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ANCA関連全身性血管炎の治療の主体はシクロフォスファミドであるが、シクロフォスファミド投与に伴う副作用が問題となる。シクロフォスファミドの副作用の多くは用量に依存するので、総投与量を少なくするためにシクロフォスファミド・パルス療法が考案された。また、治療を2段階に分け、寛解導入にはシクロフォスファミドを用いるが、その維持にはメトトレキサートやアザチオプリンなどより副作用の少ない免疫抑制薬が用いられる。
最近の全身性血管炎の臨床治験の多くは欧州を中心に行われている。
ー寛解導入
・ NORAM(Non-renal Wegener treated alternatively with MTX):軽症例でシクロフォスファミドではなくメトトレキサートを寛解導入に用いるプロトコール
・ CYCLOPS(Cyclophosphamide daily oral versus pulsed):寛解導入におけるシクロフォスファミドの投与方法の比較(経口とパルス)寛解維持にはアザチオプリンが用いられている。なお、この試験ではCYCAZAREMの知見が得られる前だったので、寛解後に強化療法consolidationが行われている。
・ MEPEX(methyl prednisolone or plasma exchange for severe renal vasculitis):重症腎障害症例の寛解導入における血漿交換療法の併用の有効性が検討された。
ー寛解維持
・ CYCAZAREM(Cyclophosphamide versus azathioprine as remission maintenance therapy for ANCA-associated vasculitis):経口シクロフォスファミドで寛解導入後、アザチオプリンに切り替えても再発率は変わらない。
・ CHUSPAN(Churg-Strauss and polyarteritis nodosa):FFS1以上の症例を対象に、維持療法なしのシクロフォスファミドパルス療法の継続回数を検討(寛解率や死亡率に差はないが、パルスを12回行った方が6回よりも再発率やevent-free survivalは有意に優れていた)
・ WEGENT(Wegener Entretien/Maintenance):シクロフォスファミド・パルス療法後(寛解到達後consolidationあり)の寛解維持におけるアザチオプリンとメトトレキサートの比較
・ REMAIN(Randomized trial of prolonged remission maintenance therapy):シクロフォスファミドで寛解導入され、アザチオプリンで寛解維持されている症例を対象に、維持療法の休薬を検討。
*寛解導入(MYCYC)や維持(IMPROVE)におけるミコフェノール酸の効果なども検討されている。生物学的製剤ではエタネルセプトに寛解導入時の併用効果は認められなかったが(WGET)、リツキシマブ(RITUXVAS)やアバタセプト(ABAVAS)の有用性が検討されている。
* Five-Factors Score (FFS)
(1)腎障害creatininemia >140 μmoles/liter (1.58 mg/dl)
(2)腎障害proteinuria >1 gm/day
(3)中枢神経障害central nervous system
(4)消化管障害gastrointestinal
(5)心病変myocardial involvement
(Br J Rheumatol 1996; 35: 958-64)
・ 60-70歳では(-2.5 mg/kg)、70歳以上では(-5 mg/kg)
・ クレアチニン3.4 mg/dl~5.7 mg/dlでは(-2.5 mg/kg)
・ パルス後10日目と14日目に白血球数をチェックし、nadirの白血球数が2000-3000であれば次回のパルスのエンドキサン量を20%減量、1000-2000であれば、40%減量
年齢 クレアチニン(mg/dL)
<3.39 3.39〜5.66
60歳以下 15 mg/kg/pulse 12.5 mg/kg/pulse
60-70歳 12.5 mg/kg/pulse 10 mg/kg/pulse
70歳以上 10 mg/kg/pulse 7.5 mg/kg/pulse
* [EULARのループス腎炎治療のためのエンドキサンパルスのプロトコールにおける腎機能障害時の用量調整]
・下記では腎機能に問題ない場合はパルスあたり、10 mg/kgと記載されている。
・血清クレアチニン値が250 ~ 500 µmol/l(2.82mg/dl~5.66 mg/dl) であれば 7.5 mg/kgに減量。500 µmol/l(5.66 mg/dl)以上であれば 5 mg/kgに減量
(In the presence of renal impairment, the cyclophosphamide dose was reduced to 7.5 mg/kg if serum creatinine was between 250 and 500 µmol/l (inclusive), and 5 mg/kg if serum creatinine was more than 500 µmol/l).
参考1:Intermittent pulse cyclophosphamide therapy was given intravenously at a dose of 10 mg/kg three weekly for four doses, then orally at the same dose split over two days at four weekly interval for nine months, and finally at six weekly intervals for 12 months
0 W: iv 10 mg/kg x1
3 W: iv 10 mg/kg x1
6 W: iv 10 mg/kg x1
9 W: iv 10 mg/k gx1
12 W: ORAL 5 mg/kg x2
16 W: ORAL 5 mg/kg x2
20 W: ORAL 5 mg/kg x2
24 W: ORAL 5 mg/kg x2
途中省略
104 W: ORAL 5 mg/kg x2
参考2:SI単位からの変換:血清クレアチニンがSI単位を用いている場合は次の式でmg/dLに変換する:Serum creatinine(mg/dL)=SI unit(μmol/L)/88.4 :https://center.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&recptno=R000000604&type=summary&language=J)