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1月号のDoctor’s Magazineが届きました。2頁目にDoctor's Opinionに川崎市病院事業管理者の武弘道先生が寄稿されていました。
読んでてそうそう!と思いました。引用するだけでは、惜しいので、全文を掲載させていただきます。
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新年を迎えようとしているいま、日本の医療界は混迷のきわみにあるように見える。だが、歴史を振り返ってみると、フランス革命にしたって明治維新だって、長く暗い時代が続いた末に、大混乱の時期があって、そのあとに維新が成就されている。体制が新しくなるには、一時大混乱の時期を必要とするのは歴史的必然であろう。
病院において、小児科や産婦人科の勤務医師が疲れ果てて続々と辞めていく現象は、長年の日本の医療の歪みを、根本的にただそうとしない 厚労省や、日本医師会や、医学界に対する絶望の表れだと私は考えている。虎の門病院の小松秀樹氏は著書『医療崩壊』の中で、この現象を「立ち去り型サボタージュ」と名づけたが、彼の友人は「逃散」という表現をした。悪政に対する農民の消極的対抗手段である「逃散」が全国で頻発すれば、維新は近いのである。
そうは言っても、黙って立ち去るだけでは維新は起きない。明治維新のときだって、高野長英、渡辺崋山、吉田松陰など、幕府から自刃や刑死に追い込まれたような人々の憂国の主張があったからこそ、それに触発された龍馬や西郷や大久保をはじめとする志士たちの活動があって、倒幕という医業が達成されたのだった。
病院勤務医も、黙って立ち去るだけでなく、連帯して立ち上がらねばならない。私は2001年に20年以上病院勤務医をしている全国の小児科医たちに手紙を出し、「全国小児科勤務医の会」を結成し、その初代代表世話人になった。はじめ60人程度であったが、だんだん人数も増え、毎年集会を行い、小児科勤務医の待遇や職場の環境改善を求め厚労省に陳情したり、声明文を出したりしている。
3年ほど前から産婦人科勤務医も苦境にあることが、報じられている。個々の事件が、個々に論じられているが、根は同一であり、小児科医問題と解決法は共通である。
文藝春秋刊の『日本の論点2007年版』に、私は日本の産科、小児科医療の崩壊について書いているが、その中で、産科医、小児科医が連携して行う病院勤務医の一大ストを提案した。これは決して自分らの現在の待遇改善を要求するものではなく、将来この分野を担わねばならない後輩達、若者達のためにやっておかねばならないことだからだ。夜通し起きて働いた次の日も、平常勤務をしなければならない状況が、いつまでもつづいてはならない。
このような歪みが、40年も続いているのに、日本の医療界の指導的立場の人々は何も動きをしてこなかった。そして、その精神構造の根元には「医局と学閥」という日本独特の悪体制がある。おかしいとは思ってもとりあえずは自分の医局とその縄張りを守ることにあくせくとしてきたのだ。
今から40年前に医学部紛争というものがあった。どの大学でも一時、研究もストップし日本の大学や医療界の在り方が、数年にわたって討論された。日本の医療を歪ませ、悪くしているのが、「医局と学閥」であることは、どの大学でも共通の結論であった。私くらいの都市になり、病院長業を長くしていると、それぞれの大学で、あのころ「誰がどういう発言をしたか」は、全国大学について伝わってくる。
私は、近々維新がくることに一縷の希望を持っている。その理由は、今、日本全国80医科大学の中核的教授になっている人々が、大学紛争のときに学生や若手医局員として、真剣に日本の医療の将来を考えた人々であるからだ。
あのころの諸君が、教授になったからと言って、よもやあのころ批判した教授たちと同じものになることはあるまい。パワーをもった今こそ、若いときに考えたことの実現に向かって動いてくれるだろう。私を含めて先輩たちは、期待を込めてじっと見ている。
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↓武弘道先生の埼玉県立病院の改革について
http://www.higashinihon.ne.jp/news/050131_1.html
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http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/32271/
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