医療の世界でも
「医師の説明義務」
「治療法の自己決定」
が叫ばれて久しいですが、
実際にはいろいろと問題があります。
説明するのが難しい、のではないのですが、
「きちんと説明を受けて自分で治療法を選択した」
と患者さんは思っていても、
本当はかなりの部分で「医師の誘導」に
ひっかかっている、ということです。
医者が
「Aという治療法を勧めたい」
と思いながら説明すると、
公平な説明を心がけても、やっぱり
「Aがいいよ~」
というオーラが出ていて、
患者さんのほとんどはAという治療法を選択されます。
自分で選んだ、と思いながら‥。
まあ、それはそれで、いいのかもしれませんけど。
最近悩んでいるのは「胃ろう」の説明。
食事がとれない方の胃に
小さい穴を開けてそこから栄養を流し込む、という方法です。
わたしが自分で書いた、
患者さん、ご家族さん向けの説明書を改めて読みかえしたら
「う~ん、これを読んだら、
胃ろうにします、って言うよな~」
って感じなのです。
高齢者の場合、
ごはんを食べなくなるのは自然の摂理。
胃ろうを作ってまで長生きさせることが
本当にいいことなのかどうか、わたしも自信がありません。
ただ、
わたしの「誘導」にひっかかって、
本当は静かに見送りたい、と思っていたご家族が
迷われたら気の毒だなあと思います。
「ああ、あんな治療法があったのに、
してあげればよかった」
と最期にご家族が思われたら、本当に残念です。
それでも、こんな治療法もありますよ、
と説明しないわけにもいかないし‥。
本当に難しいですね。
ベスト5までもう少し!ぜひ、応援を~。
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脳梗塞後遺症などで嚥下機能のみ障害された場合など、胃瘻によって本人のQOLが維持できるのであれば胃瘻も有りだと思いますが、特定の病気ではなく高齢による衰弱で摂食できず、意志疎通も満足にできなくなった方に胃瘻を増設するのは「悪」だと常々思っています。
「老衰による自然死」という多くの人にとって理想的と思われる死を奪い、病気にならないと死ねない体に改造されるようなものです。自分の家族だったら絶対にしませんね。
患者さんの家族にはそのように説明して、極力胃瘻をお勧めしないようにしていますが、それでもほぼ100%のケースで胃瘻造設を選択されます。その理由は、自宅で手の掛かる高齢者を見れないし、食事を食べない人を食べない状態のまま病院や療養施設では受け入れて貰えないから。
昔みたいに家で家族が水差しで水をあげながら往診の医者が最後を看取ってくれるような体制なら理想的な自宅での老衰死も可能なのでしょうが、今の核家族化の進んだ家庭環境や医療システムでは、食事のとれない老人は胃瘻を入れて療養施設に送るしかないようです。これが不幸な老人を量産する原因であり、医療費が増大する一因でもあるわけですが。
老健で2級ヘルパーの実習時の事です、パーキンソン病で殆んど口を開けられないの高齢者の食事介助の実習をしていた時、指導の看護師はスプーン2個を使って食物を無理やり口の中へねじ込むというやり方を指導されました。この方はそうでもして食べないと生きては行けないのか?と思い、やって見るとなるほど少しずつですが食べることは出来るようですが、本人の目からは涙が出ていました。私はその事がとても辛くて日誌にその旨書いたところ翌日ベテランの介護士が再度やって見ろとの指導があり、スプーン1本での介助の仕方を教えてくれました。あっその様にも出来るんだ!と希望が湧いてきた所で2級の実習を終えました。看護師と介護士とこれだけ違うと感じました。1級の実習では同じ施設を希望してこの方の食事介助を無理をしないやり方で徹底的に勉強しました。無表情だった方が笑顔で次はこれその次はあれと食べたいものを指示するように成りました。
私との間にある種の信頼関係が出来上がり、10日間の実習を終えました。その後、セクションは違いますが、同じ施設に就職出来て陰乍ら見守っていましたが、半年くらいで胃瘻となりました。実習生という素人が出来た食事介助をどうしてあのプロたちが出来なかったのかと悔しいやら悲しいやら情けない思いをしました。時間に追われるとその様になるんでしょうか?その後半年で亡くなりました。この方にとって胃癭の期間が短かったことが幸いだったのかもしれないと自分を慰めています。
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