いつも読んでくださっている読者の方には、「暗いニュース」ばかりで、申し訳ない 気持ちでいっぱいです。 今日は少しですが、いいニュースが入ってきました。この制度が早く導入されれば、産科医がどんどん減らなくなってもいいかもしれません‥
ランキングにご協力を☆ポチっと!→
無過失補償制度を検討へ 厚労省、国関与の是非含め
厚生労働省は、小児脳性麻痺などを対象にする無過失補償制度の仕組みづくりに向けて本格的な検討に乗り出す方針を決めた。制度創設を訴えている日本医師会などの関係者と近く具体的な検討に入る。制度を創設する際に国費を投入する是非や、産婦人科医の金銭面での負担などが焦点になる見通しで、実現には課題が多そうだが、厚労省では「日医から提案も受けており、検討を急ぎたい」としている。
無過失補償は、出産時の事故で脳性麻痺などの障害を負った場合に、医師の過失の有無を問わず、患者・家族に補償金を支払う制度。日医幹部は今月2日、川崎二郎厚生労働相と面会し、小児脳性麻痺を対象にした無過失補償制度の創設を、2007年度予算概算要求の最重要要望項目として強く求めた経緯がある。 (日刊薬業2006/08/18)
---------------------
さて、間に合うといいですが、都市部の産科不足については、こんなニュースがありました。ベビーブーマーの子供さんたちの出産ピークはあと5年です。少子化対策もこの時期に有効な手を打たなければジリ貧なので、遅滞なく対策を講じて欲しいものです。
---------------------
産科施設、適齢期女性が多い大都市も不足
出産適齢期(20~39歳)の女性が出産できる病院・診療所の数(人口1万人当たり)は、埼玉県や東京都など大都市圏ほど少ないことが、日本産婦人科医会の調査で明らかになった。

これまで地方の産科医不足が叫ばれてきたが、適齢期の女性が多い大都市圏も深刻な状況にあると言えそうだ。
調査は昨年12月から今年2月にかけて、産婦人科のある全国の医療機関6363施設を対象に実施。5861施設(回答率92・1%)から回答を得た。
その結果、実際に出産を取り扱っている医療機関は、2905施設(病院が1247施設、診療所1658施設)に限られていた。出産適齢期の女性1万人当たりに換算した全国平均は、1・69施設だった。
都道府県別に見ると、最も少なかったのは、埼玉県で0・98施設。東京都0・99施設、神奈川県1・14施設、大阪府1・25施設、奈良県1・31施設などと首都圏や近畿圏の都府県が続き、全国平均を大きく下回った。
一方、最も多かったのは長崎県の3・48施設。これに島根県3・41施設、佐賀県3・24施設、山形県3・21施設と続いた。適齢女性の人口で比べると、地方の方が出産できる医療機関数は多かった。
さいたま市のある区では、産科施設が最近13年間で3分の1に減った。同医会によると、近年産科施設の閉鎖が目立つ大都市では、医師1人が診察する妊婦の数が増え、多くの医師が過労状態になっているという。
佐藤仁(まさし)常務理事(医療対策担当)は「大都市圏の方が出産環境は深刻であることがうかがえる。ただ、地方でも、産科のある病院は県庁所在地に集中しており、産科不足は全国的な問題だ」と話している。
(2006年8月18日15時49分 読売新聞)
固定リンク
|
コメント (2)
|
トラックバック (0)
いつも診療の合間に、患者さんとの時間が満足に取れないのが悩みでした。看護師さんや薬剤師さんのようには医師は説明にゆっくり時間がとれないのです…すぐに鳴りだすPHS。家族への説明、カルテ書きはしっかりしていてもかんじんの患者さんご本人には、病状や予後などどうしても不足しがちでした。
大学病院などでは患者さん向けに図書の貸し出しサービスもあるようですが、本来は患者さんが自分の病気についてじっくり学ぶ時間というのは貴重です。分からないことがいっぱいあって、医療系サイトの質問の多さにへきえきしてしまいます。
ところが、患者さんにとって患者さん向けの図書室まで設けている所はすごく少ないです。以前、勤務していた病院の院長にさんざんメールしたり、手紙を書いたところ、ボランティアの人たちが毎週のようにベッドサイドまで本を入れてうかがうようになっとか…いい試みです。部屋でテレビを見ているよりも、自分の病気と戦いながら医師にいろいろ聞くためにも、闘病記などで情報を仕入れるには必須です。
僕の知人が入院してほしがったのは、実は週刊誌やテレビゲームではなく、インターネットで検索できるパソコンや携帯、そして病気についての本でした。やはり患者さんにとっては、自分の病気について知識は何より一番求めていることだと思いました。
同じ病気の人と話すチャンスも大切ですが、病気と直面した患者さんにとっては、知識は一つの武器だと思います。千葉敦子さんというジャーナリストを思い出しました。自分の学生時代にアメリカで乳ガンで亡くなられましたが彼女の連載していた「死への準備日記」はいつもいきいきしていました。決して諦めない、そして常に前へ。彼女の本は僕の本棚に今はありません。今は僕が勤務していた病院の患者さんのためになっているでしょうか?病気と闘うのは医師だけではありません。患者さんや家族、そして看護師さんも一緒になって戦うので、それを応援するために、インターネットの接続、図書室の開放など進むといいですね。
↓千葉敦子さんの著書や生き方について
--------------------
「闘病記ライブラリー」、病気別にネットで検索
患者や家族らがつづった闘病記を病気別に探し出せる「闘病記ライブラリー」を、国立情報学研究所の高野明彦教授と市民団体が共同で作成し、インターネット上で公開している。
闘病記は、同じ病気に苦しむ患者が、治療法や病気に対する心構えなどを知るのに役立つが、題名だけでは、闘病記かどうか、どの病気に関する本なのかわからないことが多い。
図書館などに闘病記専用のコーナーを設ける活動を続けている「健康情報棚プロジェクト」(石井保志代表)にも、そうした不満が寄せられたことから、高野教授と同ライブラリーの整備を進めてきた。
同ライブラリー(http://toubyoki.info/)を開き、がん、脳、心、血液、小児など12テーマから一つ選択すると、子宮がんや白血病など57の病名が表示され、約700冊の闘病記が一覧できる。
背表紙のタイトルを選ぶと、目次や前書きのほか、要約や解説も見ることができ、著者がどんなことに悩み、なぜ闘病記を執筆したかなどがわかる。また選択した闘病記を所蔵する図書館も表示される。
石井さんは「どんどん冊数を増やしていくので、患者が医療情報を入手する手段として活用して欲しい。介護の体験記なども扱っていきたい」と話している。
(2006年8月16日14時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060816i206.htm?from=main2
固定リンク
|
コメント (1)
|
トラックバック (0)
先日、ある講演会に参加してきました。医療の関係者でなく電子機器の会社の社長さんのお話でしたが、短時間ながら、内容は面白かったです。
どういった内容だったかと端的に申しますと、現在日本の医療費はGDPの8%強を回している、一方、過去からその伸びはほぼ一貫して右肩上がりで、厚生労働省の過大な見積もりは間違いにしても予測していくとあと数年以内にGDPの10%まで医療費に支出することになるということでした。伸び続ける医療費の原因の一つは高齢化でしたが、もちろん医療の進歩で高価な医療機器の普及もあるとのことでした。
そして過去のデータから、近年の著しい技術革新でCTが下がり続けており、各診療所が買える値段にそう遠くない未来には、病院だけでなく、診療所レベルにもCTがおける時代(平均価格2000万円(3Dも高速らせんも単純CTも含めてすべての平均です)になるだろうということでした。もっとも、この予想ははるかに早く、すでに開業医レベルで整形外科ならMRIは0.5Tのものなら置いてありますし、CTにしても去年の1月に内科で開業した元上司はリースでしたが、CTをクリニックに完備させていました。
技術屋さんである講演の予測は、色んな経験測から当たっているのはムーアの法則と同じです。ただ、現状の数字(日本にはヨーロッパやアメリカの100万人当たりの設置台数の5倍くらいの台数が稼働している)を見ると、これ以上、医療機器を入れても放射線機器の恩恵に与るよりも、逆に被爆の問題や医療費のコストが上がるのでちょっと待って欲しいという感じではありました。

日本の場合、病院のベッド数も人口の移動に関係なく再編がされてこなかったため、北海道のように人口減少していてもリストラが進んでいません(病院再編が過疎問題や公務員の削減とリンクするため)。診療所へCTをまんべんなく配置するのは望ましくないというよりもマイナスが多いです。もちろん、救急センターには必須ですが、一般開業医が他の開業医との差別化のために設置することは必ずしもプラスとは言えないのです。
もっとも昔は高価だった超音波エコーもいまやポータブルで150-300万円程度となり、在宅往診などの場面で活躍していることを考えれば、安くなれば導入されることで恩恵に与る場面もあるでしょう。
まぁ、そんなことを感じつつも、その時にインターネットの回線速度が指数関数的に増加しているところを見ると、数年以内にGビットベースの通信速度を病院が得た場合、訪問診療ではなく遠隔医療や放射線画像の交換なども比較的容易になるため、そこに活路を見いだせるかもしれません。しかしいずれにせよ現在のような稼働率や考えない野放図の医療への投資は制限されると思います。PETも全国ですでに150台近く稼働しているそうですし、そろそろ考えて行かねばならないと思います。
ランキングにご協力を☆ポチっと!→
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (0)