弱者というと「?」と思われるかもしれませんが、日本病院団体協議会は先月末に、政府へ日病協要望書を出している。しかし、厚生労働省は「病院の倒産」まで面倒をみてはくれないのが昨今の状況です。
僕は、経団連のように、経営サイドに都合のいいように「法人税は安くすべし」だとか言いながら、株主や消費者に利益を還元しない人たちが、「医療サービスは効率化が不足」と簡単に言うのは許せないと思います。
経済界が経済効率を重視した結果、東京や名古屋などを除く、日本の地域の経済は崩壊しました(仕方ありませんよね?)。
都市部に人口は集中し、そこに病院や医師が集中するのは患者さんが多く、開業したりするのに好都合なのもあり、効率的であるからだと思います。医業利益率が過去最低という記事をご紹介しましたが、報告された数値はたった1.2%です( 医業収益対医業利益率 =医業利益/医業収益 ×100 (%))。ほとんど儲からぬとは言いませんが、以前は2.5%はあったのが半減しているのを考えれば、わずかな利益のために繁忙を極めているといわざるをえません。
医療の効率化(リストラ)を叫ぶ人たちは、医師や病院にばかり「義務」を求めますが、地方では、高齢化や産業育成が遅れたため、経済成長が困難な状況で、海外との競争のために国外に工場を作って日本の地域を捨てた経済界に何か言う資格はあるんでしょうか?
政府も、財政赤字の原因である「無駄な公共事業」「公務員の数」「外郭団体への財政支援」をもっと減らし、法人税を増やせば、少しは健康への出費を国庫で負担できるのではないかと思っています。ちなみに、日本を代表するような企業でありながら、下記のようなニュースが流れるのは非常に恥ずかしいと思います。
全日本病院協会の「全日病ニュース」によれば、その会長は…小泉内閣の経済財政諮問会議でこんな提案をしています。
奥田碩同会議議員(トヨタ自動車会長)と本間正明議員(大阪大学教授)は、病院への企業参入ほかの具体策を提案した。具体的には、
総枠管理、マネージドケア、登録医制(人頭払方式)、病床の総量規制、
混合診療、予防・治療・リハビリ・介護などを包括した医療介護サービス体系の構築、保険者・患者機能の強化、医療の費用対効果指標、長期ケアにおける重症度(要介護度)別の定額支払方式(
MDS・RUGなど)、医療機関の評価指標、一般病床の介護施設・痴呆ケア施設への転換、日本型
HMOなどである
産業界のリーダーとはいえ、自分たちのやりたいように我田引水の規制緩和に走るのも恥知らずですし、アメリカの大失敗を真似るのはいかがかと思います。
政府による医療費削減が及ぼす影響を、そろそろ国民に積極的に知らせるなど、広報活動もした方がいいかと思います。 ぽち→
08年度改定・日病協要望書 入院基本料・手術料の大幅上げを
日刊薬業2007/04/26
病院11団体で構成する日本病院団体協議会は24日の代表者会議で、次期診療報酬改定への提言と要望を大筋でまとめた。過去最大の引き下げとなった2006年度診療報酬改定で病院医療が危機にひんしているとして、医療費の拡大を提言。次期改定では入院基本料と手術料の大幅な引き上げを要望した。今後、細部を詰めた上で6月上旬に厚生労働省医療課に提出する。
同日の代表者会議では、次期改定に向けた総括的提言5項目をまとめ、各団体の要望事項計434項目を重点要望事項2項目と一般要望事項14項目に集約することでほぼ合意した。
重点要望事項について、同日会見した診療報酬実務者会議の齊藤壽一委員長は、「低医療費政策の典型として、安く抑えられている入院基本料と手術料の見直しを選んだ」と説明した。
一般要望事項では、病院と診療所の再診料の格差是正を求めた。06年度改定で廃止された紹介患者加算の復活も求め、一定程度の範囲で認められるべきだとした。外来でも看護師が重要な役割を担っているとして、「外来看護加算」の新設を要望した。
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今後、入院診療の高度化重症化が進むにつれて、外来での検査、治療なども高度になるばかりです。いろんな意味で、病院に見合ったコストを算定してもらえないと、その治療行為は広がりません。また保険でカバーされない部分は病院の持ち出しとなり、結局、赤字の原因となり、最終的には患者さんにとって一番ありがたくない「倒産」という形で、住民に影響が出ます。
やはり高度な医療を行っている病院にはそれなりの加算は必要だと思いますし、「弱者救済」という観点からも、少し医療を産業化する前に考えて欲しいところもあります。