今日のブログは長いです。そして本当のエッセンスはこちらの一冊です。僕のくだらない雑文を読むのは値しませんが、この本は読んだら違うと思います。どうして?なぜ?が解決します。 あ、ちなみに敵は「無知」だと思います。あらかじめ書いておきますが。

医療崩壊「立ち去り型サボタージュ」とは何か;小松秀樹著(朝日新聞)
今日これを書いたのはこういうブログさんの存在をある医学生さんに教えて頂いたからですが。これを読まれたら気分を害するかもしれませんが、よろしければリンク先をご参考までに。きっと僕が最初にトラックバックしたから僕のブログをお読みになって「絶句」されたのだと思います。僕のブログってそんなに「傲慢」で「常識知らず」なんでしょうか?医師として…とても悲しくなってしまいました。
8/9② 医師たちのブログの内容に絶句
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2006/08/89_11f0.html
8/8 事故の補償を全額公費に出させるのか
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2006/08/88_ada8.html
色々と考えても不思議な現象でした。日本は戦後まもなくの頃は結核が国民病で、人生50年という時代がほんの30年前は当たり前でした。医療の進歩と国の福祉重視の政策で、現在の日本においては国民は非常に良好な生活を送ることができます(もちろんその恩恵にあずかれないのは…発展途上国ばかりではなく、アメリカにおける有色人種や低所得層の移民で無保険者の方が4000万人以上います)。
現在、日本が世界でも長寿でWHOなども日本の医療制度として世界一の評価を頂いているのは、厚生労働省や財務省のご理解と、医療従事者の努力のたまものだと思っています。
ただ、これからは違うかもしれません。医療に携わっている医師、看護師、薬剤師…ありとあらゆる有資格者は職務について「国民の監視下」に置かれております。もちろん、職権濫用による汚職、論文偽造とかそういうのは無論あってはなりませんが。
そうではなく、医療業務の一挙一動についてです。患者さんが亡くなったりする場面で医療の介入があれば、そこへ検察が登場…。処置の前に説明不足はないようにしっかり説明できていますか?(これが医師の時間が足りなくなって過労がひどくなった理由の一つなんだけど…必要な処置については必ず医師が説明を行い、同意書が必須ですしね)
しかし、現実には職業として過酷な勤務状況でちょっとした出来事(患者さんにとってはちょっとしたことではないが…もちろん)を、すぐに聞きつけて「刑事事件」を起こしたように書き立てるマスコミ。誤診が死亡や重篤な後遺症が残ったりすれば、間違いなく医療サイドの「負け」という裁判の連発。みんな患者さんのためにやったのにね…(牢屋に入って出直せということですね)。
あとは医療について誤解したままコメントする自称、評論家…などなど(あ、弁護士さんや裁判官さんも時には入ってしまいますが、基本的には「法律の上で平等に扱っていただいていると考え」除外)。
まぁ、こういってはなんですが、医師が燃え尽きて現場から立ち去るような状況(根室、せたな、舞鶴、隠岐、井原…)を作り出しておいて、それを「医者が悪い」って言えば…すっとするでしょ。でも、地元住民は病院がなくなって…困ると思うけどな。
「医療ミス!?」そう…貴方もひどい目に遭われた…それは大変、お気の毒です。ぜひ一緒に医療の不正を糾しましょう!そんなノリかもしれません。
知っていて欲しいのは患者さんのために働く医師は悪者ではないということ。毎日毎日、土日も患者さんのために働きづめに働いて…家族や自分を犠牲にして「人生」を生きているのに、医師がようやく「異常」に気づいたんだということ。
間違いなく、それはほとんど医師の場合、国民のために働いています。違うのがいる?何?美容形成で儲けてる?当たり前でしょ、あれは「美容」だから、普通の金額(保険診療)じゃない…。コンタクトレンズ処方で稼いでいる?それも医師が処方するように法律が定めているため必要なので、人材として求められているのです。
へき地の産科医が5500万円ももらっている?それは…おかしい!!開業医の先生が医院を閉めてきたらそうなります…って。おまけに一人でしょ。
「みんな金の亡者どもだ!?」
いえ…医師が居づらくなるような処遇をしてきたからですよ。本来なら産科医が3人くらい必要な職場で、1年365日働き詰めだったら、どうですか?法定労働時間の週40時間を何倍も働かせてしまうのに、給料が普通と同じでは、肉体的にも精神的にも持続は不可能ですよ。
ちなみに当直明けは泥酔状態と同じで判断能力が落ちている状態で次の日も医師は働いています(手術室とかカテ室の控え室でよく研修医時代こっくりやってたなぁ)。もしも高速道路で30時間以上一睡もしていない運転手が乗るトラックが走行していたら?事故に巻き込まれたらどうですかね?
そんな高速道路を走るのは…僕は怖いですけど。それでもいいから!って産科医を都市から呼んだのです。お金で医者を引っ張っただろう?って。そうです…ね。誰も手伝ってもらえず、一人でキケンな職場には参りません。
これからは医師というプロの技術者が一人で何かあった場合、「マスコミによる集中砲火」で「社会的な抹殺」と「生活する糧」を失うのですから…時代の要請なんですよ。安全第一。そのかわり、自治体が安全に医療を行うだけの人数の医師を確保できなければ、その病院は撤退するしかないと思います(公立病院が赤字の垂れ流しなのは…医師の給与が高いからではありませんからね!不採算の救急や小児科・産科などを熱心にやってるからなのと、事務方さんなどの給与が民間に比べると高いからです)
ついでに言うと、無理解は常識を越えているって思うことにしました。
何人も法定労働時間以上にタダ働きをさせる権利はないはずですが、それをへき地の場合、当然のように考えているのです。撤退?そんなこと許さない!って言っても大学も力がないのです…だって厚生労働省に人(若者よ帰って…こんわなぁ)を取り上げられたのですから。
研修医が単身で指導医がいないへき地に行くことなど…考えられません(教習所出たばかりの研修医に…地図も道案内もなしで、首都高を一人で走らせて目的地に着くのはキケンというより無謀というほかありません)。
厚生労働省は所轄に法律違反を監督する部署もあるのに、医師が泥酔状態に近い状態で働いているのを「許可」しているわけで、今、普通に病院で医師は不足しているんですよ…それなのに「充足している」って。矛盾ですね。
8/9② 医師たちのブログの内容に絶句
8/8 事故の補償を全額公費に出させるのか
別にこの方の考えが悪いとかは別問題として、現場の医師の声を知らなさすぎるのではないですか?無知であること…それはやはり「キケン」ですよ。
医師が現場に居られないくらい悪条件で今ふんばっているのを…後方援助もなしで(いわば命綱なしで)、断崖絶壁を上れと言われても…無理だと思った次第です。別に挑戦者は居るでしょう。ただ、ファイトマネー(賃金)は高くつきますね。
オリックスなどの企業が、「市場原理・競争原理の導入」や、公的保険の利く診療と保険外の診療を組み合わせる「混合診療の全面解禁」「医療経営への株式会社の参入」などを話題にするのは、アメリカみたいにそういう所を狙っているのでしょうけどね。
安心してお産?アメリカなら、1泊二日で140万円!これが規制緩和勢力が求めているアメリカの医療の常識です。しかもアメリカの婦人科では超音波診断は1度か2度しか行わないのでとても不安だったというコメントもあるように必要最低限でこの価格。
日本?外来でも毎回のように超音波してもらえるし、1週間も入院できて30万円。でも、出産してすぐに退院と安全第一だったらどっちがいいですか?
FIRE BIRD「米国と日本の医療費」 http://firebird.at.webry.info/200607/article_6.html
出産費用 14,000ドル 150万円!
http://www.urban.ne.jp/home/haruki3/america.html
こんな世相に絶望して今年の研修医の先生で自分の知っている優秀な奴が「将来は医師以外の道も考えている」って漏らされた時は、「お前さんまだ1年も経ってないぢゃん!もう少し頑張ってね」って伝えました。僕のようにドロッポした奴は「A級戦犯」なのかもしれませんが…でもどこも足りてないのですよ。僕の職場でも…たくさんいても退職があったりしますし。
まぁ、こういった駄文に付き合っていても仕方ないですね。本当のお医者さんの心を知って欲しいです。僕のブログ以外に…
いっちゃんの小児科奮闘膝栗毛http://blog.m3.com/ichiro
ある産婦人科医のひとりごとhttp://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/
現場の医師の声、聞いてください。どうかよろしくお願いします。
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