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私の尊敬する上司 K先生は、腫瘍患者さんの治癒後のQOL、治療中や後の、妊娠出産などについて、研究していました。
以前にその研究のお話を伺っているときに、
”@大学のF先生のところで、妊娠中に腫瘍になり、抗がん剤治療をしながら、出産した人がいたのよ、、。赤ちゃんどうなったかしら。20年も前には、とても珍しかったのよ。そういうのは。”
2-3年前の冬、北国の実家に、帰省した時です。
大荷物だったので、タクシーに乗りました。
大吹雪、道路は、凍り付いて、そろばん道路。
渋滞でした。
ある病院の近くを通り、運転手さんが静かに、話しだしました。
”ああ、F先生だ。。。お帰りなんだ。。。
実は、私の妻が、F先生の患者でした。妊娠中に、歩けないほど具合が悪くなり、近くの病院にいってみました。すぐに入院といわれ、検査の結果、”がん”だと言われました。専門家がいないから、と、@大学に転院となりました。F先生が、担当でした。
妻の状態としても、治療は待てない状態。中絶するという話もありましたが、お腹に入ったままで、抗がん剤治療をすることになりました。小さく、小さく、子供は生まれました。その後、すぐ、妻は、”がん”のために亡くなりました。
実家の母の協力で、子供は育ち、大学も終わり、仕事をしています。やっぱり、小柄ですけどね。役場に入って、人の役に立つ仕事をしているんですよ。あの子の宿命でしょうね。F先生を見つけると、声をかけようと思うのですが、もう20年も前の事、忘れているでしょうね。時々、私の車に乗られるんですけどね”
あー、あの患者さんの事だー、半分、涙ぐみつつ、
”きっと、F先生、話すと喜ぶんじゃないでしょう。こういうのって、忘れないんじゃないですか”
私にとっても、"cold case"の一つでした。F先生にお話できたかしら、あの運転手さん。。。
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コメント
コメント一覧
F先生はきっとお忘れになっていないでしょうし、その時のお子さんが立派に成長したのを知れば、お喜びにあるに決まってますよね。
それでもF先生に声をかけるのをはばかるなんて、この運転手さんは素晴らしく純朴で控えめな性格なんだろうと思いました。
通りすがりの者ですが、心が温かくなる
いい話を聞かせていただきました。
ありがとうございます。
優しそうな、静かな感じの運転手さんでした。当時は、いまのような標準的な治療がなかったタイプの腫瘍でした。F先生にも大変感謝しているようでしたが、いろいろな思いがあって、話しかけるのをためらわれているようでした。
これを書きながら、会話や、情景を思い出して、うるうるしてました。F先生とは、面識ないのですが、手紙でも出してあげればよかったと思いました。
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