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手術からの撤退

地方眼科医 / 2009.12.15 22:11 / 推薦数 : 1

先日、10人ほどの眼科医の集まりがありました。

 

私より1年ほど先に開業した一人が、

「今年に入って早々、白内障手術から撤退しました。」

と。

 

その眼科医、手術用顕微鏡と白内障手術装置、最高級品で揃えていて、3000万円はくだらないと思われる投資をしていたはずです。

どう考えても投資分の回収は出来ていないだろうし、中古として売却したんだろうかとか、いろいろ気にはなりましたが、失礼に当たると思い、根掘り葉掘り聞くのは遠慮しました。

 

最後にその眼科医がぽつりと漏らしていたのが、

「手術を止めてストレスが無くなり、気が楽になりました。」

なんだか、分かる気がします。

 

今時、白内障手術をしたら視力が良くなるのが当たり前と思われがちですが、手術手技そのものに問題が無くても、稀には失明するような合併症の可能性はありますし、実際にそんなことが起きたら、開業医としては致命的でしょう。

 

その割には手術の診療報酬は決して高くないので、現状で手術機器や手術室の投資に見合っているのか、はなはだ疑問。

 

それでも手術を続けている理由。

一番は緑内障手術を請け負ってくれる施設が近隣にはなく、自分の施設でやらざるを得ないから、手術室を維持する以上、白内障手術もやらざるを得ない。

白内障手術にしても、近くにやってる大病院はあるけど、本当に安心してお願いできる施設は、かなり遠方になってしまうし。

 

でも、これ以上、白内障手術の診療報酬が下がるようなら、赤字覚悟になるし、そうなったらうちの施設も手術から全面撤退せざるを得ないでしょう。

財務省の嘘つき官僚どもは「開業医はやたら儲けてる」とか「眼科の診療報酬は高過ぎ」とかわめいてるみたいですから。

 

とは言え、撤退になればなったで、今よりもストレスの少ない生活が待っているわけで、それはそれでよいのかもしれません。

 

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