1~3次救急対応で搬送件数急増
―旭川医科大病院 患者振り分けは医療サイドの発想―

Japan  Medicine 2007/04/24

 

  旭川医科大病院(北海道旭川市)救急部への救急車搬送患者数が急激に伸びている。2002年度には年間400人弱だった救急車搬送患者数が、06年度には5倍の2077人へと急増。同大救急医学講座の郷一知教授は、「救急医療の1次、2次、3次の振り分けは医療サイドの発想。救急隊は近くの施設へ一刻も早く運びたい。救急医療は1カ所で対応するのが理想だ」と述べ、今後も1次、2次、3次の救急患者を「すべて受け入れる」としている。

 旭川医科大病院は、1993年に旭川市を中心にした北海道道北地域の3次救急医療機関の指定を受け、97年にはヘリコプター搬送による救急患者の受け入れ体制を整備。06年1月には旭川市の2次救急の指定を受け、同市内のほかの4病院と輪番体制を取っている。

 同病院が3次救急の指定を受けたのは、主に旭川空港の空港災害を想定してのことだった。しかし、「重症も中・軽症も少なかった」(郷教授)のだという。その背景には、人口36万人の旭川市には、3次救急医療機関として旭川赤十字病院が既に活動していたという事情もあった。郷教授は、「旭川周辺の人口を合わせても60万人程度。2つの3次機関が必要なのかという問題もあるが、そもそも患者は自分がどのレベルなのかを判断できない。救急隊も近くの施設へ一刻も早く運びたい。救急医療は、レベルに関係なく1カ所で対応するのが理想でもある。救急医療の1次、2次、3次の振り分けは医療サイドの発想」と指摘する。卒後臨床研修制度が始まる時期でもあったことから「研修医のためにも救急医療の多くの症例を扱う必要がある」として、1次から3次までのすべてを受け入れる方針を決めた。

 06年度の救急外来患者数は約7000人(02年度は約3800人)。その内、救急車搬送患者数は2077人で、02年度の400人弱の5倍に急増した。「心肺停止患者も、以前の2、3人から70人(06年度)に増えた」(郷教授)。

 郷教授は、「救急車搬送は患者の状況に合わせて得意分野の病院に搬送される傾向があるが、大学にはどの診療科にも医師が必ず居るので、どんな患者でも受け入れることができる。いつでも、どんな患者でも受け入れるのが本来の救急医療であり、救急隊もそれを見て搬送するようになり、搬送患者数が増えるのは自然の流れ」と指摘する。

 同病院のこうした姿勢に対して市内の医療関係者からは、「旭川医大と旭川赤十字の2つが肩を並べて救急医療に取り組んでいる。どちらか1つでは負担が大きすぎる。地域の救急医療はうまく運用されている」と評価する意見が出されている。[4月25日]

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 旭川市内には赤十字病院もあって両方とも切磋琢磨という感じなんでしょうか?ただ、救急患者さんをレベルを問わずに受け入れると…大学病院の存在は市民にとり、頼りになるかもしれません。

 そのかわり、へき地の医療拠点を撤退して、大学にマンパワーを集中しているということでなければいいのですが。

 へき地と違って、住民が多く住み、ほかにも選択肢が多い都市部で、厚生労働省が進める病院機能分担を否定する教授。

 研修医の知人に見せたら、「この教授が実際に現場で患者さんを診ておられるのなら、いいのですが…」って言いました(そうであると思いたいです)。

 さて、研修医のために地域医療の拠点であろうとする大学病院、医師の引き上げの結果、医師がいなくなった根室。対照的ですね。ぽち

 

道内の救急医療機関 過去20年で最少 ピーク時から2割減

北海道新聞04/26 06:46

 道内の救急医療に対応する病院や診療所は、二○○六年度に二百九十二施設と五年連続で減少し、過去二十年間では最も少なくなったことが二十五日、道のまとめで分かった。民間医療機関が医師不足により救急認定を返上するケースが目立つ。医療関係者は「道内では救急医療体制がすでに破たんしている地域もある」とし、早急な対応の必要性を指摘している。

 救急車の搬送先となる救急医療機関は、基本的に二十四時間の医療体制と入院設備を持つ病院や診療所が道に申し出て、知事に「救急告示医療機関」として認定される。

 道内の救急医療機関は、記録が残る一九七六年度以降増加傾向だったが、八八年度の三百八十二施設をピークに、○六年度は二割以上減少。過去二十年間では最も少なく、本年度もさらに減る見通しだ。

 特に、病床が十九床以下の民間救急診療所が二十九施設と、ピーク時の四分の一以下に減った。病床が二十床以上の民間救急病院は微減。自治体病院や厚生連など公的施設は二割増となった。

 また、救急医療機関の地域偏在も目立つ。道内を二十一に分けた二次医療圏域(入院設備の整備が必要な地域)別にみると、五施設以下の地域は七つ。富良野地域が最少の二施設で、北空知が三施設。最多は札幌で九十六施設。旭川を含む上川中部は二十一施設など、都市部に集中している。

 ○六年度に救急認定を返上した医療機関は、札幌市や富良野市、岩見沢市の民間病院など六施設で、本年度もすでに、診療所に移行した夕張市立総合病院と、全床を療養病床に切り替えた上湧別厚生病院が返上を申し出た。

 三つの救急病院があった富良野地域(富良野市、上川管内上富良野町、中富良野町、南富良野町、占冠村)では、唯一の脳神経外科だったふらの西病院(富良野市)が昨年四月に、医師不足から救急認定を返上。このため、富良野地区消防組合消防本部は、交通事故などの急患を旭川市内の病院まで運ばざるを得ない事態が月に十件ほど発生し、「患者が本格的な治療を受けられるまで一時間半ほどかかることもある」(同本部)という。

 北海道病院協会の徳田禎久理事長は「基本的に救急医療は病院にとって赤字。地方病院では通常勤務と並行しての対応になり、医師の負担も非常に大きい」とし、「早急に道が医師や看護師を効率的に配置するなど集約化を図る必要がある」と指摘している。

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 NHKのドキュメントにっぽんの現場の予告をみかけましたので、録画でもしようかと考えつつ。お知らせ。現場を知ってもらうにはいいことでしょう。これが日本人が選んだ政治家たちの、政府の役人がやっていることだといういい教科書です。明日は小谷さんは録画しておいて、ちょっとNHKに浮気しようかな→

ベッド難民は何処へ行く~武蔵野療園病院 医療相談室~

■ 本放送予定:4月26日(木)午後11:00~ 
■ 再放送予定:5月 2日(水)午前 2:10~  (火曜深夜)

東京中野区にある「武蔵野療園病院」の医療相談室。ここには、入院を希望する患者とその家族からの電話がひっきりなしにかかってくる。 
「急に転院してほしいと言われた。」
「在宅治療はもう限界だ。」
いずれも昨年行われた医療制度改革の影響で、前の病院をやむなく退院した人たちだ。 
政府は膨れ上がる医療費を抑制する目的で長期入院患者のためのベッド=療養病床を大幅に減らす方針を制度改革に盛り込んだ。病状をランク付けし、診療報酬が低く設定される患者は病院経営の負担になるため退院を勧告される。
そうした人たちが殺到しているのが「武蔵野療園病院」。相談室の医療ソーシャルワーカーは患者・家族の悲鳴に耳を傾けるが、病院はすべての人を受け入れることが出来ず、毎週判定会議を開いて入院の可否を決めている。医療相談室という「現場」に密着し、医療費削減の波に翻弄される人々と病院のジレンマを伝える。

みのもんたが「こういう話題」に触れないのは彼がお金もちだし、こういうくらい話題では視聴率が取れないと思っているから。実は逆で、最近気づいたのです。

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 いろいろ視聴率で医療系ドラマを調べるまでもなく、かたや「白い巨塔」(最終回が、32.1%、平均23.9%)、「振り返れば奴がいる」(平均22.7%)、「ブラックジャックによろしく」(平均14.15%)「一リットルの涙」(初回視聴率は13.5%でしたが、最終回は、20.5%)
 いっぽう「研修医なな子」「きらきら研修医」(初回10.4%、第2回は10.6%)「ナースマン」(9.5%)など。前者は高視聴率。後者は低視聴率。実は医療物のドラマはおちゃらけた内容のものよりも、じっくりと現場の厳しさを伝えるような良質のドラマの方がはるかに視聴率が良いという事実。
 いずれ、この事実が気づかれると、今のような医療系バラエティなんかよりも、介護老人や患者さんがいる世帯にとって、医療の問題は「バラエティ枠」でやるべきものではないと気づくはずですが。それにしてもスポンサーがつきにくいか?
 いずれにせよ。民放各社もそろそろ浮ついた報道バラエティなんかよりも、日本の未来(老人が1/3を占める社会があと20年もしないで来るのだが)をもう少し真摯に考える番組を希望します…民放は衛星放送よりも観ないけど。

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