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2008.09.02 14:28 |  診療  |  仕事 / 職場  |  ピィ  | 推薦数 : 1

ピィ、あの娘にやっと会える。

ずいぶん、前の話です。

 

朝出勤したピィを、診察室で待っていたのは、

魂が抜けたように、傷ついたアユちゃんでした。

 

早朝、泊まっていたヴィラに強盗が押し込み、

いくつかの部屋を荒らした後、

一人で泊まっていたアユちゃんの部屋にも押し入って

金銭やカメラ等を強奪して、

持っていたナイフで、アユちゃんに傷をつけました。

 

彼女は、事件直後、運良く被害を免れた階下の白人夫婦に助けられ、

その後、そのご夫婦に病院へ連れて来られました。

 

傷の程度はそれほどひどくなかったものの、

やっと、 同じ日本人であるピィと話せたアユちゃんは

 

『怖かった。殺されるかと思った。』とつぶやき

静かに泣き始めました。

 

彼女は無理に抵抗しなかったので、傷は浅く

処置はすぐにすみましたが、

心の傷はとても深く、

 

『あのヴィラには、もう戻りたくない。

 でも、どこに行っても、あの犯人と同じ国のヒトいる。

 日本に帰るにも、タクシーに乗るのが怖いし、

 空港にも、この国のヒトがたくさんいる。

 この国のヒト全員が悪いわけじゃないのはわかってていても、

 今は、怖くてたまらない。』

 

と、細々と話すアユちゃんを連れて、

私は、知り合いが努めている中堅クラスの

比較的日本人旅行客が多いホテルに、チェックインしました。

 

ピィは仕事があったので、朝は一緒に朝食後、そのホテルから通勤し、

昼の間は、事件当時助けてくれた白人夫妻が付き添ってくれ、

仕事が終われば、そのホテルに戻り、一緒に食事を取り、

 

『あなたは何も悪くない。

 あなたは何も変わっていない。』と

 

ずっと、話しかけ続けました。

 

4日程すぎて、アユちゃんはやっと落ち着きを取り戻し、

空港へ向かう自信がつきました、と行って

帰国の途につきました。

 

その後も、アユちゃんから連絡はくるも

日本でもヒトが怖くてたまらなく

PTSD の治療をず〜っと続けていたようです。

 

それからも、たまに思い出したようにアユちゃんから

メールが届いていましたが、

 

先日、結婚され、ご主人ともう一度、

こちらにいらっしゃるとのメールが。

 

辛く怖い思い出があった国だけど、

それでも、大好きだった国に、

もう一度、訪ねる自信がつきました、と。

 

そして、昨日電話がかかってきました。

 

やはり、大好きだったこの国、久しぶりだけど

とっても、嬉しくて、帰国を延長したので、

 先生、絶対絶対、お会いしたいです。と。

 

あの時、彼女が

『何もかも、盗まれてしまって、手元には何も残ってないけど、

 たった一つだけ、残っているものを受けとって下さい。』

 

と、私の手に握りしめたピアスを、ゆらゆらさせながら

彼女に会える日を楽しみに、待っています。

 

 


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ピィ先生、初めまして。
南の島で頑張ってらっしゃるのですね。
私も10代の頃、一人で中国を旅したとき、病気で心細くなっていたところを現地の中国人のお医者さんに助けてもらいました。
アユちゃんのピィ先生に対する気持ち、ちょっと分かる気がします。
ピィ先生、応援しています。
written by ゆるりん / 2008.09.02 19:43
ゆるりん先生、はじめまして。
コメント有り難うございます。

中国の一人旅、凄いですね。
素敵な思い出がたくさん出来たことと思います。

そんな、旅の思い出のお手伝いができればなぁ、
と思っています。
written by ピィ / 2008.09.03 10:00

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