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日刊薬業2007/06/19
全国自治体病院協議会の小山田惠会長は15日、本紙の取材に応じ、先月末にまとまった政府・与党の「緊急医師確保対策」を高く評価する一方、「実効性のあるものとするため、財政的な裏付けが欠かせない」と注文を付けた。小山田会長は独自に、勤務医の過重労働を解消するための財源を試算。勤務医の超過労働時間だけを取り出したとしても、年間必要経費が5671億円にのぼるとし、「これらを診療報酬などで対応することが必要」とした。
小山田会長は、政府・与党が取りまとめた緊急医師確保対策について、「われわれの抱える課題や、要望項目が網羅されているが、それを実行するための予算措置が抜け落ちている」と強調。必要な財政措置を講じなければ、「絵に描いたもちとなる」と懸念した。
試算は、厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」での資料を基に、常勤勤務医の月間超過勤務時間を93.2時間と算出。1カ月当たりの超過勤務時間を40時間に制限すると、53.2時間分について新たに医師を雇うことで補う必要があるとした。全国の勤務医が16万4000人とすると、「53.2×16万4000」で全国で月間872万4800時間の勤務が必要になるとし、新たに医師を雇って対応する費用が発生するとした。
その上で、872万4800時間を担当する医師数は4万3624人に相当すると推定。医師1人当たり平均年収を1300万円として計算すると、4万3624人に支払う金額の合計は5671億円にのぼるという。
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本当に、こういう議論があってもいいですが、ちっとも「骨太の方針」には謳われていません…選挙対策なのでお題目だけでいいとお考えなのでしょうか。
さて、日医ニュースに本田先生が意見を載せておられます。こちらも必読です。 ぽち→
【第3章 21世紀型行財政システムの構築】
一、医療・介護サービスは、質の向上を図りつつ、効率化などにより供給コストを低減する。
【第4章 持続的で安心できる社会の実現】
一、医師不足に対応する緊急対策に取り組む。
【第5章 08年度予算における基本的考え方】=略
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日医ニュース 第1099号(平成19年6月20日)
はじめに
今年になって,毎日新聞は「医療クライシス」,そして朝日新聞は「医療危機」等の特集を組むなど,日本の医療崩壊が世間に正しく認知されるようになった.つい先ごろまでは,医療関連の報道が医療事故等に集中していたことを考えると,医療崩壊の根底に,日本の低医療費政策と医師の絶対数不足があることが正しく報じられるようになったことは,まさに隔世の感だ.
世界と乖離を拡大する医師不足が問題
医療崩壊の最大の原因は医師不足.グローバルスタンダードで見れば,日本の医師数二十六万人はOECD加盟国の平均医師数と比較して十二万人不足,これは世界で六十三位である.しかも,その格差は年ごとに世界と拡大乖離しているのだ.
日本より人口当たり医師数が多い米国は,医師数を実働数(Full time-equivalent)で算出し,医療費高騰で苦しんでいるのに,将来の高齢化を見越して医科大学新設と医師増員を図っている.一方,日本では八十歳以上でも医療機関に登録さえしていれば医師数にカウントされ,その総数が二十六万人であることを忘れてはならない.
日本の医療費は世界最低
なぜ日本の医師養成数が抑制され続けてきたのか,それは一九八三年,当時の厚生省保険局長の吉村仁氏の論文「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方」(『社会保険旬報一九八三年三月十一日号』)を読めば明らかだ.そのなかで,「医療費亡国論」として,日本の医療費の伸びが経済発展に悪影響を及ぼす懸念を表明している.
そして,一九八六年から一県一医科大学でせっかく増員した医学部の入学定員を削減,同様に医療費削減も断行された.そして現在は世界一の高齢社会にもかかわらず,日本のGDPに占める医療費は先進国中最低となった.まさにこの図が理不尽な日本の医療政策を証明している(図).
ちなみに,「医療費亡国論」が発表された一九八三年は,故武見太郎氏が日医会長を辞した翌年だ.その直後から始まった政府の低医療費政策と医師数抑制策,この歴史を私たちはしっかりと心に刻んで行動すべきと思う.

医療費GDP当たり一〇%へ,医学部定員五〇%増を
日本と同様,医療費抑制と医師不足で医療崩壊の先輩に当たる英国は,すでに医学部定員五〇%増を断行し,医療費もGDP当たり一〇%を目標として増額を図っている.医療崩壊を食い止める施策は,医療体制の確保ばかりか安全性の向上に寄与し,格差社会が大問題になっている今日,雇用促進にも好影響があることを,私たちは繰り返し主張すべきだ.
近い将来,団塊の世代の高齢化で爆発的に医療需要が増大することは,火を見るより明らかであり,今こそ日本は医療費をGDP当たり一〇%に増額し,英国に倣って医学部定員を五〇%増加すべきなのだ.
おわりに
「医療は命の安全保障」,医療崩壊で最も被害を受けるのは,罪のない国民だ.しかし,国民は正しい情報なしに的確な判断を下すことは不可能である.(済生会栗橋病院副院長,医療制度研究会代表理事 本田 宏)
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