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朝日新聞2007/06/24
医学部の定員という蛇口を閉めたままで、あれこれやりくりしても、焼け石に水ではないか。
与党が参院選向けに打ち出した医師確保策を見て、そう思わざるをえない。
医師は毎年4000人程度増えており、必要な数はまかなえる。問題は小児科や産婦人科などの医師不足のほか、地域による医師の偏在だ。こうした偏りを正せばいい。これが厚生労働省の方針だ。
その方針をもとに、与党は選挙公約でこれまでの偏在対策に加えて、新たに次のような項目を追加した。
政府が医師をプールする仕組みをつくり、医師不足の地域へ緊急派遣する。大学を卒業した医師が研修で都市の人気病院に集中しないように定員を改め、地方の病院にも回るようにする。
確かに、偏在の是正にはすぐに手をつけなければいけない。
しかし、医師不足は全国の病院に広がっている。都市でもお産のため入院できない地区が増えている。深刻な実態が進んでいるのに、偏在対策だけでは安心できると言えない だろう。
いま求められているのは、時間はかかるが、医学部の定員を増やし、抜本的に医師不足の解消を図ることだ。
政府は1982年と97年の2回、医学部の定員を減らす方針を閣議決定した。これに基づき、ピーク時には約8300人だった定員が約8%削られた。特に国立大学が大きく減らされた。
医師が多くなれば、診療の機会が増え、医療費がふくらむ。だから、医療費の伸びを抑えるには、医師を増やさない方がいい。そんな考えからだ。
いまの危機的な医師不足はその結果といってよい。
経済協力開発機構(OECD)の調べでは、人口1000人当たりの医師数が日本は2人で、先進国の平均の2.9人を大きく下回る。しかも、このままでは韓国やメキシコ、トルコにも追い抜かれる可能性があるという。
政府・与党はこうした状況を招いた責任をどう考えているのか。
もうひとつ考えなければならないのは、最近の医療はかつてよりも医師の数を必要としていることだ。技術の高度化に伴って、チーム医療が大勢となった。患者に丁寧に説明することが求められ、患者1人当たりの診療時間が増えている。医師の3割は女性が占め、子育てで休業することも多い。
おまけに高齢化はますます進み、医師にかかるお年寄りは増える。
医師の偏在さえ正せばいい、という厚労省の楽観的な見通しは、医療の新しい傾向を踏まえたものとは思えない。
医療のムダは今後ともなくしていかねばならない。しかし、医療費の抑制のため発想された古い閣議決定にいつまでもこだわるべきではない。そんなことをしていたら、日本の医療は取り返しのつかないことになる。
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やっとまともな社説にめぐり合えたように思います。まぁ、自民党が緊急対策とか選挙向けにアピールしているものの、実効性があまりないのはすでに指摘されています。
問題は、国がいまだに「医師は偏在」という立場をくずさないで居る限り、僻地医療は崩壊しますし、産科、小児科、内科の崩壊は都市周辺部でも広がるでしょう。
今後は、各社で「医療崩壊」を放置した厚生労働省の責任追及を求める声がさらに高まることを期待しております。辞める医師が悪者にされる理不尽さ…ちょうど倒産した企業の責任を社員が悪いみたいな感じですが、病院を管理・運営してきた地方自治体や厚生労働省が悪いのです。
今後、進む医療の崩壊の過程では、厚生労働省は打つべき手を打たないできたため、おそらく住民から怨嗟の声があつまってあわてる羽目になります。まずは、お手並みを拝見しましょうか?来年度の予算にいくら積んでも医者は急には増えませんけどね。ぽち→
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