豊橋市民病院は二十四日に「精神・神経科」の入院と外来患者の診療を四月から当面、停止すると発表した。全医師の四人を派遣している名古屋市立大が三月末で医師二人を引き揚げるためで、診療継続は困難と判断。ただ、十八歳未満の発達障害などを診療する児童精神外来は四月以降も継続する。
名市大は昨年十月、市民病院に医師三人を引き揚げる意向を連絡。病院側は名市大や県内の他大学と医師派遣に向けた協議を進めたが、名市大からは「三人のうち一人は残す」との回答にとどまった。残留する二人のうち一人は児童精神外来が専門で、残り一人では他科の入院患者の精神的ケアで手いっぱいとなるため、医師が確保できるまでの診療停止を決めた。
市民病院によると「精神・神経科」には現在、うつ病など約千五百人の外来患者がおり、十二人が入院中。既に外来患者については市内の民間病院などに紹介を始めており、二月からは新規の受け入れを停止する。入院患者は比較的、軽症のため三月末までに全員、退院できる見込みという。精神科を持つ豊橋市内の病院・診療所は計十五カ所、約千六百床がある。
市民病院の天野裕司事務局長は「全国の大学と交渉するなどして医師を確保し、来年四月には診療を再開させたい」と話している。
名市大をめぐっては派遣医師五人のうち四人が辞職する岐阜県立多治見病院精神科に後任を派遣しない意向を伝え、同病院も四月から入院患者の受け入れを停止する方針を固めている。
(安田功)
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アリエナイ話ではありますが、910床もある公立病院でさえ精神科医が確保できない時代になりました。これも時代の流れ…ますます厳しいことになっています。そういえば、神奈川県や奈良県の産婦人科廃絶キャンペーンの罪滅ぼしなのか?最近医療クライシスと題して、M日新聞さんが連載をはじめています。さてどうなるでしょうか?ぽち→![]()
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070124ddm002100022000c.html
◇「次世代が増えないと限界」
横浜市立大母子医療センターの産科主任、奥田美加医師(40)は、夕方過ぎに病院から自宅へ電話を入れるのが日課だ。小学1年生の長男(7)からは、決まって同じことを聞かれる。「ねえ、今日帰ってくるの?」
月7~8回当直し、連続36時間勤務や土日の呼び出しは当たり前。自宅で食事中に呼び出され、泣きそうな顔の長男を残して出勤することもしばしばだ。予定外の手術も多く、学会発表の準備などもある。勤務時間は週75時間以上に達する。
奥田さんは「何とかやれているのが本当に不思議。次世代が増えてくれないともう限界」と話す。しかし、産科は研修医から敬遠されている。神奈川県で06年春に初期研修を終えた600人のうち、産婦人科医を選んだのは10人だった。
厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」の調査では、医師は平均で週に63・3時間働いている。平均的な医師でも月90時間以上は時間外労働をしており、同省の過労死認定基準が目安とする「月80時間の時間外労働」を超えている。
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「医者なんてろくな職業じゃない」。小児科医を目指し、神奈川県の病院で研修医生活を送る千葉智子さん(25)は高校3年だった99年春、小児科医の父、中原利郎さんから医師への道を猛反対された。
その夏。「父は過度のストレスを感じている」との心配が的中してしまう。白衣姿で勤務先の病院の屋上から飛び降り自殺した。44歳だった。
自殺の半年前、小児科部長代理になった。責任が重くなる一方、退職や転職で半減した医師の補充もなく、当直日数が増えた。遺書には「経済大国の首都で行われるあまりに貧弱な小児医療。医師を続ける気力も体力もありません」とあった。
智子さんは、医師の労働条件を整備しようと、厚労省の医系技官を目指した。しかし、小児科の講義で「小児には発達があり未来があり、病気が治る可能性がある」と聞き、父の思いの原点を感じて心が動いた。父親に認めてもらえるような医師が目標だ。
労災認定を求めて薬剤師の妻、のり子さん(50)が起こした行政訴訟の判決が3月、東京地裁である。のり子さんは「夫のような悲劇が二度と起きない医療現場になってほしい」と訴える。
一方、大阪高裁では2月、看護師の過労死認定を巡る訴訟の控訴審判決が言い渡される。
原告は、01年3月にくも膜下出血で亡くなった国立循環器病センター(大阪府吹田市)の看護師、村上優子さん(当時25歳)の遺族。当時、村上さんが友人に送ったメールには「日勤が忙しくて、帰ったのは22時前でした。寝る時間がほとんどなくってそのまま深夜(勤務)に突入。もう始まったときからふらふらでした」とあった。
1審判決は遺族側全面敗訴だったが、裁判を支援する会の仲村幸治事務局長は「看護師の職場環境は劣悪。村上さんの例は氷山の一角だ」と訴える。
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05年秋の米国医師会雑誌に、過労による医師の能力低下を調べた論文が掲載された。週80~90時間働き、夜間の呼び出しもある小児科研修医の注意力などの能力は、週44時間勤務の小児科研修医が飲酒した状態と同じ程度に落ちていた。
医師不足による過労は、患者の安全も脅かしている。=つづく
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毎日新聞 2007年1月24日 東京朝刊
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朝日新聞 2007年01月23日13時27分
東大生が中心の学生グループがクリニックを開設した。診察はプロの医師が担当するが、それ以外はすべて学生が手作りしている。
新宿駅西口から徒歩3分のオフィスビルの6階に昨年11月末、これまでにないタイプの診療所「コラボクリニック新宿」がオープンした。
診療するのは内科系の医師たちだが、開設準備をはじめ、経理など運営事務のほとんどは東京大学や東京芸術大学、早稲田大学などの学生たちが担当している。
きっかけは、中央大学公共政策研究科客員教授で、東大医科学研究所客員研究員でもある鈴木寛参院議員(42)が、東大教養学部で開いた情報社会に関するゼミ(通称スズカンゼミ)だった。
「日本の医療をもっと患者にとって便利にできないだろうか」
そんな鈴木氏の問いかけに、「ぼくが病院を作ります」
ゼミ生の一人、東大文科一類1年生の城口洋平君(19)が応じた。昨年6月のことだった。
●開設費用は150万円
「コンビニのようにいつでも好きな時に行ける病院があったらいいのに、と以前から思っていました。鈴木先生のゼミに刺激され、まだ存在しないなら自分たちで作ろう、と決意しました」
城口君を中心に、ゼミ仲間やその友人ら約20人でクリニック開設プロジェクトが始まった。目指すのはコンビニのように便利なクリニック。通学や通勤の途中に寄りやすいように駅のすぐそばに場所を決めた。診療時間は夜9時まで。クリニック前の通行人調査をして設定した。
鈴木氏が資金を出した。
「120万円以内で作るように」
120万円というのは若い医師の退職金に相当する。
「志のある若い医師が退職金でクリニックを開ける、という前例を作りたかったんです」(鈴木氏)
都心に診療所を開く場合の相場は3000万~4000万円だ。学生たちは何でも自分たちで作った。電子カルテやレセプト(診療報酬明細書)のコンピューター処理システムは、コンピューターに詳しい東大理科三類の学生が作り上げた。マンションの改装やビラ配りも自分たちでした。結局、予算を30万円オーバーしただけで完成させた。
城口君は保健所に7回、社会保険事務局に4回通った。医療関連の法律や厚生労働省などの省令・通達まで調べてもまだ分からない「決まり」がたくさんあった。
●患者と医師が横並び
たとえばクリニックの名前。自分たちで考案した1000個の候補の中から選んだ「コラボクリニック新宿」を保健所に届け出たところ、難色を示された。
「『コラボ』がコラボレーションの略だと分かりますかねえ……。『新宿西口クリニック』にしたらどうです?」
A4の紙1枚に「医師と患者、クリニック関係者のコラボレーションで作り上げていく診療所にしたい」という趣旨をしたため、ようやく許可してもらった。
クリニックの内装やロゴ、診察券、薬袋までデザインを一手に担当したのは東京芸大デザイン科4年の古賀匠磨君(25)だ。
「患者が圧迫感を感じないように、診察室は医師と患者が横に並んで座るレイアウトにしました」
患者のイス選びにも神経を使った。家具店を3日間かけて回り、何百というイスに座って選んだ。
口コミで少しずつ患者が増えている。城口君たちにとって、このクリニックは第一歩だ。
「改善点はまだたくさんあります。将来は、コラボクリニックをチェーン展開したい」
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