた。まともに睡眠できる状況ではなかった。

 全国各地の総合病院で今、分娩制限が相次いでいる。奈良県では痛ましい妊婦の「たらい回し」問題が起きた。厚生労働省などは離職した女性医師の復職促進や産科の診療報酬の加算などの対策を検討している。

 しかし、若い医師たちに「産科離れ」が起きている状況を食い止められるかは不透明で、疲労する現場から見れば、まだまだ手ぬるい。労災に詳しい広島弁護士会の大国和江弁護士は「絶対的な人手不足を招いたのは病院の責任はもちろん、医療体制を管理する国の責任も大きい」と指摘する。産科医療を危機に追い込んだままでいいのか。立て直しに猶予はない。(上杉智己)

 

------------------------ 

 

 労働基準監督署が労災認定を認めてくださいました、きっと、過重労働で病気になられた先生は複雑な気持ちだと思います。

 というのも労働基準監督署は「労災認定」だけが仕事ではないはずです。労働者の健康を害さないように、事故防止や過重労働を防ぐための仕事があるはずです。

 そして「昔は、俺たちは寝ないでやったもんだ」と語る幸せな時代は終わりました。産婦人科医の平均年齢は50歳をとっくの昔で超えてます。産婦人科部長が自宅でビールが飲めるのは年に何回あるんでしょうか?そう考えてしまいます。

 

 もう、そろそろ「行政」は本来の仕事をしませんか?偽装請負など賃金未払いで訴訟を医師は起こしません。まして海外の医師のようにストライキなどを打ったりせず、ひたすら辛抱し、がんばれなくなって辞めていく・・・。

 病院の院長もそろそろ「何でも救急は診るんじゃ!」とか言うよりも、スタッフの残業時間を考えて、代務医師を確保して正職員のスタッフにお休みを取らせてあげてください。割増賃金もちゃんと払ってあげてください。

 

 そんなことを考えさせられる今日このごろ・・・えぇ、昨日から夏休みです。お許しください>こんな時間の更新。ぽち 

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コメント

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いつもはROMしております。田舎の基幹病院で産婦人科勤務をしています。常勤は3人で、年間のお産は、周囲の病院の逃散のあおりをくい、5年前の200から600になりました。

今日のエントリの、先生のコメントを見て泣けました。
ご理解いただき、ありがとうございます。
理解してもらえるだけじゃ、何の役にもたたない。
それでも、理解あるコメントを見るとほっとします。
written by suzan / 2007.09.14 12:01
全く知らなかったです・・・。実は産科のポリクリで記念病院に行ったことがあります。当時も三人でしたから記事の中の三人のことだと思います。見学時、子宮筋腫(開腹)と子宮脱(経膣)と卵巣腫瘍の茎捻転(ラパロ)の手術をやられておりました。全て術式が違うから幸運だねと言われたのでよく覚えております。三人でそれらの手術をした後、一人はその夜当直だと言っていました。確か三人で回しているので大変だという話でした。

どうも術式や疾患について私に説明をしてくれた方のようです。名前はすでに忘れてしまいましたが、白髪交じりの医長と中堅どころの男性医師と女性の方がいましたから・・・。休憩時に記念病院は相当大変だけど産婦人科はやりがいがあると仰っていたことを思い出します。
written by T / 2007.09.14 12:22
suzanせんせい>
 コメントありがとうございます。でも、本当に現場でがんばっている医師をみんなで支えないと、難しい局面です。厚生労働省もそろそろ気づいているとは思いたいですが。これからもよろしくお願いします。

Tせんせい>
 産婦人科をやってみえる先生方が長く続けられるようなサポート体制を各病院長・行政がタイアップして欲しいですね。
written by SkyTeam / 2007.09.20 01:25

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