懐かしく謎めいて
changing planes
アーシュラ K ルグイン
空港で、飛行機を待ちくたびれている時に、他の世界にトリップしてしまう、、というSF短編話。
ガリバー旅行記みたいに、有り得ない世界が次々とでてきます。
ガリバー旅行記は、特に後半は、厭世的で、なんだか狂気じみたものを感じてしまうのですが、、。
遺伝子組み換えが進みすぎた世界を描いたという、
”トウモロコシの髪をもつ女性”
トウモロコシと、オウムの入った女性がでてきます。
生まれた子供は、海に放して、、、。
なにか、今の遺伝子組み換え***なんかの成れの果てかと、
すこし背中が寒くなるような気がしました。
他には、背中に羽のある人たちの世界とか、
眠らない子供達を作ってしまった世界、
話をしない人々の世界、
鳥のように”渡り”をする人たちの世界とか、、。
皮肉も冗談もきいていて、SFなんでしょうけれど、
SFと思えないような、
なんていっていいか解らない読後感です。
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ハンマースホイ展。
ウイルヘルム ハンマースイ。北欧の画家です。
国立西洋美術館にて開催中です。
始めて聞く画家だったのですが、
フェルメール展で、入場の待ち時間に
ポスターをみかけて、惹かれましたので。
絵の具にたくさん白が入っていて、
色が濁りそうなんだけど、
絵には透明感があるのが不思議です。
ピアノの足がたりなかったり、
大小のコントラストがおかしかったり、
どこか、なにか、描かれているものも、
非現実的です。
実際に、生活しているお家のなかなのに、
ナンにも物がなくて、
さっぱりした感じで
こういうふうに住みたいものだと思ったりもしました。
近くの、フェルメールや、ピカソや、淋派や、
レオナルド藤田におされているのか、
からーんとした美術館も個人的には好みでした。
ちょっともったいないです。
12/7までです。
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ジェフリー ディーバーの新作。
前作のウオッチメーカーで、リンカーン ライムの捜査を
”キネシスク”という、相手の表情や身振りで、
心理を推測するという手法で助けた
女性捜査官キャサリーン ダンスが主人公。
マインドコントロールに長けた
カルトの凶悪殺人犯 ペルが、脱走。
ある富豪一家を幼い娘一人を残して殺害し、
とらえられていたのですが。
それを、ダンスと仲間達が追うというストーリーです。
昔、ペルにマインドコントロールされ、
彼のカルトのメンバーだった、
3人の女性達も、ダンスを助けるのですが、、。
途中まではゆっくりとしたストーリー展開です。
後半は、ツイスト、ツイスト、、、という感じ。
思いがけないところに伏線があって、
それが、後から次々、爆発していきます。
元カルトメンバーで、一番弱かったはずの”マウス”も、
とても良い感じで活躍していて、
一部では、ダンスを食いそうな感じでした。
ディーバーって、後半で、必ず、ツイストが入るのは分かっているんですけれど、なにが伏線か、どこで爆発するかが予想しにくくて、本当に毎作、新鮮です。
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角田光代著。
知人が面白いからと貸してくれた本。
いつも貸してくれるのが、ミステリーが多いのだが、、。
不倫相手の子供を誘拐して逃げる女。
ただただ身勝手でしかないし、犯罪でしかないのだけど、
財産もなにもかも捨てて、必死に子供を守っていく、
主人公に何だか共感してしまった。
一生懸命働いて、一緒に遊んで、
ご飯を作って、、、。
この子との生活がずーっと続けばいいと、
なんだか、応援せずにはいられなかった。
あんまり書くと、ネタばらし、、ですが、
後半では、
誘拐された子供が大人になって、
大人になるまでを回想するのだけど、
その子が、誘拐された事実も、実の両親の事も、
自分の妻のいる恋人の事も、
いろいろな葛藤の後に、
全てを受け入れて、
自分の人生をつかんでいく姿が、
とても清々しかった。
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東京都美術館で、フェルメール展をみてきました。
今回は、7作品が、展示されています。
世界で、36-37くらいしか現存していない
フェルメールのうち7点が一挙に展示ですから、
かなり贅沢な展覧会です。
若い頃から、晩年までと、年代順の展示でした。
透明感のある色彩、きれいな線、いろいろなものの質感、
他の作家の絵がかすむぐらい、素晴らしかったです。
12/14まで、
東京上野 東京都美術館で。
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歩きながら考える
矢内原伊作
みすず書房
ジャコメッティのモデルや美術史家として有名だった日本人哲学者、矢内原伊作のエッセイ集。ジャコメッティとの交流や、モデルとしての顔は知っていたけれど、本職は知らなかったので読んでみた。近くの図書館にも置いてありましたし、、。
ジャコメッティの書いた顔はかなりデフォルメしているのかと思ったら、結構そっくりで、写真をみて、笑ってしまった。
この本は、1980年頃に、産経新聞に連載していた、”歩きながら考える”というエッセイなどをまとめたもの。
日本人の歩き方、道路、水路、、など、道、歩くという事に関係したエッセイである。日本人の歩き方は、すり足みたいな感じ、欧米人は、腰であるく、、、という比較をしているけれど、今は、日本人も、腰であるいている感じがするけれど。すこし、この30年の時代の流れがみえて面白い。
その他も、音楽ネタ、美術ネタとかが多くて、私には読みやすかった。哲学者、、、という事で、すこし引いていたけれど、わりにあっさり読める本です。
現代美術などに興味があれば、面白い話がたくさんでてきますよ。
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面白いから、、、と、
知人が、数冊まとめて本を貸してくれた。そのうちの一冊。
私の男
桜庭一樹、文芸春秋。
直木賞をとった作品なので、
随分、あちこちに、書評もでていました。
書評でみた内容が、賛否両論で、
結構、好き嫌い分かれる内容で、
グロテスクそうで、
表紙もかなり、、
自分では、買っては読もうとは思ってなかったのです。
まあ、お皿に盛られた料理は一応、残さず食べる人なので、(笑)
父と娘の話。
ものすごくかいつまんで言うと、近親相姦の話。
いろいろとあるけれど、娘のこれからの幸せのために、
父は身を引く、、。
娘の結婚式の話から始まって、
天災で孤児になった幼い娘を、
まだ若い遠い親戚のはずの”父”が引き取るという
戸籍上の親子関係の始まりと、あれっという感じの真実で、
小説は終わる。
時代をさかのぼるような構成。
思ったほど嫌悪感は感じなかったです。
でも、人としての一線を超えてしまう、
”必然性””切迫感”が、
文章からは感じられませんでした。
書き込みが足りない、、のかな。
それでも、、、読んだ後に、
気持ちはよく整理できないけれど、
愛情ってなんだろう、、という、
親子と他人を分けるのは、一体なんだろう、、と、
ちょっと哲学めいた、
なんだかずーんとくるものが残りました。
一樹ですが、作者は女性だそうです。
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闇の子供たち
幻冬社文庫
梁石日(ヤン、ソギル) 著
を、読んだ。最近、映画も公開されて、評判をよんでいるので。
日本であれば、小学校の低学年くらいで、親から売春宿に売られるタイの辺境の少年少女。そして、さんざん使われたあげく、AIDSになって死んでいく。HIV陰性であれば、臓器移植のドナーとして売られていく。。
実話ではないようだけど、こういう世界が、本当にあるのだろう? ゴキブリを食べるストリートチルドレン、小児の売春宿の話、心臓移植のドナーに売られていく少女の話、読んでいて、ただただ気持ちが悪くなってきて、休みながらでないと読めなかった。辛かった。
ここまで、人間って、残酷になれるんだという事に驚いた。そして、こういう子達が、先進国と同様の教育、権利を手に入れさせる事は、相当な難題である事も、わかっている。現実的なプランはあるのだろうか。安穏とくらしている自分が、気がとがめてしょうがなくなった。
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医者をしていく上で、人間関係というのが、
一番難しい事だと思う。
自分と違う考えをもつ、背景をもつ人たちと、仕事し、
あるいは、自分たちに対し、攻撃的な人であっても、
医師ー患者関係を結んでいかないといけないので、、。
高塚人志先生の講演を聞く機会に恵まれた。
もともとは、高校の保健体育の先生。
現在は、鳥取大学で医学部低学年生を相手に、
人とのコミュニケーションを学ぶための授業、をされている。
内容というのが、、
学生が、保育園や、高齢者の施設に定期的に出向いて、
パートナー(園児だったり、高齢者だったり)をきめて、
接する、、というもの。
体験談やら、写真をみると、
こういう交流を通じて、
違う年齢、違う力量、違う背景をもつ人とのつながり方が、
彼らなりに、つかんでいったようで、、。
少なくとも、赤ちゃんや老人への
食わず嫌い的な抵抗感は薄れたんじゃないかと思う。
コミュニケーションは、
ある程度、学習できるスキル的な部分もある。
きちんと挨拶をするとか、、。微笑むとか、、。
現在のような核家族で暮らしていて、
普通に同級生とだけ接しているような状況は、
人間関係が意外とせまい。
ふだん経験できないような人たちとも接して、
経験値をあげる事は、
将来、多種多様な患者さんや職種の人と接するときに、
有用だと思う。
この授業をうけた学生達の、その後、、というか、
長期的な効果を期待してみてみたい。
そして、前例のないところに、こういう事を思いついて
始めた凄さ、と、
おそらく茨の道だっただろう事を思い浮かべた。
先生自体が、人間的な魅力にあふれていて、
最初なんだこれ???でしたが、
引き込まれて飽きずに最後まで聞いた。
本にもされているようなので、↓
”いのちを慈しむヒューマンコミュニケーション授業”
高塚人志 著
大修館書店
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レーリンク判事の東京裁判
The tokyo trial and beyond reflections of a Peacemonger.
BVA レーリンク、Aカッセーゼ
新曜社
昨年、8月に、東京裁判の番組をみて、
オランダのレーリング判事に興味をもち、購入して、。
最近、やっと読み終わりました(汗)。
レーリンク判事にイタリアの法学者カッセーゼが、インタビューという形で、東京裁判を描き出している。
レーリンク判事は、
一番の若手で、かなり独自な意見を持っていた人。
その国際法や、戦争犯罪に対しての解釈の、独自さは、私は、語るような専門家ではないので、、。
私が、一番、印象に残った部分は、、、。
私は、原爆は、どうしょうもない、平和のための、必要悪だったと、思わされている部分がありました。
少なくとも、レーリンク判事の認識、あるいは、見た資料では、
”原爆投下よりまえに、もう、降伏は決まっていて、数百万の死亡は明らかに避けられたのです。広島と長崎の破壊は、ドイツ降伏の二ヶ月前のドレスデン爆撃と同じように、不必要なものでした。”
すこし、すーっとしました。
屈折した感情がとれたというか、、。
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