SkyTeam
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2007/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 前のページ

医療制度とビジネスについて考える

SkyTeam / 2007.05.31 09:00 / 推薦数 : 10

 昨日は、「異業種異文化交流日記~MD・MBAへの道~」ハーバードビジネススクールでMBAをとられたY先生の講演会を聞いてまいりました。医療ビジネスの可能性だけでなく、アメリカと日本の間の医療制度の違い、医療制度への提言、医師のキャリアなど盛りだくさんで、2時間の間飽きさせないお話でした。

 Y先生は東京大学の卒業後、実際に臨床を6年やられてからハーバードを選ばれたのですが、やはり医師としてしっかり自分の専門的な経験を元に留学されたということで、医療について、とてもよく整理されたお話をされました。

 

 最初に、あるべき医療制度とビジネスモデルとしては、ベネフィット(健康で長生き)を提供する側である医療提供者である医師や病院が正当な対価(お金、評判、権威、やりがい)を受け取れる形が持続可能(sustainable )であることが求められるが、現状の日本のように、さまざまな制度疲労もあって、持続が難しくなっているという現状があります。

 医療のプレーヤーとしては、患者さん、保険者(保険会社)、病院、政府、製薬・医療機器メーカーなどがあり、日本では患者さんがフリーアクセスで病院を選べる一方、保険会社を選べない(逆にアメリカはアクセスできる病院が収入や契約している保険内容によって制限を受けている)。アメリカではさまざまな保険が保険会社によって提供され、患者さんが選べるが、保険会社は病院に対して、医療の内容について請求書をチェックしたり、内容を元に値引きをさせたりする強力な力を持つ(間接経費が高い)が、日本では保険者はほとんど病院の行う医療について口を挟むことは難しく、ほとんどお金を言われたまま払うので間接経費は低い(保険会社がもうけに走ることはほとんど不可能)。

 アメリカの病院の場合、保険会社との関係を尊重せねばならず、日本のように患者さんだけを診ることに専念できない。製薬企業や医療機器産業に対して規制をかけるのはアメリカも同じだが、日本のように規制が強すぎて産業として衰退(国内の市場は成長がほぼとまっています)するようなことはなく、また業界から政府に対して働きかけをすることで変革もされるが、日本の場合、産業育成の目からみると価格を管理され、製品の世代交代や技術導入が遅れるほど問題になっている。また政府の機能としては日本の場合、医療の価格を決めるのは政府であるが、アメリカは競争で病院と保険者の間でかけひきの上で決められ、政府の役目は弱者救済が主体となる。

 日本の場合、人口あたりのベッド数が多いのに、働き手である医師の数は少なく、看護師も少なくはないがベッド数が多すぎて十分なマネージメントがなされていないなど、医療の環境がアメリカとは異なる上、さらに根本的に異なる文化であり、アメリカで成功しているからといって日本で行えば大成功とは行かない。

 

 ありがちな医療ビジネスの失敗例として

「医療制度の根本を無視した誤解」

 医療ビジネスはもうかるはず、アップサイド(成功した場合の利益)は莫大なはず…仕組みがわかっているつもり

 

「医療のあり方、業界のタイムスケールに対する無知」

 誰の利益の最大化なのか(儲からない患者さんを見捨てられるのか)

 投資回収機関が従来の業界より長い(不動産投資とかと違います)

 利益相反、倫理問題が常につきまとう

 

 これらを元に、医療ビジネスの切り口として…どのプレイヤーへ働きかけるのか(医療機関、保険者、患者さん)、どの医療フェイズにかかわるか(治療、予防、健康増進など)、どう参入するか(既存業界か、新規創出か)があるとのことでした。

 このあと、医療ビジネスについてさまざまな具体的な事例が紹介されていましたが、医療の3大要素である「質、コスト、アクセス」についてどれも全てを求めず、ひとつかふたつに絞ったものが成功するように感じました。

 アクセスとコストを選択したMinute Health-Wal Martの事例では、患者さんの待ち時間を短縮のために、立地をショッピングモール、対象疾患の絞込み、医師ではなく看護師とし、プロセスを簡素化。逆に高額な医療機器を入れて失敗したHealth Stopのように同様な業態を目指しても、三つとも成り立たせようとしても結果は厳しい。

 

 また質に特化してHospital for Special surgeryとしては股関節疾患と内科にのみ特化し、低侵襲手術を開発し、病院の入院期間短縮、リハビリ期間の短縮、チームワークと個人の役割などを明示するなどで、継続的な改善を行い、NYで始まったビジネスだがイギリスでも展開しているものもある。しかしカテーテル治療に特化した病院の場合、難治症例は断り、簡単な症例ばかりを集めて他の医療機関の不興を買い、その州ではカテーテル治療のみに特化した医療施設の開設は許可されないような規制がかかった例もあった。

 

 他にもオペレーションの改善、財務体質の改善などさまざまなアプローチが紹介されていました。究極なビジネス?としては肥満ビジネスも紹介されていました(アメリカですからね)が、患者さんにがんばってもらえば成功しますし、必ずリバウンドするので、リピーター率も高いとまで言ってましたが…自分もY先生と同様にあんまり儲かってもなぁ的なビジネスでもありました。

 

 医療ファンドや医療REITについてもお話がありましたが、日本国内でも設立されていますが、病院に資金を投入してきちんと行えば保険から払われるので取りこぼしは少ないが、逆にいうと過剰利潤は難しく、また回収期間が長い(10年以上)ことを考えると、不動産業とはちょっと異なるのではないか…ということでした。質疑応答では、東京近郊でも100床レベルの病院や施設などが売りに出されているが、老朽化した設備などで買い手がつきにくい状況だというお話がある方からありました。

 

 あとで懇親会でお会いした方のお仕事の内容を聞いたところ、医学生さんや研修医の先生(徳洲会の病院で今日から沖縄で離島勤務だとか)、小児科の先生、美容形成外科医の先生、看護師さん、薬の卸業者さん、法科大学院生、シンクタンク…などさまざまな方が出席されていて楽しかったです。

------------------- 

 いずれにせよ、今後、こういう人材を日本も育成するべきだということには賛成しますし、日本医師会も小額でもいいので奨学金とか出してもいいと思うのですが(慶応大学のMBAのコースは400万円ですが、ハーバード大学の学費は聞きそびれました)。

 長文でまとまりのない報告となってしまいましたが、日本の医療の可能性を考えたりするには良い機会を下さった、Y先生ありがとうございました。ぽち→ 

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)

民主・辻氏を推薦 県医師連盟、医療改革で自民離れ

 

神戸新聞2007/05/26

 

 自民党の有力支持団体である医師会の政治団体、兵庫県医師連盟(約六千人)が二十五日までに、七月の参院選兵庫選挙区で、民主党現職の辻泰弘氏(51)を推薦することを決めた。同連盟が参院選で民主候補を推薦するのは初めて。

 同連盟は、六年前の参院選では自民の鴻池祥肇氏(66)を推薦。しかし鴻池氏が二〇〇二年、構造改革特区担当大臣に就任以降、株式会社による病院経営の参入など医療改革を推進する立場を明確にしたことで亀裂が深まった。鴻池氏が自民県連会長の時期には会員に離党を呼びかけたこともあった。同連盟はこれまで、衆院選では二度、民主候補に推薦を出したことがある。

 今回の参院選の対応を決めるにあたり、会員から「これまで以上に強く姿勢を示すべき」との声が強まり、支部の一部が既に辻氏の支援を決めていた。同連盟幹部は「基軸は自民というスタンスは変わらないが、今回は、医療問題で熱心な辻氏への推薦を決めた」とする。一方、鴻池氏の陣営は「訴えてきた政策が受け入れられないのであれば仕方がない」としている。

---------------

 茨城県についで([日医の分裂]自民に危機感?)西でも、謀反ですね。日本医師会としては、過去の栄光にしがみつくよりは、政策を遂行能力が高いかどうかを「採点」を行い、ベストな候補を推薦するべくですね。この期におよんで、与党か野党かは問題ではないと思ったりします。実際に今回の「医師不足対策」をはじめとする政府の方針に満足が行くのなら、与党へ。それでは足りないというのであれば野党に…でしょうか。

 いずれにせよ、15年後には世界でも有数の医師不足大国(医師人口比。日本、20年に最下位へ:Dr.I先生、医師数最低への挑戦:中管理職先生)やになり、海外から看護師や医師を輸入せざるをえない…さもなくば海外へ患者さんが流出するという事態を招きそうです。

 武見太郎氏が現役であったころ、パイプを自民党だけでなく、野党の議員とも渡り合ってたのが今や自民にすがるしかありません(道標 Guideboardより:『かつての武見太郎元会長時代の日医はこれができました。自民党と社会党の候補を複数当選させることができました。今では参議院議員 2 名だけで、それも医師会以外の集票力が圧倒的です。衆議院議員を選挙区から当選させることができなくては、政治力はないも同然です。自見庄三郎元郵政大臣を筆頭に桧田仁先生など、医師が医師会をバックにして衆議院選挙区で当選する事は、これからはもうないのかもしれません。』)。今の医師会に武見時代と同じことができるわけはありませんので、いたし方ありませんが、今回の兵庫県の先生方の英断を評価したいと思います。ぽち→ 

固定リンク | コメント (3) | トラックバック (3)

[若手医師のキャリアアップ雑誌]

SkyTeam / 2007.05.30 08:30 / 推薦数 : 7

 先日、ヘッドハンターさんと電話でお話しました。いわゆる病院などよりも企業などを専門的に紹介するところですが、時間があれば、ぜひ一度、お会いしませんかということでした。来月にでも…ということになりました。

 突然、電話をもらったり、メールをもらいますが、時間がなくて無理ってことが多いのですが、医療業界が変化の時期なので、どういう風に自分のキャリアをしていこうか考えたりはします(医師として外れてしまってますかね…汗)。

 今日はMBAを取りに行かれた「異業種異文化交流日記~MD・MBAへの道~」Y先生の講演会に出席するのですが、今から楽しみです。

 

 さて、6月1日には日経メディカルの兄弟誌「日経メディカルCadetto」の二号が発刊されます。自分は前の創刊号を読ませてもらい、まったく無料購読なのに良質な雑誌だと思いました。

 いろんな意味で、今後の自分のキャリアを考える意味でも、十年前の医局人事が当たり前だった時代には、医局を出るということは一匹狼というイメージでしたが、今や混沌としており、外の世界に出てみると案外いろんな世界が広がっていることを認識することになり、自分のように出身大学はおろか、出身地でもない東京でいろんな人に会ったり出来るチャンスは面白いと思いました。

 ということで、無料ですんで、お読みになるには日経BP社のサイトに登録を…だそうです(創刊号は研修指定病院の選択なんかいっぱい載ってました)。

---------------------

 

2007年6月1日発行[無料・医師限定]
A4変型判・約120頁(いずれも予定)

Cadetto Special

「人生ゲーム Cadetto~35歳で決まる医者の道筋」

Feature

「苦いカルテ、幸せのカルテ」

Findings

「調査:なんでもランキング」

 

新臨床研修制度でのマッチング方式の導入や、スーパーローテーション方式の採用により、医師のキャリア形成にも大きな変化の波が押し寄せており、幅広い基礎的な臨床能力を身に付けることが求められるようになっています。こうした状況の下、臨床研修医や若手医師にとっては、医師として求められる基礎的な臨床知識は当然のことながら、キャリアパスの多様化に備えるための情報も重要となっています。

こうした若手医師の情報ニーズを満たすため、昨年11月、若手医師向け新雑誌「日経メディカルCadetto」を発行、関連情報を医師のための情報サイト『日経メディカル オンライン』にも掲載し、大変ご好評をいただきました。いよいよ6月に第2号を発行します。

ご希望の医師の方に無料で差し上げますので、奮ってお申し込みください。(お申し込みには、日経メディカル オンライン 医師会員としての登録が必要です。)

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

研修医、都市部の定員削減=医師不足対策-与党

時事通信 2007/05/29

 

 自民、公明両党は29日、医師不足問題への対策案をそれぞれまとめた。両案とも、地方で深刻化している医師不足を解消するため、大学卒業後の研修医の受け入れ先となる都市部の病院の定員を削減することや、大学医学部入学定員の「地域枠」を拡充することなどを盛り込んだ。
 両党は、双方の案の細部を調整した上で、31日に政府も交えた協議会で対策を決定。7月の参院選の公約に反映させる。
 臨床研修制度は、医師免許を取得した研修医に2年間、医療現場での研修を義務付けるもので、2004年度に導入された。原則的に自分で研修先の病院を選べるため、研修医が都市部に集中、地方での医師不足を招く結果になった。このため、都市部の受け入れ定員を削減、研修医を地方に誘導することを打ち出した。
 また、へき地などの地域医療に従事する医師を確保するため、大学医学部定員の「地域枠」を増やすとともに、国が都道府県の要請に基づき緊急に医師を派遣する体制の構築を明記した。

----------------

国主導で医師を緊急派遣 女医の復職を支援

東京新聞 2007年5月29日 19時16分

 地方を中心とした医師不足を解消するため政府、与党が検討している医師確保対策の最終案が29日、ほぼまとまった。医師不足地域に対し国が主導して緊急的に医師を派遣したり、出産、育児などで離職した女性医師の復職を支援、勤務医の過重労働を解消することなどを盛り込んだ。

 政府与党は31日に協議会を開き、安倍晋三首相が出席して最終案を決める方針で、6月に政府の「骨太の方針」や、参院選の公約にも反映させる。

 緊急医師派遣は短期に効果が上がる対策として整備。国立病院や規模の大きな民間病院などに派遣機能を担わせ、国が都道府県からの求めに応じて各地の自治体病院などに派遣する。へき地など一部に限定している医療従事者の人材派遣について労働者派遣法を一部緩和して派遣しやすい環境を整える。早ければ6月にも始まる見通しだ。

 中期的な対策では、医師国家試験の合格者が3割を占める女性医師の活用を促す。特に出産や育児で離職する状況を減らすため、院内保育所の整備や、復職のための研修を実施する病院を支援する。

(共同)
--------------
 一応、これが結論ですか。よく、まとまっているようで穴だらけのようにも見え。今の病院のネットワークをどういう風にしていくかとかは見えません。
 いちゃもんつけても仕方ないので、建設的に言えば、この制度を可及的に速やかに施行する。それでも医師の補充がおいつかないところや財政的にも限界の病院は、拠点となる病院作りのために、集約して、そこから医師を定期的にサテライトの診療所などに送る。
 結局、そんなところでしょうか。国としては、現場の声を最大限拾ったのですが、結局、「文化大革命時代の下放政策」みたいな都市部の定員削減。研修医にとってみれば、狭き門へ集中するでしょうし、指導者層の中堅医師が枯渇しかけている地域病院にとって干天の慈雨ならぬ、研修医の教育するという業務の増加に見舞われるようにも感じてしまいます(最初の数ヶ月で一人当直までこなせたという時代とはその辺大いに違いますね)。いずれによせ、たった4年で部分変更する羽目になるとは思わなかったえしょうね。ぽち→ 

 

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)

[問題解決?]医学生にへき地実習

SkyTeam / 2007.05.29 08:40 / 推薦数 : 6
 全ての医学生がへき地に・・・いいですけど、足りないのはあくまで「中堅医師」でして、研修医がそこまでなるのに、何年もかかいます。また、夕張の村上医師のようなお手本になるような医師が居ない病院や、地域医療の拠点になっている研修にふさわしい施設がない場合、単に「へき地医療の現実直視」の機会にしかならないと思うのですが。
 学生さんにモチベーションを持たせたいのかもしれませんが、現状ではかつて研修医が集い人気病院であった舞鶴が地域医療崩壊のさきがけとなってしまったように、きちんとした拠点病院を作らねば、「仏作って魂入れず」のようになりませんかね?  ぽち→ 

医学教育・指針改訂 すべての医学生にへき地実習

日刊薬業2007/05/28


 文部科学省は、大学での医学教育の指針となる「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を改訂し、医学部を持つ全国の国公私立大学に通知した。地域での医師不足対策が政治課題の1つに挙がる中で、へき地や離島などでの臨床実習を新たな項目に盛り込んだ。専門的な診療科ごとではなく、総合的な診察能力を身に付けることを求めている。

 これまでのカリキュラムは、臨床実習の項目は内科系、外科系、救急医療などに限定されていたが、改訂版では新たに「地域医療臨床実習」の項目を新設した。

 一般目標には、へき地や離島を含む地域社会で求められる医療や保健、福祉などについて学習することを明記。さらに具体的な到達目標も定め、地域のプライマリケア、病診連携や病病連携、地域の救急・在宅医療などを体験するよう求めている。実習場所には、大学病院では経験できない症例を扱うことができる地域の病院や、保健所、社会福祉施設などを想定している。

 改訂版ではまた、医師としての基本的な資質の1つに、地域での医療・保健・福祉などの連携をはじめ、医療をめぐる経済的な側面などを理解することも掲げている。医師の義務や倫理を守り、絶えず患者本位の立場に立つことも求めている。

 モデル・コア・カリキュラムに法的な拘束力はないが、文科省高等教育局医学教育課は「各大学の参考にしてもらいたい」としている。

医師不足:政府・与党が対策案 研修医のへき地誘導など

毎日新聞200/05/28

 政府・与党が31日の医師確保対策に関する協議会で決定する医師不足対策の原案が27日、明らかになった。対策は6項目で、地方の医師不足を招いたとされる臨床研修制度に関し、研修医が集中する大都市圏の定員を減らし、若手をへき地勤務へと誘導することなどが目玉。6月に決める「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)に盛り込んだうえで、与党の参院選公約とする。

 臨床研修制度は、研修医と厚生労働省の指定病院の双方の希望が一致して研修先が決まる。昨年の場合、定員1万1306人に対し、研修先が決まったのは8094人。受け入れ枠が上回り地方には1人もいない指定病院もあった。このため、大都市圏の枠を減らす案が浮上。政府・与党はへき地の研修医に対し、将来進みたい分野に行けるよう留学の機会を与えたり、収入加算などの優遇措置を設ける意向だ。

 医師、看護師、助産師の業務分担の見直しも打ち出した。日本医師会などの反発を避けるために明記は避けたものの、医師の業務の一部を看護師らに権限委譲し、医師の負担軽減を図る。また、医師が集中している地域の拠点病院に医師バンクを設置、都道府県に医師不足地域への医師派遣をさせる一方、対応できない県の救済のため、国レベルで全国に医師を派遣できる体制を整備する。

 このほか、大学医学部定員の「地域枠」拡充、女性医師の働きやすい環境整備なども盛り込んだ。【吉田啓志】

 

 【医師臨床研修制度】 医師免許取得後2年間の初期研修を終えた研修医を対象に04年に導入。それまで若手医師は所属大学病院の医局の指示で地域内の病院で研修し、地方の病院は研修医の受け入れで要員を満たしていた。しかし、病院が医局の派閥に組み込まれたことや勤務条件の過酷さが問題化し、研修先を原則として選べるようにした。このため、都市部に研修医が集中、地方の医師不足が顕在化した。

◆政府・与党の「緊急医師確保対策」の骨子◆

・定年した勤務医らを登録し、緊急の医師不足時には都道府県の要請で国が人材を派遣するシステム構築

・勤務医の過重労働を解消するための勤務環境の整備(交代制勤務の導入▽医師、看護師、助産師らの業務の分担の見直し)

・女性医師の働きやすい環境の整備

・研修医の都市への集中の是正

・医療リスクに対する基本体制の整備(訴訟率の高さが医師不足を招いている産科で、医療事故補償制度を創設▽診療にかかわる死因を究明する制度をつくる)

・医師不足の地域や診療科で勤務する医師の養成の推進(大学医学部定員の地域枠を拡充、国が奨学金を支給)

毎日新聞 2007年5月28日 3時00分

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (2)

[値上げ]必要な医療を続けるために

SkyTeam / 2007.05.29 08:35 / 推薦数 : 10
飯田市立病院産科料値上げ
南信州サイバーニュース2007/05/28  
 飯田市立病院(千賀脩院長)は28日、分娩料に加えて産科の入院料や新生児管理保育料を合わせたお産の費用を7月1日から平均6・25%値上げすると発表した。同院の産科医は昨年2月から信州大学から1人が派遣され4人となっているが、6月1日から県外から1人が勤務、後期研修医1人が残る一方、信州大学から派遣されている1人が移動になるため5人態勢となる。産科医療機関が減少する中で、医師や助産師の増員を図り、安全・安心な分娩体制の整備に力を入れる同院では、27日に横浜で開かれた後期研修者対象の就職面談会に正副院長以下7人が参加。同院のブースを訪れた研修医10人と面談するなど、地域の産科医療体制を守り「子どもを産み育てやすい環境の充実」に積極的に取り組んでいる。

 分娩料については、平成5年に値上げして以来14年間据え置いてきたが、産科医を確保するためには産科医の勤務条件改善や報酬面の充実が必要なことから、原価計算を行い県内の連携強化病院を参考に値上げを決めた。また、前回の値上げは分娩料のみで値上げを検討したが、今回は分娩料に加えて、産科病棟における助産師(現在23人)を中心とした手厚い看護体制(約7・5対1)をとっていることも勘案し、産科の入院料や新生児管理保育料についても値上げの対象として見直し、お産の費用全体の検討を加えた。検討にあたって、分娩の多い時間帯の値上げ率を低く抑えるため、時間外・休日深夜における料金格差を少なくするように見直した。さらに、帝王切開時の分娩介助料も平成4年に値上げして以来15年ぶりに値上げすることを決めた。

 今回の値上げにより、分娩料(単胎)は▽平日時間内(お産全体の30%を占める)14万円(現行12万円)▽平日時間外(同25%)15万8000円(同14万4000円)▽休日・深夜(同45%)17万5000円(同16万8000円)―となる。また、お産の標準的費用(1件当り)は▽平日時間内 36万5000円(現行33万5000円)▽平日時間外 38万2000円(同36万円)▽休日・深夜 39万8000円(同38万円)―となる。加重平均すると、分娩料は16万250円(現行14万7600円)と8・57%の値上げ、お産の標準的費用は38万4100円(同36万1500円)と6・25%の値上げとなる。

 ちなみに、平日時間内におけるお産の標準的費用(36万5000円)の内容は、分娩料14万円、処置・検査料3万100円、新生児管理保育料4万8000円、入院料11万8000円、食事負担額9900円、その他1万9000円。

 帝王切開時には現在、産科医以外に麻酔科医や小児科医、助産師の計10人ほどのスタッフが関わって安心で安全なお産に当たっており、他病院と比べても手厚い体制をとっているが、連携強化病院における平均料金と比較すると低料金となっている。また、双胎以上についての規定がなく単胎と同一料金となっていることから、分娩介助料を▽単胎 10万円(現行7万5000円)▽双胎以上 12万円(現行7万5000円)―に値上げする。

----------------

 安全のためのコストは必要です。そして医療を続けるために、住民の理解も協力もかかせません。逆に言うと今まで、安すぎたのかもしれません。ただちに、アメリカのように200-300万円かかるには状況(分娩費用の日米比較:産科医を輸入できるか?)にはならないとは思いますが、訴訟社会で、その費用が産科医や医療機関にとってカバーしがたい状況になれば、次第にアメリカの値段に近づいていくかもしれません。ぽち→  

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

[学会置き去りの診療科見直し]

SkyTeam / 2007.05.29 08:30 / 推薦数 : 3

 当たり前ですが、医師は医療のプロです。そして、腕を磨いて、専門医としての資格試験を受け、合格した末に標榜することが許される。あいにくと、自分は外科系ではありませんが、やはり一定の修行期間を経なければ、自分で専門医をとることも出来ません、自分も後期研修医の時に認定医を、そのあと大学院を卒業してから専門医を取得しました。

 この晴天の霹靂のような、お役所の勝手な見直しは…いつもそうですが「現場無視」。研修医の研修方法以上に慎重に運ぶべきと思いますが。

 むしろ、これを機会に「専門医」というのが尊重されるのならいいですが、今のところ専門医の資格を取るために努力をいくらしても、病院の給料は変化もないですし、資格を維持するために演題を年に何回も提出し、学会発表をしても評価されにくいシステムでは、学会の認定や専門医の標榜もむなしい限りです。やはり、ある程度はその辺を考えてほしいものですね。

 個人的には専門医の資格をとるために、学会に入ってるのが当たり前ですし、医学の進歩に遅れないためにも必須だと思います。 しかし、総合医の資格認定があいまいなまま、勝手にお役所が作ったやり方に従来の学会への了承なしにやられたら、誰もが「何だそれ!?」でしょう。もっとも、学会が乱立しすぎてて、どれが必要なのかは問われるべき時代になっていると思いますが。

 こういったらなんですが、厚生労働省が総合医を尊重するのは構いませんが、高度な医療は無理なので、お金がかからないように門番を作りました程度なのに、何で専門医の集団に断りもなく「総合科」を標榜させたりを決めようとするのだろうか?。

 本来のプライマリーケアの意味以外に、総合医というのを新しく作り出して、既存の臨床系の学会にとってみると、会員数の頭打ちとともに、打撃になるかもしれません。僕は、心臓外科や産科医のように大変なお仕事をしている先生方を尊敬していますし、その人たちを守っているプライドや専門家としての立場を無視した今回のお役所の勝手な考えはどーかと思ってます。本当に総合医を作ろうというのであれば、現場の意見を元にお役所も動いてほしいのですが。

ぽち→  

日本外科学会は厚労省案に反対を確認
標榜診療科名の表記問題 高久日本医学会会長も日本医学会・臨床部会で協議の意向

Japan Medicine 2007/05/28 

 

 厚生労働省の標榜診療科の表記方法に関する見直し案を受け、日本外科学会は24日、日本消化器外科学会・日本心臓血管外科学会・日本呼吸器外科学会・日本胸部外科学会・日本小児外科学会などの各代表者を緊急招集し、厚労省の表記案に原則反対する方向で合意した。6月早々に拡大会議を開き、標榜部会への対応を協議していく方針だ。一方、日本医学会の高久史麿会長は、本紙取材に対して日本医学会の中に設置した臨床部会の初会合でこの問題を協議していく考えを明らかにした。高久会長は、臨床部会の協議結果を厚労省や標榜部会で公表するという。

◎ 外科関連学会で診療科見直しプロセスに疑義

 日本外科学会では、今回の厚労省の判断に対し、反発を強めている。当学会や日本内科学会など臨床現場に関係の深い学術団体に何の説明や意見の聴取をすることなく、標榜診療科名の見直しを進めようとする厚労省の判断に対して強い反対の意向を示している。

 医療法第6条の6では、「厚生労働大臣は標榜診療科の政令の制定または改廃の立案をしようとする時には、医学学術に関する学術団体及び医道審議会の意見を聴かなければならない」と規定している。「医学学術に関する学術団体」が、日本医学会を指すのか、加盟の各学会までが含まれるのかは解釈が異なる。

 日本外科学会は日本医学会の同案件に対する考え方を確認するとともに、個別学会に何ら意見陳述を求めないまま議論を進める厚労省の動きは、容認できるものではないとしている。

 24日は日本外科学会の兼松隆之会長(長崎大教授)が緊急会議を開いた。会議後に本紙の取材に応えた兼松会長は、「診療科名の見直しは国民や医療現場に与える影響が大きい。この件は、性急に結論を求めねばならない事項ではない。患者・国民の声や医療現場の意向を十分に反映した上で、見直し作業を進めてもらいたい」と訴えた。

 具体的には、日本専門医認定制機構の専門医の区分に基づいた基本的な領域と、サブスペシャルティーの設定を標榜科目に適用することは、その専門医の区分そのものがいまだ議論の途中であり、妥当ではないとしている。特に、専門医の区分では基本領域の外科と、サブスぺシャルティーの心臓血管外科や消化器外科などが、同等の格付けであるとした。

◎ 6月早々に拡大会議開き対応を協議

 兼松会長は、「標榜科目の見直しが必要な部分もあるだろう。しかし、高い専門性を持つ診療科については、カッコではくくれない部分がある」と強調。小さく雑多に書き込む表記法が、患者にとって分かりにくくなるとの見解を示した。

 さらに「今日の協議結果を各学会に持ち帰り、6月早々の会議まで議論を深めてもらう」とも付け加えた。日本外科学会では、次回会合までに、日本内科学会などと会合を持ち意見交換をしていきたい意向。そのほか、患者にとって分かりやすい診療科名の表記の在り方についての考え方や、必要に応じてその代替案を検討していく。

◎ 厚労省案は「煩雑で分かりにくい」 高久日本医学会会長

 一方、日本医学会の高久史麿会長は、標榜診療科名の表記案に対して「厚労省から十分な説明を聞いていないが、新しい案では基本診療科から外れた学会から反発があるだろう」と語った。

 ただ、厚労省側の第1回会合ではサブスペシャルティーの部分について、「厚労省は、当てはまるものは何でも書き込んでいいとの回答だった。それでは煩雑となり、患者・国民にとって、むしろ分かりにくくなるとの危ぐを持っている」ともコメント。厚労省が掲げた患者・国民に分かりやすい標榜科診療科名の表記見直しの目的達成には、距離感があるとの認識を示した。

 また、同提案では学会関係者の理解を得ることは厳しいと認識していることも明らかにした。

 さらに、同会長は総合科の標榜提案について、行政が個別審査によって標榜資格を付与することに医師側からの反対が大きいだろうと述べた。「最終的に医師会・学会が認めた者を国が追認していく形であれば理解できる」とし、総合科の定義を含め慎重に検討すべきとの考えを示した。

 同会長は、今後の対応について日本医学会臨床部会で議論していく方針。その結果は、標榜部会に報告していく。

 次回の標榜部会は、6月初旬開催で調整中。今回の提案に対して厚労省は、不退転の決意で臨んでいるともいわれる。

 この提案が強行突破されるとすれば、基本診療科とサブスペシャルティーの診療科では、対応に温度差が出ることは必至。学会が一枚岩になることは難しいと考えていることが予測される。つまり学会が試されているともいえる。そのためには、反対のための反対では社会的に理解が得られず、学会が検討に入ろうとしている「代替案」の提示は不可欠だ。

 「患者・国民」にとって分かりやすい標榜診療科名の表記がどういう形なのか、本当の意味で熟考するチャンスともいえる。学会独自で考える標榜診療科の在り方に対する提案が注目される。

 ----------------------

学会置き去りの診療科見直し協議に反発も
厚労省・標榜診療科名表記の見直し案で関係学会 日本外科学会、関連学会と対応を協議へ

 

Japan Medicine 2007/05/25

 標榜診療科名の表記の見直し案が21日開催の厚生労働省・医道分科会診療科名標榜部会に提示されたことを受け、複数の学会に“戸惑いと不信感”が広がっている。日本外科学会の兼松隆之会長(長崎大教授)は、厚労省案は課題が多いとし、関連学会と対応を協議する方針を明らかにした。一方、基幹学会として関連学会などとの意見交換に追われた日本内科学会の永井良三理事長(東京大教授)も、同案の内容について問題点を整理することを必要とし、学会内の内部委員会で対応を検討していきたい意向だ。ほかの学会からも「唐突すぎて、厚労省の真意が分からない」との声が出ており、学会置き去りの動きに反発が出はじめている。

 標榜部会は、標榜診療科の表記の見直しの審議を21日からスタートさせた。初会合では、診療科名の表記の見直しに対して、強い反対意見もなく議事が進められた。

 今回の診療科表記見直し案は、第5次改正医療法による「患者などへの医療に関する情報提供の推進」への厚労省としての取り組みの一環。そのほか、医療機能情報提供制度の創設や、医療機関による広告規制を大幅に緩和した。

 広告可能な診療科としての標榜診療科については、患者・国民にとって、より分かりやすく選択しやすいようにするために必要な見直しを検討することになっている。

● 医療法施行令の33診療科(医科)を20診療科(医科)に減少

 現在の標榜診療科名は、一般的な診療科と専門性の高い診療科が混在しているとの指摘もあり、分かりづらい。このため、21日に厚労省が示した見直し案では、基本領域の診療科名に対して、専門性の高いSubspecialtyの領域を組み合わせるという表記を提示した。さらに、麻酔科に加えて厚生労働相が許可する診療科名として「総合科」の新設を提案している。

 これにより、見直し案では現行の医療法施行令に限定列挙している33診療科名(医科)を20診療科名(新規2診療科含む)まで減らすことになる。なお、専門性の高いSubspecialtyの領域とされたのは、循環器科・心臓血管外科・呼吸器外科・リウマチ科・アレルギー科など。

 対して、専門学会からは「国民に分かりやすい診療科の表記にすべき」という改正目的に一定の理解が示されたが、「見直し案は、むしろ国民が混乱を来す可能性が高い」との見方も出ている。

● 日本循環器学会・山口理事長 標榜診療科名の表記は問題あり

 日本循環器学会の山口徹理事長(虎の門病院長)は22日、今回の見直し案について本紙の取材に応じ、「確かに、標榜科目や専門医制度などを整理すべき時期に来ていることは事実」との認識を表明。一方で、厚労省の見直し案には、問題があるとの基本的考え方を示した。

 日本専門医認定機構の専門医制度の基本領域、Subspecialtyの領域の分類がそのまま採用されている点についても指摘。「患者に分かりやすい診療科名の表記と、診療の質的担保とは異なる」とした。また、専門医制度とも関連させて、診療の質的担保を含めた診療科名を検討する時期に来ているのではないかという。

 総合科の新設に対しては、「総合医という考え方については理解できる」とした。しかし、現在提示されている総合科案については、内科および外科のSubspecialtyの方向性との整合性も含めて、今後、日本専門医認定機構なども含めた検討が必要なのではないかと指摘した。

 さらに、山口理事長は今回の厚労省見直し案が標榜部会で提案されたことについて、唐突な感じが否めないと続けた。「極めて残念だ。内科学会、外科学会という基幹学会に提案し、意見集約を図っていく手順が必要だったのではないか」と述べ、拙速に結論を求める動きをけん制した。

 また、「今後、時間が許す限り、本当の意味で国民にとって必要な情報を提供する診療科名の表記とはどういう形なのか、学会間で協議を深めていくことが必要だ」とも強調。学会不在の行政主導で進められる審議の行方に懸念を示した。

 一方、日本心臓血管外科学会の高本眞一理事長(東京大教授)も22日に本紙取材に応え、診療科名の表記の見直し案に対して、学会として賛同できないとの見解を示した。

 基本診療科の下にSubspecialtyの領域を表記するとの案については、診療所の場合は混乱なく受け入れられると考えられるが、大病院については、むしろSubspecialtyの領域の記載が煩雑となり、分かりにくくなる可能性が大きいと述べた。

● 日本心臓血管外科学会・高本理事長 会員が納得できる表記を

 特に、今回の見直し案で心臓血管外科はSubspecialtyに含められる。実は、日本心臓血管外科学会は専門医の数的絞り込みなどの検討に入っていた。日本の専門学会では、専門医を増やす方向が一般的だが、同学会では専門医の絞り込みを学会自ら手がけていこうとしていたのである。

 さらに、「日本成人心臓血管外科手術データベース」事業を推進。中医協の分科会で、心臓バイパス手術では症例数が多い施設ほど治療成績が良いことが分かったと報告するなど、学会として社会に発信できる体制基盤の強化を進めていた。

 その意味でも、今回の診療科名の表記見直し案は、同学会に衝撃を与えたようだ。高本理事長は、学会会員の主張を踏まえ、他学会とも連携しながら情報収集を進め、会員が理解・納得できる診療科名の表記について検討していきたいという。

 専門医制度とリンクした標榜診療科名に改正するには、患者・国民はもちろんだが、当事者である医療関係者の一定の理解と納得が必要と考えられる。

 

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

[過労認定]悲劇を繰り返さないように

SkyTeam / 2007.05.28 21:20 / 推薦数 : 14
  今日は、ZARDのボーカルの転落死に、大臣の自殺のニュースで持ちきりですが、またしても過労死認定です。
 というか、ご家族の悲しみを思うと、この国では医者は「大切」にはされていないんだよなぁって思う。一生懸命に勉強して、念願の医師になったのに、わずか数年で命を絶つ国…これが日本の医療を支える医療従事者の姿です。
 ふだん、ブログで管を巻いている自分ですが、「辛くなったら、無理せずに、いったん休む決心を」。間違っても、家族や両親を残して先になくなるようなことはありませんように。ご冥福をお祈り申し上げるとともに、これ以上医師の過労死認定がなくなるように願ってやみません。ぽち→ 

 

自殺女性医師の「過労」認定 大阪地裁判決

asahi.com2007年05月28日

 愛媛県新居浜市の「十全総合病院」に勤めていた女性医師(当時28)が自殺したのは過労のためだとして、関西に住む両親が病院を経営する財団法人「積善(せきぜん)会」に対し、約1億9千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。大島真一裁判長は「うつ病だったのに病院が業務を軽くする措置を怠った。長時間拘束され、精神的緊張も強いられていた」とし、過労で自殺に追い込まれたと認定。逸失利益と慰謝料など約7700万円の支払いを病院側に命じた。

 原告側代理人の弁護士によると、勤務医の過労自殺をめぐり、病院側に損害賠償を命じた判決は全国で初めてという。

 判決によると、女性医師は02年1月から同病院の麻酔科に勤務。翌年夏にうつ病と診断され、症状は次第に悪化した。04年1月、病院内で麻酔薬を静脈に注射して自殺。その直前まで4カ月間の時間外労働は月100時間を超えていた。

 判決は、病状が悪化した後の勤務実態について過労と自殺の因果関係を認定。「病院側が休職させるか、業務の大幅な軽減を図るべきだった」と判断した。

 判決後、女性医師の父親(63)は大阪市内で記者会見し、「勝訴しても娘の笑顔は見られない。悲劇が二度と繰り返されないよう、医師の労働環境の改善を願いたい」と訴えた。一方、積善会の代理人弁護士は「判決内容は納得できない。控訴するかどうか検討したい」と話した。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

[臨床研修制度]元に戻れるか?

SkyTeam / 2007.05.28 08:45 / 推薦数 : 14

大学病院が臨床研修の舵取りを

キャリアブレイン2007/05/25

 

 医師の臨床研修制度の問題点を検討する「医道審議会医師分科会医師臨床研修部会」が5月25日、厚生労働省で開かれた。前回部会で「より多くのヒアリングが必要」とされたことを受けて、産婦人科・小児科・精神科を代表した参考人3名がそれぞれの立場から制度について意見を述べた。委員の中からは、「指導力が高い大学病院を生かした臨床研修が行われるよう、地域などと協力して新しいシステムを作っていくべき」とする意見が挙がった。

 小西郁生参考人(信州大学医学部産婦人科学講座教授)は、産婦人科の立場から臨床研修制度を批判。短期間のうちに各診療科を回る「スーパーローテーション」が産婦人科の勤務を他科と比較させ、研修医に「産婦人科は過酷だ」と判断させてしまっていると話した。
 小児科の立場から、内山聖参考人(新潟大学医学部小児科教授)もスーパーローテーションの問題点を指摘した。「小児科や産婦人科には他科にまたがる何でもやれる医師は不要で、科に特化して何でもやれる医師が望まれる」と意見し、小児科・産婦人科に別建ての研修方式を求めた。
 ただ、小西参考人・内山参考人はともに、疾病の初期治療を総合的に行う「プライマリ・ケア」修得を目指すスーパーローテーションの理念は評価。枠組みには賛成で、内容を充実させることが必要とした。

 また両参考人は、地方大学病院の教授として積極的に研修医確保に取り組んでいることを強調。「地域関連病院との連携を図りながら医師としての実力を真に身につけさせるプログラム構築に務めるなど、大学病院として地域医療の舵取りをしていく」と話すと、複数の委員から賛同の声が上がった。

 ヒアリング終了後、矢崎義雄委員(独立行政法人国立病院機構理事長)は、「研修プログラムの定員の数が臨床研修医の数よりかなり多く、研修医の売り手市場になってしまっている」と発言。「(売り手市場で)病院が気を遣いすぎるため、研修医は学生気分が抜けず、医師の社会的責任の大きさを実感すべき初期研修の役割が果たされていないことが課題」とし、今後、部会の中で研修プログラムの定員数の削減を検討していくことを要望した。

-------------------

 すでに研修医が病院を選ぶ時代になり数年になりますが、今さら元のように大学医局が中心とした研修プログラムの方向へは戻らないと思っています。

 市中病院での研修に比べれば、大学での研修が優れていた部分があれば、放っておいても若手の医師は大学医局に入ります。しかし、やはり大学病院は研究が中心です。

 

 大学-->市中病院へとイニシアチブを取られ、今後も都市部への流入規制を行うことを予想すると。狙われるのはたくさんの研修医の枠をもつ大学病院と研修医が集まる人気の大病院です。

 各大学がスクラムを組んで、大学の枠を削減しないように働きかけるでしょうが、なかなか厚生労働省が握った権力をまた大学病院側に戻す体制にはなかなかならないのではないかと思います。

 元の医局への即入局制度を、もしも厚生労働省がその効用を認める(絶対にありえませんが)のであれば、各県の研修医には、卒業後必ず大学医局に在籍することを義務付けし、その中で研修を終えないと初期研修の修了が出来ないようにするべきでしょう。

 そして、各県の中で複数の医学部があれば、医学生は選べるし、そういう意味で競争を大学同士が行うのは健全かもしれません。

 一般の市中病院が大学病院と競いだせば、勝ち組は元をただせば、大学から医師を潤沢に回してもらえた関連病院。中小規模の病院は今後も不遇をかこつことになると思います。今後も、議論は続くとは予想されますが、一度変えたやり方をそう簡単に戻さないのが役人です。しばらく、現行制度が続くのではないでしょうか。ぽち→ 

固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)

[たばこ]薬として規制対象に

SkyTeam / 2007.05.28 08:40 / 推薦数 : 6

31日から禁煙週間 保険適用で治療身近に

 そろそろ、禁煙週間というのでニュースが増えてきました。それにしても東京ではラッシュの時間が終わるとホームの喫煙コーナーは喫煙者がたむろし(端っこにするか完全分煙してほしい)、歩行しながらポイ捨てする…喫煙者のマナーを守る心が欲しいのですが。
 友人がニコチンパッチで禁煙を決心して、実行中でやはり少しつらいようですが、がんばってもらいたいです。
 自分も勤務医時代は、心筋梗塞や肺気腫の方をたくさん診察させてもらいましたが、なかなか辞められません。アメリカやヨーロッパでは内服可能な禁煙補助薬が出ていますが、日本でもいずれ処方可能になると思います。ぽち→ 

たばこを薬として規制対象に、米国医学界が勧告

 eureka! ニュース - 2007年5月25日
米国医学界で権威ある医学研究所(The Institute of Medicine, IOM)は24日、政府に報告書を提出し、「たばこ」をFDA食品医薬品局による規制対象となるように「薬」として認定し、販売方法を管理するよう法制化することを勧告した。

 IOMは、「公衆衛生上もはや問題とならなくなるまで喫煙を著しく減らす」ことを目標としている。報告書は、思い切った措置が必要として、たばこ1パック当たりの税金を2ドル(約242円)に引き上げる、たばこ販売店を免許制にする、医療保険による禁煙プログラム費用負担を義務づける、などを勧告している。
 米国内では毎年、たばこによって49万人が命を奪われている。この死者数は、エイズ、アルコール、コカイン、ヘロイン、殺人、自殺、車の事故、火事による死者の合計より多いと、報告書は指摘している。
 連邦議会ではすでに、下院と上院でそれぞれ一部議員らがFDAにたばこの規制権限を与える法案を提出している。法案を提出した民主党のEdward Kennedy上院議員は声明を出して「毎年毎年、議会がたばこ産業のロビー活動に屈して行動を起こさないのは恥ずかしいことだ。IOMの強力な勧告が逆らえないほどの力となって上院と下院が行動を起こさざるを得なくなることを願っている」と述べた。
 IOMは、独立した専門家で構成する審議会で健康に関する政策を勧告する。

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)