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病院勤務していた頃、逆まつげを抜くためだけに受診している患者さんがいて、前任者から引き継いだ関係で担当していました。ただ、病診連携という点から、まったく重篤でもない症例を病院で診ていくのは本筋ではないので、開業医の先生のところに通院してもらうよう話しました。ところが、この患者さん、なんだかんだ理由をつけて逆紹介を断りましたので、私も根負けして逆紹介は諦め、そのかわり担当患者さんが少ない部下の先生に診てもらうことにしました。すると、その患者さん、二度と受診しなくなりました。
結局、その患者さんは単に公立病院の部長医師に診てもらいたかっただけだったんですね。でも私自身、逆まつげを抜くことに熟練していたわけではないし、場合によっては若い先生が長年逆まつげの研究をしていて、じつは“日本 頑固な逆まつげ対策 協議会”(略称:NGK〜大阪難波に本部を置く)の認定医だったりすることもあるんですけど、そんなことは関係ないんでしょうね。
さて、私の記憶違いでなかったら、かつて病院では逆まつげを抜いても料金は取れないことになっていました。これは、『逆まつげごとき』で勤務医が患者さんを病院に通わせるのはケシカランということで、お役人様が決めたことです。
でも、逆まつげを抜くことに生き甲斐を感じる眼科医なんていませんし、勤務医の立場では収益が上がっても通常は給料に反映されるはずもなく、手間ひまかかる逆まつげ抜きなんてやらずに済んだら、その方がいいに決まっているんです。ただ、最初に例に挙げたみたいな、ある種我儘な患者さんが『逆まつげごとき』で病院に来てしまうんですね。だから、逆まつげの患者さんを開業医に誘導したかったら、病院での睫毛抜き、1本1万円しかも全額自費ってことにすれば効果てきめんなんです。
だいたい、お役人様は医者はすべからく儲けたい一心で不必要に通院を強要する、不要な薬を出すという、根拠のない思い込みを捨てようとしません。診療報酬改訂のたびに、その思い込みで頓珍漢な制度を導入するから、次の改訂で引っ込める。毎回のように同じ過ちを犯している。
ブログを書いてみえる先生の中にも、お役人様は夜遅くまで一生懸命やってるんだと言われる方もいらっしゃいますが、どうも診療報酬をみてると一生懸命やってもあれじゃーねーと言わざるを得ません。
「医者は結果責任を問うなと言ってるじゃないか!」と反論されるかもしれないけど、現場の医師達は改訂された瞬間に結果が見えているわけんなんで・・・、ね〜。
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