わたしがまだ
大学病院の研修医だったころ(うーん懐かしい)、
28歳の男性が入院してきた。
彼は若いのに末期ガンで、
抗がん剤を散々使っても何の効果もなく、
まさに「手の打ちようのない」状態だった。
私の指導医は助教授だったが、
ある日突然私に
「よし、ヒメマツタケを使おう!」
と言い出した。
ひ、ヒメマツタケって何!?
「中国でこうゆうガンに効果があったと報告がある!」
「ほ、本当ですか?」
「文献だってある!」
「へ~」
「中国4000年の歴史があるから大丈夫!」
何が大丈夫か全然わからないが、
患者さんとその家族にも了承を得て、
助教授がどこからか入手したヒメマツタケは投与された。
ちなみに、後日助教授が持ってきてくれた「文献」は中国語で、しかも助教授は読めないらしかった‥。
当然というか、
残念ながらというか、ヒメマツタケは効果なく、
患者さんは故郷の病院に転院し、そこでまもなく亡くなった。
彼は天国で
「変なもの飲まされたな~」と思っているのだろうか。
それとも
「いろいろがんばってくれたな~」と思ってくれているのだろうか。
そして、わたしが、
「ヒメマツタケ=アガリクス」だと知ったのは
もっとずっとずっと後のこと‥。
ドラマの「白い巨塔」とまではいかなくても、
保守的な大学病院で、しかも助教授が思い切ったことをしたな~と今でも思う。
10数年前は、今ほど健康食品、ブームじゃなかったしね。
今その助教授は、ちゃんと教授になっています、めでたし、めでたし。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |