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関節液エクソゾームのシトルリン抗原

tet / 2006.12.31 19:08 / 推薦数 : 1

Skriner K, Adolph K, Jungblut PR, Burmester GR. Association of citrullinated proteins with synovial exosomes.Arthritis Rheum. 2006 Dec;54(12):3809-14.

抗CCP抗体はRAに特異性が高いとともに、早期関節リウマチのみならず、発症前のRAにおいても少なからず検出されることからRAの病因・病態を考える上で重要な自己抗体である。しかし、その生体内の自己シトルリン化抗原の詳細は不明である。ドイツのSkrinerらは関節液にエクソゾームが存在することを明らかにし、更にエクソゾームに含まれるシトルリン化蛋白の成分分析を行った(細胞外に放出される細胞膜構造物には、アポトーシスのブレブとエクソゾームexosomeとがある。生体内には様々な細胞由来のmicro-particleが存在するが、抗原提示細胞が放出するエクソゾームにはClass IやClass II分子も含まれており、T細胞やB細胞を活性化することができる)。

関節液中エクソゾームは一連の遠心操作で精製され、二次元電気泳動で展開したのちにSenshu抗体を用いたWestern blottingでシトルリン化抗原の検出が行われた。その結果、RAのみならずOAなどの関節液エクソゾームにもシトルリン化抗原が検出された。RA由来のエクソゾームには他の関節疾患の関節液よりも多くのシトルリン抗原が含まれており、質量分析によりフィブリン由来蛋白とSpαが同定された(フィブリンαフラグメント、フィブリノーゲンβ鎖、フィブリノーゲンβ前駆体、フィブリノーゲンDフラグメント、Spα(CD5-like protein)、他に未同定蛋白質)。なお、非シトルリン化蛋白質としては、α2マクログロブリン、IgG1重鎖、フィブロネクチンが検出されたが、フィブロネクチンはRA関節液のエクソゾームのみに含まれていた。

ChangらはRA関節液にシトルリン化されたフィブロネクチンが存在することを報告しており(Rheumatology p1374, 2005) 、今回の報告で関節液エクソゾームに含まれていたフィブロネクチンがシトルリン化を受けていなかったのは意外である(著者らはシトルリン化されたフィブロネクチンはエクソゾーム上のα4β1インテグリンに結合しにくいものと推定している)。フィブリノーゲンやフィブリンはRAにおけるシトルリン化自己抗原の最有力候補であり、RA関節液にはシトルリン化されたフィブリノーゲンが存在することも報告されており(Ann Rheum Dis p1013, 2006)、フィブリンは想定内の結果である。なお、DIscussionで著者らは血清由来のエクソゾームにもシトルリン化ペプチドを検出できたと記載している。

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SIRS診断基準(メモ)

tet / 2006.12.31 00:18 / 推薦数 : 0

TNFα阻害療法中のRAでは重症感染症が問題となる。SIRS診断基準は誰でも簡単に評価できる上に、敗血症や敗血症性ショックの予測に極めて有用とのことである。従ってTNFα阻害療法中に出現した発熱に際しては、SIRSの診断基準に基づく評価を行い、SIRS基準を満たす場合にはカルバペネムなど強力な抗菌療法が必要かもしれない。
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SIRS(Systemic Inflammatory Response Syndrome)の診断基準
1.体温  >38℃または<36℃
2.脈拍  >90回/分
3.呼吸数 >20回/分またはPaCO2<32mmHg
4.末梢血白血球数 >12000/mm3または<4000/mm3
    以上4項目のうち2項目以上を満たす場合をSIRSと診断
(米国胸部疾患学会・Critical Care Medicine学会、1992年)
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抗CCP抗体のアイソタイプ分布

tet / 2006.12.30 22:05 / 推薦数 : 0

Isotype distribution of ANTI-CYCLIC citrullinated peptide antibodies in undifferentiated arthritis and rheumatoid arthritis reflects an ongoing immune response. Arthritis Rheum. 2006 Dec;54(12):3799-808.

抗CCP抗体は早期RAのみならず、分類不能関節炎UA(Unexpalined arthritis)段階のRAや発症前のRAにおいても少なからぬ割合で検出され、RA診断における有用性が期待されている血清診断法である。一方、抗CCP抗体が認識している自己抗原(関節リウマチ患者内に存在し、抗CCP抗体産生を促しているシトルリン化抗原)はまだ同定されていない。

オランダのToes、Huizingaらは種々の病期のRAにおいて抗CCP抗体の免疫グロブリンアイソタイプ(IgM,IgA, IgG1-4)を測定した。IgA, IgM anti-CCPは(おそらく意外にも)IgG anti-CCP Ab陽性の検体でのみ検出された。また、UAに比してRAの方がより多くのアイソタイプ数の抗CCP抗体を有していた(中間値で 5アイソタイプ(RA) vs 4アイソタイプ(UA))。また、IgM, IgG2, IgG3をはじめ全体にRAの方がUAよりも抗体価は高値であった。
 IgM型反応に関して:一般の免疫反応では初期応答であるIgMレスポンスが減じてIgGにスイッチする。しかし、RAにおいては、IgM型抗CCP抗体はUAや早期RAのみならず、完成したRAでも検出された。従って、RA患者においてはin vivoでシトルリン化自己抗原が継続して存在し、シトルリン化抗原に対する初期免疫応答機転(骨髄からのIgM型B細胞のリクルート)が持続していると推測される。
 IgG4型レスポンスに関して:一般にIgG4は免疫後長期経過時に出現するが、RAにおいては早期RAでもこのアイソタイプのanti-CCPが検出された。これはRAにおいては発症前から既に長期にわたりシトルリン化自己抗原に暴露されていたことが示唆される。

なお、それぞれのアイソタイプの抗CCP抗体はキット(Euro-diagnostica社)の抗原プレートを流用して測定している。また、IgM型anti-CCP測定にあたっては、リウマトイド因子の影響が問題になるが、IgM型anti-CCPは固相化されたIgGでは吸収されず、またanti-CCP(−)リウマトイド因子(+)血清の添加の影響も受けなかったので、リウマトイド因子の干渉はなかったと結論している。


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強皮症肺の治療

tet / 2006.12.30 21:12 / 推薦数 : 1

A multicenter, prospective, randomized, double-blind, placebo-controlled trial of corticosteroids and intravenous cyclophosphamide followed by oral azathioprine for the treatment of pulmonary fibrosis in scleroderma. Arthritis Rheum. Page 3962 Dec 2006.

英国ロンドン大学のdu Boisらは、全身性強皮症に伴う間質性肺炎に対する免疫抑制療法(エンドキサンパルスIVCYによる初期治療とアザチオプリン維持療法)の臨床効果に関する多施設共同ランダム比較試験の結果を報告している。この研究では間質性肺炎を有する45例の強皮症患者を免疫抑制療法群とプラセボ群に割り振った。免疫抑制療法群では少量ステロイドとともに、寛解導入としてエンドキサンパルス(6ヶ月)、引き続く維持療法としてアザチオプリンが投与された。プライマリーエンドポイントは肺活量である。
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  プレドニン 10mg/日相当を投与(SRCを防ぐために低用量)
  IVCY 600 mg/m2 月1回 (平均1050mg)を6ヶ月、その後
  アザチオプリン 50mg/日より開始:2.5mg/kg/日(最大200mg)
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62%の患者が1年間の治療期間を終了した。免疫抑制療法群において出血性膀胱炎や血液障害の発生はなく、またステロイドが含まれていたが腎クリーゼ(SRC)の発生もなく、有害事象に関して両群で差異は認められなかった。プライマリーエンドポイントである努力性肺活量はベースライン値で補正した場合、免疫抑制療法群でプラセボ群に比して4.19%の改善が認められた(統計的に有意なレベルには達しなかったがp値は0.08であった:粗データでは治療群で2.4%改善;プラセボ群で3.0%悪化)。DLCOやHRCT所見、呼吸困難スコアに改善は認められなかった*。

強皮症肺の臨床試験にエントリーさせることのできる症例は、どうしても間質性肺炎活動性がある程度落ち着いている(比較的進行が緩やかな)症例にならざるを得ない点がこの研究でも問題になる(症例選択バイアス)。しかし、この臨床試験では統計的に有意な結果は得られなかったが、肺活量には改善の傾向が認められており、2年目以降の解析結果が待たれる。

* DLCOは施設間の標準化、肺高血圧の影響を受けるのが問題である。他の臨床試験でも改善が認められないことが多い。呼吸困難スコアも筋骨格系障害による間接的な影響を受けやすい。

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抗CCP抗体の基準値・カットオフ値

tet / 2006.12.30 09:01 / 推薦数 : 2

抗CCP抗体はRAに特異性が高く、早期RAを含めRAにおける感度も高く、RAの臨床診断にとても有用な血清マーカーである(本邦では現在保険収載待ちの段階)。
現在日本で利用可能な抗CCP抗体測定キットはAxis-Shield社の第2世代キットであるが、同キットに付属する使用説明書には、5 U/ml以上を陽性とすると記載されている。これは欧米のデータに基づいて算出されいる参考値と考えられる。
日本人の抗CCP抗体(Second-generation)の基準値に関しては、健常人の抗体価の中間値は0.6 U/mlと報告されている。また、日本人におけるRAとnon-RAリウマチ性疾患を最も良く分けるcut-off値は ROC解析により、4.5 U/mlと算出されている(Suzuki et al Scand J Rheumatol 32,197,2003)。今後non-RAリウマチ性疾患における抗CCP抗体の測定データが集積されると期待されるが、現時点でのRA診断に有用な抗CCP抗体のカットオフ値は4.5ー5 U/mlと思われる。

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臨床的寛解RAにおける滑膜炎の存在

tet / 2006.12.30 01:02 / 推薦数 : 0

Presence of significant synovitis in RA with DMARD-induced clinical remission (Arthritis Rheum p3761 Dec 2006)

 臨床的寛解状態にあるにもかかわらず、骨関節破壊が進行する関節リウマチ患症例を経験することがある。P Emeryらは臨床的寛解と判定されたRAの85-90%でMRIやUS上の滑膜炎が存在することを報告している。
 医師が臨床的寛解状態と判断した107例のRA患者(平均年齢56才、罹病期間7年、完解期間2年、生物学的製剤使用者4.7%)を対象に手のMRI/超音波検査(US)が行われた。107例のうち、ACR寛解基準を満たしていたのは86.4%であり、DAS28完解基準を満たしていたのは83.6%であった。
MRI:患者数でみると、92.6%で滑膜炎所見が認められた。のべ関節数でみると、全体で741関節が評価され、そのうち627関節(85%)には腫脹が認められなかったが、約半数(327関節)で滑膜炎所見が認められた。
US:患者レベルでは84.9%で滑膜炎所見が認められた。のべ関節数レベルでは843関節が評価され、そのうち725関節(86%)には腫脹が認められなかったが、36%(263関節)で滑膜炎所見が認められた。
 この研究では生物学的製剤により寛解導入されている症例が少なかった。生物学的製剤(特にメトトレキサートとTNFα阻害療法)により低活動性が維持されている症例においては、関節破壊の進行が阻止されることが明らかにされているので、生物学的製剤により寛解が維持されているRAにおける、US/MRIによる滑膜炎所見の有無は興味あるところである。また、従来のDMARDで寛解状態のRAにおいてDMARDを中止すると約半数で再燃が認められると報告されており(Lancet p347 1996)、この論文との関連で興味深い。今後、DMARD/生物学的製剤の寛解基準・薬剤中止基準にこれらの高感度画像検査が取り込まれる可能性が考えられる。

(現在のリウマチの寛解基準は腫瘍学の寛解基準とは全く異なり、画像検査で滑膜病変(炎症)が残存している:視診・触診上、正常関節に見えてもMRIでは半数に滑膜炎が、超音波では1/3に滑膜肥厚が認められる)

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