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朝日新聞 2007年01月23日13時27分
東大生が中心の学生グループがクリニックを開設した。診察はプロの医師が担当するが、それ以外はすべて学生が手作りしている。
新宿駅西口から徒歩3分のオフィスビルの6階に昨年11月末、これまでにないタイプの診療所「コラボクリニック新宿」がオープンした。
診療するのは内科系の医師たちだが、開設準備をはじめ、経理など運営事務のほとんどは東京大学や東京芸術大学、早稲田大学などの学生たちが担当している。
きっかけは、中央大学公共政策研究科客員教授で、東大医科学研究所客員研究員でもある鈴木寛参院議員(42)が、東大教養学部で開いた情報社会に関するゼミ(通称スズカンゼミ)だった。
「日本の医療をもっと患者にとって便利にできないだろうか」
そんな鈴木氏の問いかけに、「ぼくが病院を作ります」
ゼミ生の一人、東大文科一類1年生の城口洋平君(19)が応じた。昨年6月のことだった。
●開設費用は150万円
「コンビニのようにいつでも好きな時に行ける病院があったらいいのに、と以前から思っていました。鈴木先生のゼミに刺激され、まだ存在しないなら自分たちで作ろう、と決意しました」
城口君を中心に、ゼミ仲間やその友人ら約20人でクリニック開設プロジェクトが始まった。目指すのはコンビニのように便利なクリニック。通学や通勤の途中に寄りやすいように駅のすぐそばに場所を決めた。診療時間は夜9時まで。クリニック前の通行人調査をして設定した。
鈴木氏が資金を出した。
「120万円以内で作るように」
120万円というのは若い医師の退職金に相当する。
「志のある若い医師が退職金でクリニックを開ける、という前例を作りたかったんです」(鈴木氏)
都心に診療所を開く場合の相場は3000万~4000万円だ。学生たちは何でも自分たちで作った。電子カルテやレセプト(診療報酬明細書)のコンピューター処理システムは、コンピューターに詳しい東大理科三類の学生が作り上げた。マンションの改装やビラ配りも自分たちでした。結局、予算を30万円オーバーしただけで完成させた。
城口君は保健所に7回、社会保険事務局に4回通った。医療関連の法律や厚生労働省などの省令・通達まで調べてもまだ分からない「決まり」がたくさんあった。
●患者と医師が横並び
たとえばクリニックの名前。自分たちで考案した1000個の候補の中から選んだ「コラボクリニック新宿」を保健所に届け出たところ、難色を示された。
「『コラボ』がコラボレーションの略だと分かりますかねえ……。『新宿西口クリニック』にしたらどうです?」
A4の紙1枚に「医師と患者、クリニック関係者のコラボレーションで作り上げていく診療所にしたい」という趣旨をしたため、ようやく許可してもらった。
クリニックの内装やロゴ、診察券、薬袋までデザインを一手に担当したのは東京芸大デザイン科4年の古賀匠磨君(25)だ。
「患者が圧迫感を感じないように、診察室は医師と患者が横に並んで座るレイアウトにしました」
患者のイス選びにも神経を使った。家具店を3日間かけて回り、何百というイスに座って選んだ。
口コミで少しずつ患者が増えている。城口君たちにとって、このクリニックは第一歩だ。
「改善点はまだたくさんあります。将来は、コラボクリニックをチェーン展開したい」
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