SkyTeam / 2007.02.22 08:35 / 推薦数 : 8
隠岐の産科医が再びこの四月から一人体制になります、後任については五里霧中、今後は不明です。派遣元の病院は今月号のDoctors Magazineで紹介されていた県立中央病院ですが、ここは700床弱で160名の勤務医を抱えている病院でも産科医は不足しているようです。
島根県の西部の石見地区は相当深刻です。こういう状況になって、県などが率先して対策を練るのは難しいようです。ここは青木参議院議員のお膝元、しかし…どうにもならんでしょうね。ぽち→
あと、マスコミは産科医不足を訴えるのみだが、今後深刻になるのは内科医不足による「救急医療崩壊」である。それで幾人の方が危険にさらされるかは今のところ未知数です。しかし、今の産科・小児科医不足が表の流れがだとすると、救急医療には欠かせない内科・脳神経外科などもじきに危うくなることを警告せざるをえない。これも遠からず問題が顕在化する…そして病院の淘汰が進むのではないでしょうか。
-どうする島根のお産 現場から直言 : お産インタビュー(4)山根由夫・済生会江津病院産婦人科部長
島根県内のお産の現状は。
「大変なのは隠岐だけだと思っている人は多いかもしれないが、決してそうではないことを、認識してほしい。私は、10年も前から警鐘を鳴らしてきたが、報道された県の調査結果の通り、全県内、『隠岐化』しつつある」
-具体的には。
「浜田圏域では5人の医師で年間740件の出産を扱っている。益田圏域も5人で700件近い。一般的に医師1人に年間100件までが適当とされており、既に異常な状況だが、春以降、両圏域で分べんを取りやめる病院があり、それぞれ医師が1人減る計算になる。大変厳しい状況が目前に迫っている。県西部の産婦人科医療は破たん寸前だ。東部だって、中心は私と同年代の医師たち。若い医師が不足しており、あと10年もすれば、ごっそりいなくなる。助産師と看護師の不足も深刻で、医師と合わせて三段構えの危機だ」
-方策はあるか。
「集約化するとか、役割分担すると言っても、都会と違って、困難がある。出産が中止された邑南町の邑智病院では、私たちの病院と島根大医学部が連携して毎週、健診を行っているが、邑智郡の妊婦さんたちが出産するのは、車で1時間もかかる江津や広島の病院だ。重症だと島根大医学部付属病院の対応となる。どんなに大変で、不安なことか。結局、人がいないとどうしようもない」
-人材確保に妙案はあるか。
「県外から医師を連れてくるのは難しいだろう。よそも足りないからだ。であるなら、早急に医師や助産師を育てることが必要だ。公的に手当を出すなどして、医学部の産婦人科に入局する学生や、助産師を目指す学生を増やしてほしい。地域枠の拡大など人材が流出しない取り組みも必要だ」
-自ら何ができると考えるか。
「手足が動く限り、現場で、1人でも多くの医師を育てたい。経験を積んで一人前になるには10年はかかる。自分の年齢を考えると時間がない。いま県内で頑張っている仲間はみな同じ思いだ。確かに、産婦人科医は厳しい。しんどくてもやるのが産婦人科医だと思ってやってきたが、そんな時代ではないのかもしれない。辞めて『天国だ』と言った産婦人科医もいる。だが考えてみてほしい。お母さんが死ぬほど痛い思いをして、天使のような赤ちゃんが生まれてくる。この命を守ることより大切なことが、ほかにあるだろうか」
やまね・よしお 精密機器メーカー勤務の後、島根医大(現島根大医学部)、同大学院で学ぶ。島根県立中央病院、隠岐病院を経て、1998年から現職。出雲市出身。58歳。
('07/02/20 山陰中央新報)
お産インタビュー(5)江木徹・産婦人科江木医院院長
-開業医として、今夏で分べん対応をやめる決断をした。
「年齢的な問題に加え、横浜の看護師無資格助産事件、福島の妊婦死亡での医師逮捕など、産科をめぐる厳しい環境が背景にある。子どもは安全に生まれて当然と思われるが、100パーセントとは言い切れない。ストレスは大きい。1952年に父が開業し、親子二代続いた医院。浜田圏域(浜田、江津)で、お産ができる開業医がいなくなるのは残念。苦渋の選択だったが、私がもう少し頑張ったとしても、いつかはこういう時期が来る」
-開業医は各地で減少している。
「私が病院を継いだ当時、圏域の開業医は7病院はあった。その後、後継者不在などで年々減り、新たな開業はゼロ。産科の開業医は、365日24時間、気の休まる時がない。敬遠されるのも仕方がない。地方は、助産師が確保できない根本的な問題もある。戦後、長年続いてきた開業医というシステムが、このままでは地方からは姿を消すだろう」
-これから、どう動くか。
「浜田圏域では、病院と開業医が、分べんと健診を機能分担する『セミオープンシステム』を導入する。浜田医療センター、済生会江津総合病院、中山産婦人科医院と協力し、新体制が軌道に乗るよう努力する。我々が年をとり、引退すれば、この体制も一時的で終わるかもしれない。それでも勤務医の負担軽減にはなるだろう。これからも連携という視点が重要だ」
-地域のお産を守るための方策は。
「医師が精神的、時間的なゆとりを持てるよう、過酷な労働環境を改善しなければ、若い医師の産科離れは続く。お産には大きな喜びがあるが、やりがいだけでは現実の負担を補えない。現在の深刻な医師不足の中、すぐに手厚い体制を組むのは難しいだろうが、立て直さねば先細るばかりだ。開業医が存続するには、助産師の力が欠かせず、石見のような地方に、定着させる支援制度もいる。常に同じスタッフが対応する安心感、長年の信頼関係など、開業医ならではの良さもある。身近な開業医と、高度医療を担う総合病院という選択肢を維持するために、産科を魅力ある職場にして人材を育てねばならない」
えぎ・とおる 東京医科大卒。鳥取大医学部付属病院、済生会江津総合病院、島根医大(現島根大医学部)付属病院を経て、1980年から現職。浜田市片庭町。65歳。
('07/02/21 山陰中央新報)
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