私、名付け親になった患者さんのはなし。
といっても、赤ちゃんではありません。
18才の男の子、三人組です。
ちょうど春休みの時期でもあり、卒業旅行かな?
楽しそうでいいなぁ、なんて思いながら、
あれこれ、お手伝いします。
A くん:
保険の書類に、必要事項を日本語で、ご記入いただくようお願いしたところ、
『えっと、住所、日本語で書けないかも。。。』
B くん:
診察申込書のローマ字での、ご記入をお願いしたところ、
泣きそうな声で、
『生年月日もローマ字ですかぁ??』
アラビア数字でお願いいたします。
C 君:
3人とも同じ症状なのですが、彼が一番つらそうです。
待合室でお腹を抱えてうずくまっています。
腹痛の内服薬よりは、注射の方が即効性があるため、お勧めしたところ
ホンキで目に涙を浮かべて、
『注射だけは、ダメですぅ!!ダメなんですぅ!!』
仕方なく、便検査の指示と、内服薬の処方を医師に依頼し、整腸剤も出してもらいました。
薬の説明を、C 君はお腹を抱えて、聞いています。
最後に、ご質問はありませんか?と伺ったところ、
『整腸剤を飲んだら、背が伸びますか??だって、せいちょう剤。。。』
結構、元気じゃん。。。
この3人組を、心の中で、『トン吉・チン平・カン太』と名付けました。
頑張れ、トンチンカン♪
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わたしの住む島には、馬車がたくさん走っています。
日本で『馬車馬』というと、飲まず食わず眠らず働く事の代名詞になりますが、こちらの馬車馬はのどかなモノです。
馬を操っているおじさんも、1日中、ボーッとしてます。
馬もおじさんと同じようにボーッとしてます。
でも、でっぷりとした白人を乗せて走っている時は、さすがに、ちょっと疲れたような感じです。
ホントに重そうです。
何て言ったって、とんでもなく暑い国ですから、日中はテンションは下がりっぱなしです。
おじさんのテンションが上がるのは、運賃の値段交渉の時ぐらいでしょう。
昨日も今日も明日も、変わる事なく、パカパカと馬車が通り過ぎます。
どんなに、車の流れを邪魔しても、動じずパカパカです。
ちょっとした事で、すぐにクラクションをならすこの国も人も、なぜか馬車には、じーーっと我慢です。
隙を見て、追い越して行くだけです。
『馬車馬』
ところ変われば、一つの言葉が、こんなにも違った意味を持つのだと、この島に来て、知りました。
日本で『馬車馬』のように、働いていました。
『馬車馬』のように働いて『馬車馬』のように死んでいくのだろうと、思っていました。
不思議と、つらくも悲しくもありませんでした。
睡眠不足が原因で、車での大事故を起こした時も、全くの無傷で、生きてる事が不思議でした。
まるで、誰かに『生きなさい』と言われているようでした。
そして、私は今、ここにいます。
暑く、眩しく、でも生きるパワー満杯の場所で、大きな木の下で、本を読みたくて。
そうは、問屋がおろしませんって。
今も、私は南の島で日本産『馬車馬』のように働いている、学習能力のない、おばかさんです。
ええっと、近所に子猫がいるのですが、すんごい可愛いんですけど、
2日間遊んであげないと、私の事、忘れます。
近寄ると、『知らない人にゃ〜〜〜〜!』ってな感じで、
脱兎じゃなくて脱猫(?)の如く、走って逃げます。
一昨日ですよ?遊んだの。
人にお腹みせてひっくり返って、『もっともっとお腹、こしょこしょしてにゃ〜〜♪』ってな感じで。
はい、2日で完全に忘れてくれます。
ふぅぅぅぅ〜〜〜、これぐらい忘れっぽかったら、生きるの楽だろうなぁ、とため息。
今日一日、私の耳に一番多く届くのは、自分のため息ばかりだったりします。
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同じく ER の話ですが、こちらはちょっと笑える話。
かなり以前の話です。
ER に横付けされた車は一般車。
中には砂まみれの、海パンをはいた白人が横たわっています。
うちのDr. 達が処置を始める側で、たたずんでいる、現地の男性に気づきました。
どうやら、白人の患者を運んで来た人のようです。
私にむかって、微笑みかけます。
挨拶をかわすと、彼は私に、『僕はこの前も、日本人の患者を連れて来たんだよ。覚えてる?』
。。。。スミマセン、覚えてません。
で、今日はだうしたの?と尋ねると、
『ビーチを散歩してたらね、落ちて来たの。』
落ちて来た????
よくよく話を聞いてみると、パラシュートにぶらさがってボートにひっぱられるマリンスポーツがあるのですが(すみません、名前忘れました)、その際中に何らかのトラブルで、落下したらしいのです。
『でね、しばらく見てたんだけど、白人は動かないし、誰も回収にこないから、仕方がないから、連れて来た。』
お疲れさまです。。。。
文字通り、彼の車は砂だらけです。
私からも丁重にお礼を述べました。
人の良さそうな彼は、ず〜〜っと、ニコニコと笑っていました。
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先日、ER が急に騒がしくなり、少しのぞいてみると、ER 入り口にタクシーが横付けされました。
タクシーの中を覗いてみると、後部座席にはぐったりした血まみれの女性が、横たわっており、助手席にはご主人と思われる男性が、頭を抱え、泣き叫んでいます。
女性をER に運び込み、慎重に処置を始めます。
妊婦さんでした
ご夫婦でオートバイに乗っていたところ、事故にあわれたそうです。ご主人は膝を痛めているのみで、比較的軽症でしたが、女性のほうは、ほとんど問いかけにも応じません。
実は、このご夫婦は現地の方なので、私が担当する範囲ではないのですが、何かお手伝いできることはないかと、様子をみていたら、女性の耳から出血が。。。
耳鏡で中をチェックしようにも、次々と流れ出る血液に邪魔されます。
結局、このお二人はうちの救急車で、国立の総合病院に運ばれていきました。
この女性が、そしてお腹の中の赤ちゃんが、無事である事を、願ってやみません。
私のいる国では、救急車は有料です。
それも、現地の方の収入を考えると、かなりの高額になります。
私の勤務する病院は、外国人向けの設備を誇っているため、診察料もその他の費用も、他のローカル病院と比べると、段違いに高額であり、うちの救急車の出動費用は、普通の現地人の1ヶ月のお給料に相当します。
そのため、このようにタクシーで運ばれる患者さんも少なくはありません。
血まみれの女性を運んで来たタクシーの後部座席は、同じように血まみれになっていることでしょう。
そして、そのタクシーの運転手はあとでどこかで、嫌な顔ひとつせずに、怪我をした女性と赤ちゃんの無事を祈りながら、タクシーの後部座席を清掃し、次の勤務に向かうことでしょう。
他にも、道ばたで事故にあった日本人が、通りすがりの現地の人に助けられ、バイクや車やタクシーで運ばれて来たり、うちの救急車で他の病院に搬送する際、いつもは道をよけてくれない他の車が、今日はよけてくれるなぁ?と思ったら、運んで来てくれたバイクの男の子が、救急車の前を先導してくれたりした事もありました。
弱ってる人に、とても優しい国です。
ちょっと前の日本のようです。
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はじめまして。
南の島のピィと申します。
わけあって、日本を離れ、 この南の島にたどり着いてから、 10年弱がたとうとしています。
主には、日本人の方のお世話がほとんどですが、 時には、日本人以外の方のお世話をすることもあります。
ここ、南の島で、驚いたこと、笑ったこと、 悲しかった事、苦しんだ事、 いろいろな事を、思い出してみたいと思います。
よろしく、お願いします
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