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先週の手術日、一人の男性の白内障手術中、その事件は起きました。
前嚢切開までは何も起きなかったのですが、超音波での核処理を始めた途端、瞳孔が小さくなり、虹彩が風の日の旗のようにパタパタと落ち着きない様相。
一度は超音波のチップに虹彩がかんでしまいました。
とっさにフットスィッチを緩めてことなきを得ましたが、手術が終わるまでは、いささか苦労しました。
手術後、気になってカルテを見てみると・・・
予想通り、その男性は前立腺肥大の治療薬であるα1-ブロッカーを内服していました。
今回、起きた出来事、「術中虹彩緊張低下症候群(IFIS: Intraoperative Floppy Iris Syndrome)」として、最近、話題になっています。
「見る見るうちに縮瞳(瞳孔が小さくなること)してきて、手術をしている手が震えた。」なんて噂話を聞いたことも。
でも、そんな恐怖の記憶は無かったので、私はIFISに当たったことが無いと思っていました。
ところが、先週の患者さんがIFISらしいと分かって、これまでにも似たような経験をしているけど、あまり深く考えず「なんか、やりにくかったなぁ・・・」程度で過ぎていたことに気付いたのです。
さて、その患者さん、実は今週、もう片眼の手術をしました。
IFISと気付く前は、同じようなことが起きても、大して気にも留めずに反対眼の手術に臨めたのに、いったん、それと分かった途端、手術が終わるまでは妙に緊張して・・・
さらに注意を払っていたので、今回は虹彩をかむこともなく、無事に終えることは出来たのでよかったのですが。
知識が増えるのも良し悪しかな。
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