日本のマスコミは「アメリカの医療は最高」という具合に持ち上げることが往々にしてよくあることですが、システムとしては最低だというのが、やはりコレを読んで思いました。こういうのを載せないで、自由経済原理主義というアメリカかぶれの経済財政諮問会議のメンバーの意見が堂々とまかり通るというのは、ちょっと頂けません。ま、マスコミさんは忙しいということで、パワーポイントも作らずに罵詈雑言を言うことが仕事だというのがわかりましたAtsullow-s caffee先生ありがとうございました。
報道のプロフェッショナル集団だと記者の方達を評価したいのですが、マスゴミが「医療訴訟社会」を演出している影の主役と思うと同時に、彼らの誤報(たらい回し事件)も優秀な仕事の現れだと思うことにしました。いずれ、誤報を垂れ流したら、新聞の発禁ならびにねつ造した記者は永久に追放して欲しいものです。また、自分は少なくとも読売新聞と毎日新聞を買うような不見識なことは一切しません。ぽち→
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先日も伝えた通り、2008年大統領選挙に向けて、アメリカでは二つの大きな争点が浮上している。イラク戦争と、医療システム危機だ。今回は、アメリカ医療システム危機の具体的な事例をうまく伝えるサンフランシスコ・クロニクル紙に掲載されたコラムを翻訳して掲載。
保険未加入の患者、肋骨骨折で治療費が1万2,000ドル超
by デビッド・ラザラス:サンフランシスコ・クロニクル紙2007年3月30日付けコラム
我が国では医療保険に加入していない国民が4,700万人いる。リッチモンドに住むジョーイ・パーマーもその1人だ。
ジョーイは、保険未加入状態がいかに高くつくかを思い知ることになった。軽微なオートバイ事故で肋骨を骨折した後で、サンフランシスコ総合病院の1万2,000ドル(約143万2,098円)を超える請求書に襲われたのだ。
「こんな金額、払えるわけないよ。」32歳のパーマーは私に言った。「俺はホームレスじゃないけど、こんな大金、今すぐには無理だ。こんな金額誰が払えるっていうんだ?」
サンフランシスコ総合病院管理業務部長のイマン・ナゼーリ・シモンズは、パーマーに同情すると言った。
「私達のせいじゃないんです。」彼女は言う。「システム全体がいけないんですよ。崩壊してるんですから。その改善のために、どうしたら道理に適ったやり方で治療を提供できるようになるのか、詳しく調べる必要があるんです。」
パーマーの物語は、合衆国の暴走する医療費をめぐる広範な問題と、数百万のアメリカ国民に独力で生き延びるよう強いているそのシステムを実証している。
それはまた、地域や相手を問わず手の届く金額の医療サービスを保障する公的制度の重要性を明確に示している。それこそ、カリフォルニア州を含め現在の大統領選挙キャンペーンの中核を占める政策課題の最終目標なのだ。
「先進国中、国民皆保険制度がないのは我が国だけです。」都市研究所の上級調査員を務めるスタン・ドーン氏は言う。「しかも、我が国の医療費は他の先進国と比較して最も高額なのです。」
経済協力開発機構の最新統計によると、アメリカ合衆国では2004年度の国民1人あたりの医療保険平均額は6,102ドル(約72万7,849円)であった。
カナダでは国民1人あたり3,165ドル(約37万7,546円)、フランスでは3,159ドル(約
37万6,785円)、オーストラリアでは3,120ドル(約37万2,133円)、イギリスでは2,508ドル(約29万9,191円)である。一方で、合衆国国民の平均寿命はこれらの国より短く、乳児死亡率は高い。
しかし、それらは単なる統計の話。アメリカの医療システム危機を語るなら、実際に人と話してみたほうがいい。パーマーの話は多くを物語っている。
9月19日、パーマーはバイクに乗ってサンフランシスコのプレシディオを走っていた。夕方頃、パーマーはリッチモンドの自宅に帰るために、金門橋方面に向かっていた。
突然ブレーキがロックし、バイクが滑走した。パーマーはガードレールに激突した。体は酷く振り回されたが、ケガはたいしたこともないようだった。
一部始終を見ていた通行人が助けを呼んだ。まもなく救急車が駆けつけた。
パーマーは救急医療士に、肋骨を傷めた感触があり、たぶん骨折しているだろうが、それ以外はOKだ、と説明した。自分の収入レベルを考え、自宅があり、治療費を抑えられる可能性のあるコントラ・コスタ郡で治療を受けたいと説明した。
パーマーは富裕層向けヨットの装飾を専門とする建具職人だ。昨年の収入はわずか7,500ドルで、親類の援助で暮らしているという。
パーマーによれば、救急医療士は彼が身体内部の損傷に耐えられるか懸念し、すぐに近所の病院で治療を受けるよう薦めたという。そこで、彼は救急車で、市内唯一の外傷センターであるサンフランシスコ総合病院に運び込まれることになった。
パーマーは幸運だった。救急車は連邦政府機関であるプレシディオ消防局から来たので、救急サービスに課金されることはない。民間の救急車サービス企業を呼んだ場合、パーマーはおよそ700ドルから1,000ドルの費用を請求される可能性があった。
一方で、パーマーが知らなかったのは、救急医療士が病院側に事故の被害者を運ぶと無線連絡してすぐに、サンフランシスコ総合病院側が、通常の手続きに則り、職員達に外傷警報を発令していた事実だ。
基本的に、そうした事態では医者と麻酔医に待機するようポケベルで連絡され、その連絡だけでパーマーには4,659ドル(約55万6,165円)が課金されたのだ。まだ彼が病院に運ばれる前の出来事である。
実際の病院での体験は、控えめに言っても悪夢だった。様々な検査のために血液が採取され(その内最安値の検査で44ドル、最高値の検査が107ドル課金される)、レントゲン写真も撮影された(423ドル課金)。
その後、パーマーによれば、彼は“酷い幻覚を見ている最中の”麻薬中毒患者が居る患者室に置き去りにされた(2,070ドル課金)。どこか別の場所へ移動してもらうよう願い出たが、空いている部屋がないと言われた。結局、パーマーは廊下で移動ベッドの上に収まった。
そこで彼は5時間待たされた。
パーマーの請求書によれば、待ち時間の間、痛みを抑えるためにヴァイコディン(鎮痛薬)を2度投与されたことになっている(22ドル課金)が、本人によれば薬をもらっていなかったという。
「ようやく職員を見つけたので病院を出てもいいか尋ねたんだ。」彼は言う。「その人の話では、CTスキャンの結果待ちということだった。俺は“CTスキャンなんて受けてないよ”と言ったんだ。結局、連中は俺を検査者リストに入れ忘れてたことがわかったんだ。」
そこで、パーマーはCTスキャン検査者リストに加えられた。そしてまた1時間待った。
ついにCTスキャン検査を受けて(3,334ドル課金)、その後再び一連のレントゲン撮影をすることになった。パーマーの話によると、最初に受けたレントゲン撮影は明らかに失敗していたということだ。
「ようやく医者と向かいあった・・・もう午前2時だ・・・で、医者が言うには、確かに肋骨が骨折しており、いくらか筋肉も損傷を受けたらしかった。」パーマーは回想する。「それだけだ。診察終わり。」
それからすぐに、退院用紙を持った事務職員がやって来て、パーマーに署名を求めた。
「彼女は支払いをどうするか尋ねてきたんだ。」パーマーは言う。「俺は彼女に、医療保険に入ってないと言った。彼女は俺を見て、誰か訴える相手がいるかどうか尋ねてきた。」
数週間後、パーマーは病院の料金として1万1,082ドル(約132万1,870円)、医者の料金として922ドル(約10万9,976円)の請求書を受け取った。
パーマーの医療体験は高額で時間のかかるものだったが、珍しいことではない。多くの国民が、アメリカ医療施設で“救急”医療を受けた際の同じような(同じくらい高額な)経験を挙げるだろう。
「我が国では、医療というものが、大金を稼ぐことが出来るチャンスのように捉えられているんです。」都市研究所のドーン氏は言う。「医療の目標とは人の健康状態の改善にあるべきなんですがね。」
パーマーの冗長な病院滞在について、サンフランシスコ総合病院のナゼーリ・シモンズは、治療記録を見る権利がないのでコメントできないと言った。しかしパーマーが許可を与えたので、彼女はパーマーの請求内容について検討することができた。
「医療市場全体をみれば、この請求内容が突出してることはありません。」ナゼーリ・シモンズは言う。「他所の病院の請求内容に比較して並外れていることもないですね。安いくらいです。」
そうとも限らない。例えば外傷動員料金(Trauma activation charges)は、ベイ・エリアの病院では一般的に2,000ドルから7,000ドルと多岐にわたる。マリン総合病院では、1万2,636ドルという高額ぶりである。
ナゼーリ・シモンズによれば、サンフランシスコ住民なら低所得者向けにスライド制料金が適用されるとのことだ。しかしパーマーの場合、コントラ・コスタ郡の住民なので、その制度は適用されない。
「無保険で年収1万ドル以下なら、支払いは要らないのです。」ナゼーリ・シモンズは言った。「しかし、それが適用されるのは市内とサンフランシスコ郡に住む人だけです。」
請求書を受け取ってから、パーマーは病院に高額請求について苦情を言った。ナゼーリ・シモンズはパーマーの請求に従い請求内容を見直し、「外傷動員料金を免除することにしました。」
それで請求額が4,659ドル削減された。それでもパーマーは、本人の弁によれば実際の治療時間は15分程度なのに、8時間の病院滞在で7,000ドル以上の負担を強いられることになる。
「あのような状況になったのは不運だといえます。」ナゼーリ・シモンズは言った。「しかし、個々の病院に何ができます?病院側が費用を負担せよとでも?」
彼女が言うには、他の先進国にあるような政府が運営する同様の制度では、まちがいなく費用を抑えられるし、(制度内で貧窮化することなく)誰でもサービスを受けられるようにできるとのことだ。
「国民皆保険制度があれば、ジョーイ・パーマーのような患者でも、他所の郡だからといって冷遇されることもないんです。」ナゼーリ・シモンズは言った。
パーマーとしては、病院の請求に対して可能な限り支払いを完済するよう努力するしかないとのことだった。それから、もしうまくやれるなら、国を出るつもりだという。彼は真剣にフランス移住を考えている。
「あちらで病気になったとしても」彼は思いをめぐらせた。「どの病院にも行けるし、大金がかかることもないだろうな。」
静かな不信が込められた口調で、彼はそう言った。
(以上)
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女性歯科医事情に帝王切開のお値段、診察費、MRIについてTBさせた記事も興味がある方はご覧ください。
どうぞアメリカに短期間でも旅行される時は旅行用の医療保険に入られることをお勧めします。
自由競争の適しているところと適していないところが如実に表れている気がします。
実はアメリカの自由競争バンザイの経済学者も医療保険制度には否定的な人もいるようで
医療保険のように保険会社が健康な患者とそうでない人を見分けることができない場合。
「保険料は不健康な人たちに合わされ->健康な人たちは保険に入らなくなり->そしてますます不健康な人たちばかり保険に入るので料金が高くなる」
ということらしいです。
「まっとうな経済学」の作者は「ピーチとレモンの法則」という名前で説明していました。
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4270001445/503-6082581-3256710?SubscriptionId=1CVA98NEF1G753PFESR2
日本の自由競争原理主義は未開の地にもたらされたキリスト教と同じでカルト化しているようです(泣
コメントにトラックバックありがとうございました。アメリカのいい点は積極的に評価したいですし、やはり医療先進国であることは確かなのですが、影の方が時として深刻なこともあるという意味ではショックでした。
通りすがりせんせい>
自由競争が果たして医療にふさわしいのか?今一度問われる時代に入っていくのではないでしょうか。もちろん、官僚主義的な部分にはメスを入れるべきでしょうが、日本のように健康を損なった時に平等が悪いことだとは思いません。
2、(米)全米で広がっているSmoking ban=飲食店などでの完全禁煙 (日)人前でもぷかぷか喫煙
平均寿命も低く、その人種間での差が大きい国ですが、逆に健康であることへの関心は、高いように感じます。
日本と米国じゃ鏡を見ているような関係ですよね。健康に対する意識は日本も年々高まっていると思います(だからねつ造騒動が起きたのだと思いますが)
アメリカの医療はシステムだけでなく、内容も?です。決して世界最高ではありません。
私は循環器医ですが、留学生からの話を総合すると、アメリカではPCI(経皮的冠動脈形成術)を受けたくありません。受けるなら日本です。
アメリカの某有名大学病院では、訴訟をさけるため、心カテ中に心停止になっても手出しをしてはいけなくて、まず担当ドクターの仕事はCPR専任チームに電話することだそうです。(現場に立ち会ったわけではありませんが。)
彼らはガイドラインやEBMを作るのは得意ですが、現実にはあまり守られていないようです。
インフォームドコンセントも、専任の係がとるらしい。医師にそんな暇があれば、一件でもPCIをして稼げというところでしょうか。
ちなみにアメリカのPCIの創始者は、自家用飛行機を持っていて、友人の結婚式に行こうとして墜落して死にました。やれやれ。
日本は体制は不十分かもしれませんが、現場はがんばっているのです。
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