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Ⅱ型アレルギーとC5a:Cell-derived anaphylatoxins as key mediators of antibody-dependent type II autoimmunity in mice(ドイツ) J Clin Invest. 2006 Feb;116(2):512-20

内因性あるいは外因性の細胞表面抗原が抗体と結合することにより、Ⅱ型アレルギー反応(細胞融解型・細胞障害型)が惹起される。この細胞障害性には主に二つの機序が考えられる。第一の機序では標的細胞上の抗原に結合した抗体のFc部分がマクロファージ/単球あるいはNK細胞の有する免疫グロブリンレセプター(FcR)と結合し貪食される。第二は標的細胞膜上に形成された抗原—抗体複合体により補体系が活性化され細胞の融解に至るという機序である。

抗赤血球抗体による溶血性貧血はⅡ型アレルギーに分類される。動物モデルにおいて補体を欠損させても溶血性溶血は回避されないことから、抗赤血球抗体による溶血に補体はさほど重要ではないと考えられている。一方、活性化型Fc受容体(FcγRI、FcγRIII)やFc受容体のシグナル伝達分子であるFcRγのノックアウトマウスでは抗赤血球抗体を投与しても溶血性貧血は惹起されない。抗血小板抗体による血小板減少症でも同様であり、一般にⅡ型アレルギー反応においては補体活性化による細胞障害よりもFc受容体を介した貪食が重要であると考えられている。

C5a(アナフィラトキシン)は、炎症性疾患(心筋ischemia/reperfusion傷害、RA、抗リン脂質抗体症候群など)治療のための標的分子候補であり、実際にEculizumab(humanized anti-C 5 monoclonal antibody)を用いたRAの臨床試験が行われている。しかし、これまで抗体依存性のⅡ型アレルギー反応におけるC5aとそのレセプター(C5aR)の役割は認識されていなかった。このペーパーではアナフィラトキシン(C5a)に着目することにより、Ⅱ型アレルギーにおける活性化型Fc受容体の新たな側面を明らかにしている。

IgG2a 34-3cは赤血球anion channel band3に対するモノクローナル抗体であり、マウスに投与することで致死的な溶血性貧血が惹起された。この実験系においても活性化型Fc受容体(FcγRI、FcγRIII)やFcRγのノックアウトマウスでは致死的な溶血性貧血が回避される。補体C3のノックアウトマウスでは溶血性貧血はほとんど回避できないが、アナフィラトキシン(C5a)受容体ノックアウトマウスでは致死的な溶血性貧血が回避された(どのノックアウトマウスであれ、34-3c投与により一過性のヘマトクリット低下は認められるので、補体を介すると思われる軽度の溶血は起こると考えられる)。

野生型マウスでは抗赤血球抗体の投与による肝クッパー細胞上の活性化型Fc受容体の発現亢進が認められるが、C5aRを欠損しているマウスで認められなかった。また、Fc受容体を介する生体内での赤血球貪食も阻害された。驚くべきことに、活性化型Fc受容体を欠損させたマウスにおいて、抗赤血球抗体によって誘発されるC5とC5a産生が抑制された。これは活性化型Fc受容体によるC5a産生経路の存在を示唆する知見である。まとめると、C5aは活性化型Fc受容体により産生が促され、産生されたC5aは活性化型Fc受容体に作用する。

これらは抗体依存性自己免疫疾患発症にC5aが必要であることを示唆する結果と考えられ、C5a/C5aレセプターはII型アレルギー機序による自己免疫疾患の治療ターゲットになる可能性がある。抗CCP抗体がⅡ型アレルギー機序により関節リウマチの病態形成に関与しているかどうかは不明であり、シトルリン化抗原の探索が待たれる。

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