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< ポツダム宣言受諾までカウントダウン中 | メイン | 医療崩壊:小松先生の講演会より >

 これを読んで、テレビや新聞の報道が、いかに偏ったものなのか、考えてしまいました。別にこれが正しいとか、間違っているとか、身内のかばいあい(僕は身内でもないし、今は会社勤めなんで、かばう必要もありませんが)ではなく、こういう情報を読んで、いかが思いますか?もっとも、この情報についてマスコミ各社がつかんでいても…ほとんど無視されたかもしれませんけどね。

-----------------

近畿の学会筋の情報ですがこんなものがあります

患者さんは予定日超過で入院し、入院当日からPGE2の内服で分娩誘発されていて、当日の午後に服薬を終了、自然に経過観察していたところ、準夜帯から自然陣発したとのこ とです。ところが、午前0時頃に突然意識消失のような症状が出現したため、産科当直医が院内の内科当直医に診察を依頼し、内科医の診察を受けました。
内科医が対光反射や一部の神経学的所見を診たところ、意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無く、また陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなど したため、産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したとのことです。この際に「内科医がCT検査を行うことを主張したが産科医が拒んだ」などと報道されてい ますが、両者の間でそんな押し問答のようなやりとりはなかったようです。その時点では血圧は正常で、子宮口も4cm程度開大していたため分娩経過を診ることになり、産科医 は当直室に戻ったとのことです。

しかし、その約1時間半後に痙攣発作が生じ、この時点では血圧が180前後まで上昇していたため、産科医が子癇発作と判断し、マグネゾールを静注して奈良医大病院に搬送を 依頼ました。ところが、奈良医大の産科病棟が陣痛待機室のベッドまで入院患者が溢れるほど満床であったため受け入れることができず、また、容易に搬送先が見つかりませんで した。大淀病院の産科医の先生はいつでも搬送できるよう、今か今かと「受け入れ先が見つかった」との連絡を待ちわびていたらしく、CT検査ももちろん考えたようですが、( 今、患者を動かして再発作を起こしたら母児ともに危険かもしれない)(CT検査に行っている間に搬送先が見つかったと連絡が来るかもしれない)など考えて躊躇されたようで す。苛立つ家族に囲まれ、産科医自身も大阪の高次医療機関に数件電話するなどしたようですが、全て断られたとの事でした。最終的に搬送先が見つかったのは、搬送を申し入れ てから二時間余り過ぎた後でした。

-------------------

 さて、やっぱり病院の医師が悪いのでしょうか?それとも、この文章は「怠慢な産婦人科医を擁護するための作文」なのでしょうか?患者さんの家族の要望を無視して、一方的に受け入れ拒否に遭ったのでしょうか?違うと思いたいですね。

 

 結局、結果では確かに「患者さんが亡くなった」事実には変りはないです。しかし、現場の医師の声も聞かずに…ミスだとか「最低!」とか「断った病院の名前を知らせろ」って語ることは、時として新たな被害者(松本サリン事件の河野さんを思い出します)を生み出すしかないことにつながりませんか?犯人捜ししてもいいけど、どうして生じたのか背景をふくめてきちんと報道せず、一方的に「助かったはず」というのは…確実でないことを書いてるな~って思います。

 救急現場や救急医療は100%がありません(診断機器が昼間のように潤沢に使えませんし、人手も最小限です)、一番最初に疑った最悪の事態にそなえて昼間と同じように動けるだけの余裕が、病院にはありません。大きな病院で治療を受けることが救命率向上につながったとは思いますが、それを「助からなかったのは医師の怠慢」というのはちょっと頂けませんでした。

 マスコミの各社は病院長の謝罪を「病院が悪い」とか簡単に書くし、まして検察が動いたとなれば、「間違いなく黒」って思うのかもしれません…そんなに簡単じゃありませんね。産科医が絶滅危惧種に2ちゃんねるで言われるようになってもうだいぶになります。このまま「子供が産めない」環境を国民が求めているのなら仕方ないですが…
↓こういう状況を知っているマスコミの魔女狩り報道は「大罪」です。

「トキと同じ絶滅危惧種を絶滅させる国」

http://blog.m3.com/TL/20061014/4

 

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コメント

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しかし、家族が納得してないのだから、病院側の説明が不十分だったことは否めないと思います。例え助からなかったとしてももっと病院側が、充分な説明を行っていれば、納得したんではないでしょうか。現場は限界とおっしゃいましたけど、それでは今回のこのことは誰の責任ですか?
written by あきぴょん / 2006.10.19 10:17
これなら納得。深夜にトラブルに遭遇した若い医師達の心境や苦悩が想像されます。
でも、院長の態度は理解不能だ。
written by murajun / 2006.10.19 10:32
今回の件は大変お気の毒だとは思いますが、誰の責任でもありません。病死です。病気で死ぬのは医師の責任でしょうか? 
今回の事例が23区内で起こり十分なスタッフに恵まれていたのであれば、あるいは助かったかもしれませんし、その可能性は否定できません。
しかし、今回の担当医にどれだけの責任を負わせることが出来るでしょうか? 
担当医が適切な判断を下したかどうか? 担当医が適切な判断を下せる状態であったか(過労などはなかったか)? もし不適切な判断があったとしてそれがなければ患者の死亡は回避できたか? これらについてはもちろん今後の詳細な検証が必要と思われます。
ただ、不適切なたとえかもしれませんが、飛行中に垂直尾翼が破損して舵の効かなくなったジャンボジェット機が御巣鷹山に墜落したとして、それは機長の責任でしょうか? 
今の段階で誰かに責任があるとすれば、十分な医療が提供できなくなるまで医療者を苛め抜き、医療費を削減し、医療崩壊を招いた全国民が責任を負うべきでしょう。
産科に限らず、実際に今までのように安くて質の高い医療が受けられなくなって多くの国民が痛みを自覚するまで、あまり時間はかからないと思います。
written by ハーフドロッポ / 2006.10.19 11:12
>あきぴょん さん
 基本的には医療制度と医療システムをどうするかという問題ですね。
 ただ医療に限らず事故が起こった際、再発防止のために原因追及するのはまだよく理解できますが、「それでは今回のこのことは誰の責任ですか?」というような犯人探し(しかも特定個人)を追及しがちな国民思考が問題なんじゃないでしょうか?それを誘導しているのはスポンサーと視聴率優先主義のマスコミ様ではありますが。
written by お弟子 / 2006.10.19 11:35
トラックバックありがとうございます。
医者の考え方と、一般の人の考え方にはかなりの差があって、これがマスコミに触発され、魔女狩り状態になるのではないでしょうか? 医師ではないので、ブログの治療経緯を観ても判断はしづらいですが、最悪の事態を考えて、つねに3歩先の手順を考えていないような雰囲気を感じます。
written by IZUMI / 2006.10.19 14:01
私は、こう感じます。
救急関連の全ての医療は台風や嵐など悪天候の中を飛ぶ航空機。
都会の基幹病院の医師は、最新型大型ジェットで羽田空港に向かうようなもの。
地方の病院の一人医長は、嵐の北海道上空を前が見えず無線も壊れたままで着陸を試みる軽飛行機かな。
飛ばなくてもよいなら運休したいが、客が飛んでくれと言えば飛ばざるを得ないし、何時までも飛べる燃料も適切なナビもない。不時着しても救急隊は近づけない。
今じゃ、飛行機も列車もチョッとの悪天候や地震で運休しますが・・・

どう? いい比喩でしょ?
written by murajun / 2006.10.19 16:00
中間管理職です。いつもトラックバック打たせていただきありがとうございます。

僻地医療に携わるものとして、悲しい限りです。搬送のための最大限の努力をして19病院に電話したのにそれでも叩かれるならどうしたらいいのでしょう?

救命のために我々はロシアンルーレットの上に載って人生をかけてまで行う意味があるのでしょうか?
数億に及ぶ裁判を戦い抜く意味はあるのでしょうか?

他の人間が、
「医師は責任重大だ」
というのでしたら、安全なところからふんぞり返って医意見を言う役人に従う必要はありません。激安、超長時間労働、超ハイリスクでがんばっても意味はないということなんでしょう。

人の命に見合うシステムを作り上げないと、誰も救急救命をしなくなります。私も脱出します。
written by 中間管理職 / 2006.10.19 18:29
私の場合は、裏情報とかはないんですけどね。
今回の件は、ちょっと納得がいかなかったので、気合いを入れて記事を書きました。

元の記事は昨日の夜に書いたんですが。
先生の記事で、私の知らない情報が入っていたので、ちょっと引用させて頂きました。
TBもさせていただきましたよ。
written by Dr. I / 2006.10.20 01:22
こんばんは
奈良事件に関して、2つトラックバックさせていただきました。

しかし、報道の姿勢には...憤慨を通り越しています。
written by いなか小児科医 / 2006.10.20 22:36
今回の奈良の事件の報道に関して憤慨しているのは、
あなた方、医師をはじめとする医療関係者だけです。


ここでの書き込みを見て、
あなた方の医療関係者と一般人の考え方が、
ものすごく乖離していることを
改めて実感しました。


例えば。
「最善を尽くしたのですが」という言葉。
人命を救えなかった時に耳にする
お決まりのフレーズ。


私は、その「最善」に物凄く温度差を感じます。


その温度差が、
現状のような報道をよんでいることに
気がつかないのでしょうか。
私は、この日記を読んでも印象は全く変わりません。
どこが最善だったんですか。
限界だったんですか。


一般人には、今回の奈良の産婦人科医が、
最善を尽くしたようには思えないのですよ。
だからこそ、一般人は、この報道を見て憤りを感じ、
高い関心を保持し続けているんですよ。
報道の姿勢は、全く別の問題ですよ。



救急救命を行うことは、医師の本質では。
にもかかわらず、
救急救命から逃げることばかり考えている
医療機関が多い現状は、
如何なものでしょうか。
19の医療機関が断るなんて、
皆が救急救命から逃げていることの現れではないですか。

「救命のために我々はロシアンルーレットの上に載って人生をかけてまで行う意味があるのでしょうか?
数億に及ぶ裁判を戦い抜く意味はあるのでしょうか?」などと言って、
目前の救急救命から逃げているのですか。


救急救命したくないなら、
何のために医療に携わっているのですか。


楽して稼ぎたいのであれば、
他の仕事をしたほうがよいのでは。
written by ken / 2006.10.21 19:33
>ken様

残念ながら、ken様はご自分でもそれとは知らない間に随分brainwashされすぎているようです。いえ、ご自身が悪いのではなく、責任は偏向報道を行うマスコミの方々です。十分洗いすぎるほど洗ってしまわれているわけですから、今度は直ちに「すすぎ」に入るべき段階だと思われます。

ネットや「医療崩壊」というご本などを参考にしていただいて、よくすすいでください。様々な情報に当たられて、日本の医療の現状(医療費の国際的な低さ、医師の勤務状態が労働基準法をどれくらい超過しているか、民事・刑事訴訟の判決の内容の理不尽さについて)について知識を増やして頂き、それでもやはり医師が悪いとお考えになられましたら、再びご意見を伺いたいと存じます。

救急医療はあなたのような無責任な方々のおかげで壊滅し、もう消滅しますので「他の仕事をしたほうがよい」とおっしゃるとおりに既になっておりますので、ご心配要りません。

ちなみに「楽して稼ぎたい」と思っている医師なんていませんよ。少なくとも今基幹病院で死ぬほど働いている医師の中にはおられないと思います。

written by 元内科医 / 2006.10.22 06:15
kenさんはマスコミの情報を鵜呑みにされているようなので、医療システムの問題を医療現場の人間の問題へとすりかえられていることにお気づきではないようですね。「一般人には、今回の奈良の産婦人科医が、
最善を尽くしたようには思えないのですよ。」と根拠のない不信感をあらわにされていますが、マスコミの情報に踊らされて、冷静に情報を集めて現状を分析する態度をお持ちでないように見受けられます。感情論でこの事件を議論しても、解決策は生まれません。

「楽して稼ぎたいのであれば、他の仕事をしたほうがよいのでは。」とありますが、医者に対する僻みでもおありなのでしょうか?あいにく仕事に見合った高給はいただいておりません。これだけ医療従事者を非難しておいて、まさか病気になったら病院にくるなんてこと、ないですよね。
written by kitty / 2006.10.22 07:11
>Kenさん
それにしても、ひどい温度差ですね。
おそらく、Kenさんはまだ仕事をされたことがない高校生か大学生だと思うので、医学生とはいえ社会人を経験した立場からお話をさせていただきます。
どのような職業も、その職業を経験してみなければ分からないプロの視点というものがあります。
コンビニにしてもそうであり、私が働いていた大手古本屋でもそうです。
そして、そのプロの視点は一般にはなかなか分からないものです。
批判をするなと言っているわけではありませんが、日本の医療の現状、世界の医療の現状をお調べになる時間はあると思います。
それらを調べて知ったうえで、なお批判するべき点があるときは批判するという姿勢ならば、我々医療従事者も耳を傾けると思うのですが、無知を感情で補って発言しても、哀しい空回りが続くだけだと思いますよ。

一応申し上げておくならば、「満床」「ベッドに空きがない」という表現は、「物理的、物としてのベッドがない」という意味ではないでしょう。
全国のあらゆる病院がただでさえ人手不足であり、満床ということは完全に手一杯ということです。
ここで新しく患者さんを受け入れて、今現在受け持っている患者さんに手が回らず死亡する、あるいは新しく患者さんを引き受けたものの充分に手を回せずに死亡してしまった場合、責任は誰にあるのでしょうか?
そのときの、Kenさんの発言が目に浮かぶようです。
「人手が足りないのを承知していて新しく患者を引き受けるのは無責任だ。金儲け主義の医療の体質と一般人との感覚に温度差を感じる」
こんなところでしょうか。

お願いします。
勉強してください。
written by ER / 2006.10.22 09:25
私は助産師です。
以前、今回搬送依頼を断った施設の中の1つでで働いた経験もありますし、より患者さんに近い、電話健康相談にかかわったこともあります。
その経験から、確かに、一般の方と、医療従事者の感覚は、かなり温度差があると思います。

たとえば、時間外診療でも、一般外来と同じレベルの診療が受けれると思っている方は多いです。さらに、救急は、一般の診療よりも、より早く高度な対応が行えると考えている人も少なくないようです。ドラマの、救命救急のイメージが強いのでしょうね。

もっと早く他の施設に搬送できていればという意見があります。しかし、私が勤めていた施設では、この方を受け入れることができていたとしても、救命は難しかったと思います。OGCS参加病院で、脳外科の対応が直ちに行えるところは多くはありません。暴論ですが、今回、時間はかかっていますが、たまたま、脳内出血に対応できる所に搬送されたことは、再搬送を避けれたという点で、良かったことかもしれません。

最善を尽くしていても、ご家族が納得しないのは、医療者側の対応だけに問題があるわけではありません。
患者さんやご家族の中には、言いがかりとしかいえないことをいう方もいます。
そうでなくても、まったく予期していない最悪の結果は受け入れるのは難しいことです。こういった場合、遺族の感情が医師に向かうのは、当たり前です。遺族側から見ればは、何とかできる可能性を持っていたのは、医師だけだからです。
でも、その可能性の高さと、遺族の感情は比例するものではありません。説明は、もちろん、全く関係ないとはいえませんが、遺族の感情は、何よりも、結果を受け入れたくないという思いと比例するのです。

>Kenさま
「救命のために我々はロシアンルーレットの上に載って人生をかけてまで行う意味があるのでしょうか?
数億に及ぶ裁判を戦い抜く意味はあるのでしょうか?」
とありますが、安全性が全く保障されない、ロシアンルーレットな医療を本当に受けたいですか?
written by まるむ / 2006.10.30 01:34
コメントが遅れてしまいました、すみません。。いろんな見方があるんだなと思いますが、やはりこういう時は、大声が正しいとは限りません。きちんと正しい情報に基づいてマスコミには報道を心がけて欲しいですね。どうもありがとうございました。
written by SkyTeam / 2006.11.02 01:17

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