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Immunosuppressive medications and hospitalization for cardiovascular events in patients with rheumatoid arthritis. Arthritis & Rheumatism Volume 54, Issue 12, Pages 3790-3798(Daniel H. Solomon、Brigham and Women's Hospital、ボストン)
関節リウマチは心血管障害のリスクファクターである。これには二つの可能性が考えられる。第一の可能性は関節リウマチと心血管障害に共通の遺伝または環境要因が存在する可能性である(環境要因としては喫煙を共通要因例として挙げることができる)。第二の可能性はリウマトイド滑膜炎が炎症機転を介して非特異的に心血管イベントのリスクを上昇させる可能性である。この場合、抗リウマチ薬によりリウマトイド関節炎を沈静化すれば心血管イベントは減少するはずである。 リウマトレックスはホモシステイン上昇を介して心血管イベント死を上昇させるという報告もあるが、活動性を調整した報告ではリウマトレックス治療により関節リウマチにおける心血管イベントは減少すると報告されている。

この論文ではTNFα阻害薬の心血管イベント抑制効果はリウマトレックスと同等であった。リウマトレックスに心血管イベント抑制効果があるとみなせば、TNFα阻害薬も同様に関節リウマチの持つ心血管イベントリスクを軽減させることができるものと考えられる。さらに、この試験によりステロイド剤の心血管イベントへの悪影響があらためて示された。近年、COX-2選択的NSAIDsの心血管イベントに与える影響が話題になっている。ロフェコキシブは明らかに心血管イベントを増加させるが、日本でも近々上市されるセレコキシブや従来の非選択的NSAIDが有する心血管イベントリスクの大きさはよく分かっていない。本試験で明らかにされたステロイド剤のリスクと比べて、NSAIDsのリスクがどれくらいか、興味あるところと思われる。

要約 試験デザインはMedicare データベースを用いた nested case-control study。ペンシルベニアのMedicare データベースから過去6年間に抗リウマチ薬治療中に心血管イベント(心血管障害または脳血管障害)で入院した946名のRA患者を疾患群とした。 比較対照として9,460 名のRA患者データが用いられた(疾患群、対照群共に65才以上:平均82才)。
(この論文ではDMARD(抗リウマチ薬)をCytotoxic DMRDとnon-cytotoxic DMARDに分けている。前者にはイムラン、シクロスポリン、レフルノミド、後者には金製剤、hydroxychloroquine、アザルフィジンが分類されている)
喫煙、アスピリン内服状況、BMI、フラミンガムリスクスコアは心血管障害の重要なリスクファクターであるが、この研究ではこれらのリスクファクターに関するデータが欠落していた。この研究では、この点に関して外部データを用いた統計解析により、これらの交絡因子が検討され、ステロイド使用がフラミンガムリスクスコアと関係した以外は各治療群で差は認められなかったとしている。メトトレキサートを基準としてみた場合、生物学的製剤は心血管イベントに対して何の影響を与えなかった(良い影響も悪い影響も)。一方、ステロイド剤は単独で使用した場合、心血管イベントのリスクを50%上昇させた。ステロイドを併用して用いた場合も同様の傾向が認められた。また、細胞傷害性を有する薬剤(イムラン、シクロスポリン*、レフルノミド*)を単独で用いた場合、心血管イベントが80%増加した*。(*シムロスポリンやレフルノミドの副作用である高血圧が寄与している可能性もある)
[オッズ比]
1.0:生物学的製剤とMTX併用
0.8:生物学的製剤と他の免疫抑制剤の併用
1.2:生物学的製剤単独プラス経口ステロイド
1.5:経口ステロイド単独治療
1.3:経口ステロイドを含む併用療法
1.8:メトトレキサート以外のCytotoxic drug(イムラン、シクロスポリン、レフルノミド)

追記 使用この種の観察研究では、やはり、より活動性の高いRA患者がより強力な治療に導かれることが問題になる(Channeling of more sever patients to more potent immunosuppressive agents; Confounding by indication; 心血管イベントを起こしやすい活動性RAがより強い治療を受ける)。また、Medicare 大規模データベースを用いた市販後調査なので(仕方ないが)、高齢者が多いこと、喫煙など他のリスクの調整が直接できないなど問題はあろう。

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