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< [問題は給与ではない]建設的報道を求む | メイン | [後期高齢者受診抑制策]医学会総会にて >

  土曜日一日だけですが、午前中からずっと会場にいました。内容は医療技術の進歩から医療倫理など話題が多く選ぶのは大変でしたが、参加したシンポジウムの中から、一つだけご紹介します(幸い、新聞社も取り上げてくれて記事があっておこしやすいのもありますが)。まずは新聞記事などでその場の雰囲気や討論の内容についてお読みください。
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医療現場もう限界…日本医学会総会で“崩壊寸前”報告

 医療現場はもうヘトヘト――。大阪市で開催中の日本医学会総会で7日、医師不足をテーマにしたパネル討論「日本の医療クライシス 産科、小児科、麻酔科、救急医療と医師のQOL」が開かれた。長時間労働に疲れた勤務医が病院をやめて開業するといった事態が報告され、「崩壊寸前だ」「今の状況は序の口」などと“悲鳴”が相次いだ。

 QOLとは「生活の質」の意味で、ふだんは患者の状態を語る時に使う言葉。基調講演で大島伸一・国立長寿医療センター総長は「医師が自分たちのQOLを議論すると聞いてびっくりした」と切り出し、「必要な数の医師を養成してこなかった」と国を批判した。

 「産婦人科や小児科を希望する医学生は少なくない。なのに臨床研修を経験すると、どんどん逃げていく」。武谷雄二・東京大教授(産婦人科)、衛藤義勝・慈恵医大教授(小児科)は口をそろえた。魅力は感じるものの、あまりにも忙しく、医療事故や訴訟のリスクも高い現状を見て敬遠する例が多いという。

 島崎修次・杏林大教授(救急医学)は「研修指定病院の40%は、救急医療の指導医がゼロ。これでは救急医を養成すること自体が難しい」と苦言を述べた。

 討論では、若手で大幅に増えた女性医師にも焦点が当てられた。出産を機に離職する割合が高く、人手不足の一因になっているといい、「女性も働きやすいよう、労働環境を早急に整えるべき」との意見が出た。

2007年4月8日  読売新聞)

医療危機パネル討論:医師不足…待遇改善など訴え相次ぐ

 医師不足が社会問題化している産婦人科や小児科、救急科などの医師のQOL(生活の質)などを考えるパネルディスカッション「日本の医療クライシス」が7日、大阪市内のホテルで開かれた。パネリストを務めた医師からは、厳しい医師不足の現状や過酷な労働環境、待遇改善などを求める訴えが相次いだ。

 150人を超える医師らが参加した。基調講演で、大島伸一・国立長寿医療センター総長が「危険性が高く、過剰な労働や低い待遇が、産婦人科や小児科離れ、開業志向に拍車をかけている」と指摘。「医療体制の構造的な問題で、医療需要に応じて医師や医療費などが適正に配分されていない」と批判した。また、「社会からの敬意こそ、医師のQOLを高める」と訴えた。

 一方、会場からは「医師不足を解消するためにも、工学部のように入学時点で各科ごとに分けるべきではないか」「70歳以上でも医師として働く人の数にカウントされる厚生労働省の統計は怪しい」などの意見が出た。【河内敏康】

毎日新聞 2007年4月7日 20時23分

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 というシンポジウムで、もちろん討論も含めて各科での問題点は出ていました。
 しかし、この問題を解消するためには「医師の数はどれくら各科で必要なのか?」という話題になると「専門家ではないのでわからない」とか、「国がいうべき」だとかそんな感じで大学の先生は行政サイドにお任したいと言うものの、その場には行政の方が一人もいなかったので、具体的なお話になりませんでした。(というか、そもそも水増しされた医籍登録について指摘がありましたが、まったくそのインパクトは考えられないようでした)。
 予算の枠の範囲内でしか、医師は増やせないという回答もありましたが、今後15-20年先、団塊の世代が病気の好発年齢になると、今の1.7倍くらいが毎年亡くなられます。今100万人ですから、それだけ医師あるいは医療従事者の需要は増えるワケです、これを無視して今のままでは崩壊寸前と言うのはおかしい気がしました。

 現在、厚生労働省は「病院死」ではなく、「在宅死」や「往診や外来通院治療」を前面に押し出していますが、それとて需要の拡大です。それに応えるべく、医師の人数を今の3000人/年の増加数では15年×3000としても4.5万人。今の厚生労働省の表向きの人数27万人が31.5万人になるだけです。各科ごとの細かいお話も大切でしたが、実は医療に対する需要が、より高度なモノ難度が高くなる一方なのに、ホント3000人程度の増員で間に合うのか?今のように75~90歳すぎの高齢な医師を実働している医師としてカウントしつづけるのは問題だし、もっと行政サイドに医療界全体として働きかける態度は必要だと思いました。

 

 また、議論の中で「医師は公共財の一種なのだから、眼科とか皮膚科のような楽な科にばかり進むような不公平な分配は許されない」。研修医が専門を選ぶにあたり「眼科●人、小児科×人、皮膚科■人…」という受け入れ枠を設け、科ごとの定員を決めることで、各科に生じている医師の偏在を解消する案を討議していましたが、そんなことを言っても…労働条件が悪かったり、医学生や若手医師に魅力がなければ成績が悪い人間が選ぶハメになりかねません>その科には。ちなみに「へき地の枠は?…」ということは一切お話なしでした。また、公共財である医師を疲労に追いやっている夜間救急の患者さんの無理な診察要求、過大なペーパーワークなど具体的なお話もなし。現場の医師がどえらい目にあって中堅層が抜けて行っているのを大学教授のレベルになると「遠いお話」のようでした。

 

 国がまったくアテにならない(医師の確保について県レベルや市町村に丸投げですよね)状況では、各大学は地方自治体と協力して、地域の病院と連携して行かなければ、そもそも今問題になっている「へき地」「救急体制」「産科」「小児科」などは、簡単じゃありません。。

 また開業医の先生から「パネリスト先生がたに言いたいが、開業医が楽だというのは勘違いもはなはだしい」とコメントありましたが、地域住民の健康を第一線で守っておられる先生方からしてみると、開業が簡単だから医者が辞めるという雰囲気の話はけしからん、大学何やっとるンだという感じでしょうね。

 

 今後さらにマンパワーが不足すれば、優先度に応じて選別が生じます。いわば、弱者と強者を振り分けることになります(病院の体力によって医師が集まる数がさらに不公平になります)。また病院は今以上に経済性を求められ、採算性の高い診療に力点を置くことになり、それががん治療であれば、一般的な老年内科的な診療は後期高齢者の「定額制導入」がさらに拡大して、病院外来にはかかるのを制限され、開業医も今よりもぐっと採算性を求められ、毎週のように来る患者さんも費用負担が求められ…いいことはなさそうに思いました(きっとマスコミさんには医療費負担高騰、患者に悲鳴…とか書かれそうです)。 

 

 日経メディカルの今月号が届きました。10年後に医師は充足するというのは「都市部では充足…」でしょうが、「へき地」では今まで以上の医療過疎が進むと思います…それについて全く目が行かなかったという意味では今回の討論は大学医局を中心とした話題が先行し、地域医療崩壊については大学関係者に任せると「後回し」になってしまうと言う感じがしてしまいました。(兵庫県北部とか北海道の先生とかがコメントすればだいぶ違ったかもしれませんし、本田先生が基調講演であれば、こんな各科ごとの問題点のみの話題にはならなかったでしょうが、パネリストの先生がたは東京とか都市部の大学教授ってのはどうもまだそこまで顕在化してない感じです。

 現場から遠く離れた大本営と末端の野戦病院の間では情報もまた危機意識も違ってきます。もう少し、大きな学会なだけに医学会総会として「医療危機は今のような応急処置だけでは医師不足は解消しない!」ってアピールは出来なかったのが残念でした。 ぽち→

 

↓医専卒の75歳以上まで現役バリバリでご活躍という具合に水増しされている医師の人数の実態(厚生労働省のホームページより)

 

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諸君石原劇は終わった。
たんぽぽの綿毛 [続きを読む]
posted from 酔語酔吟 夢がたり 2007.04.09 16:43

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この統計は医師からの届け出により集計されたもののようですが,私は自分でこのような届け出(2年ごとですか?)をした覚えがありません.病院で勝手にやっているのでしょうか.ご存じの方があれば教えてください.
written by 勤務医 / 2007.04.10 12:52
勤務医先生>
 えっと、病院に勤務しているのであれば、事務がたぶん代行してくれていますよ。自分の場合も仕事場がまとめてくれました。まぁ、罰金刑もあるという話なので、やった方がいいですね。その話題についてはこちらで紹介しました↓(よろしくです)

http://blog.m3.com/TL/20070114/1
written by SkyTeam / 2007.04.11 09:03

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