・神戸・明石の「旅」で読めたのが、『医学・医療の品格』(久道茂。薬事日報新書。2006年)です。私は、この著者は、医学判断学で知っていました。大学教授退官後は、病院事業管理者となり、『病院経営ことはじめ』(医学書院。2004年)という本を書いておられました。著者は、藤原正彦氏の『国家の品格』を読んだあと、「貯めていたメモを見ながら気も急くままに一気に書き上げたもの」だそうです。内容は10章に別れていますが、その中のひとつひとつの項目が短くまとめられており、読みやすい本でしたし、私の知らない言葉も結構あって、勉強になりました。私の評価の、優良可でいえば、良でしょうか。
内容
第1章 世界一の平均寿命と医療の質
第2章 医療人・患者の品格
第3章 ランキング主義が人心を惑わす
第4章 病院経営と市場経済主義
第5章 患者中心主義の行く末
第6章 病院は「女男共同参画社会」
第7章 大学医学部・附属病院の役割ー教育と研究ー
第8章 科学性と倫理性
第9章 なぜ医師不足が解消されないか
第10章 医学・医療・病院の品格
・私が読んでいて、面白かった言葉を挙げてみます。
学歴ロンダリング:これは、マネー・ロンダリングのパロディーでしょうかね。大学の卒業生が、自分の大学の大学院でなく、より格上と見られている大学院に入学する傾向があること・・・最終学歴の改造ではないかということ
偏差値エリート医師:これは、よく(?)言われている言葉と思います。
患者の品格・住民の品格:問題患者や、問題地域住民のことがかかれていました。「医師に成り立ての若い医師が地域医療に貢献しようと意欲に燃えて地方に赴任しても、さまざまな思いを抱いて意欲を失い、もういやだ、となることが少なくないのです。」
論文のサラミ化:「論文数を増やすために、研究成果をサラミ・ソーセージの薄切りのように、一編で済みそうな論文を数編に分けて書く」ことだそうです。こういうの、時々見ますね。
書くか負けるか症候群:英語のPublish or perish syndromeの訳ですね。この言葉は、英語の雑誌で見かけたことがあります。英語は、最初のPと最後のishの発音が韻を踏んでいて面白いのですが、日本語にすると全然面白くないですね。それは、さておき、この「症候群」は、インパクトファクターの高い雑誌に論文を書きまくる、そうしないと教授選に負けるということですね。特に臨床の研究者が、基礎的な研究発表ばかりしてファクターの点数稼ぎをするのを、皮肉っているようです。
医療機関にとって赤字とは:赤字とは、そもそも何か、この本で議論されています。とっても大事なことだと思います。赤字の定義をはっきりさせないと、医療機関の経営を議論する時、混乱の元となります。
ナイチンゲールの誓い:私は、当然ナイチンゲールが作ったものと思っておりましたが、これは、「1894年にアメリカのファランド看護学校の看護委員会がヒポクラテスの誓いを基に作成といわれ」と、この本に書いておりました。
お患者様:「ポピュリズムやがて悲しき「患者様」」という項に続いて「お患者さま」という項があります。著者のヘンな夢の話です。
患者は顧客か:こういう項の中に、「患者は病院に行きたくて行くのではありません。行かざるを得ない状況になって渋々いくのです。買い物をしたくてデパートに行くとか、オペラを鑑賞にいくのとは違うのです。」とありました。
マルチボスシステム:本来組織はワンボスシステムが望ましいのに、病院の看護師さんはマルチボスシステムですね。そう、言われりゃ、そうだと、あらためて認識しました。
FD:Faculty Development=教育者のための教育向上:「近年、教育者のための教育が必須だといわれ」と書かれています。近年というのは、いつごろからでしょうか?私が、研修医を指導するようになってから、そう認識したのですが、日本の医学部の教員はいつごろからそう認識しだしたのでしょう?
二重遮蔽法:二重盲験法が、差別用語ということで、こういうようになったそうな。
同僚に知らせる責務:ここでは、ある治験をしていて有害と分かった時点で、治験を中止する。それだけでなく、そのことを知った医師は、他の医師に知らせて同様な行為をやめさせる責務があるということです。この言葉が何処から、出てきたか知りませんが、私の、このブログを書いている問題意識も、ある意味同僚(or 国民)に知らせる責務があると思って書いております。
若い医師に対する地域住民の暖かい対応:「医師不足解消策のいろいろ」と言う項で、著者が思いつくままに色々な医師不足解消法を書かれています。このこともその一つ。「研修のために休暇をとることや、たまには夏休みを取れるくらいの理解を示すことが必要でしょう」この文では、「誰が」理解を示すのか主語が書かれていませんが、患者・住民ではないかと思います。もしくは、若い医師のボスや病院管理者かもしれませんが。でも、これは、別に若い医師に限らず、全ての医師に言えることだと思います。私は、休む時には、患者さんに堂々といいます。そして、何か言われたら、医師も休まないといけないor学会で勉強しないといけないと、きちんと説明をして患者さんの理解を得ようとします。
長くなりました。今日は、ここまで。これから、風呂入って、ビール飲んで寝ます。
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・昨年出版された『皮膚科診療プラクティス 20. Environmental Dermatology 環境・職業からみた皮膚疾患』(戸倉新樹,他編集.文光堂.2007年4月)という本に,職業性・環境性皮膚疾患として,以下のようにまとめられていました.
1)接触性皮膚炎
a)一次刺激性接触性皮膚炎から化学熱傷
b)アレルギー性接触性皮膚炎
2)紫外線障害
a)生理的障害
ⅰ)急性紫外線障害:サンバーン,サンタン
ⅱ)慢性紫外線障害:光老化,光発癌
3)座瘡
a)オイルアクネ
b)クロールアクネ
c)タールアクネ
4)色素異常
a)色素脱失
b)色素沈着
5)放射線皮膚炎
a)急性放射線皮膚炎
b)慢性放射線皮膚炎
6)タール・ピッチ皮膚症
7)砒素皮膚症
8)熱傷
9)凍傷
10)皮膚癌
11)皮膚循環障害
12)感染症,虫刺症
13)化学物質過敏症
*当院では、玉南医懇と言って、当院の医師と玉島地域南部の開業医さんと勉強会を月1回開いています。たぶん20年以上続いているでしょう。本日は、新年と夏の年2回のうちの夏の飲み会でした。ということで、本日は、酔っぱらっているので、ここまで。と、言いながら一言のみ追加。化学物質過敏症が、この一覧表に載っているのは、ある意味感慨深いです。なかなか、化学物質過敏症という疾患が、疾患単位としてみとめられていませんでしたから...(今も、なかなか認められていない雰囲気もありますが)
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・8/18祖母の49日のため、前日の8/17実家の明石へ帰っておりました。帰る前に神戸まで足をのばしました。まずは、ジュンク堂へ。この2日で2冊本が読めたので、「2冊は買ってもいいよね」と自分に言い聞かせながら行ったのですが、意志の弱い私は、3冊買ってしまいました。(どんどん、読まない本がたまってしまう(;_q*))買った本は、『小林多喜二名作集「近代日本の貧困」』(祥伝社新書。2008.8.5)・・・やっぱりブームなのね。『チョムスキー入門 生成文法の謎を解く』(町田健。光文社新書。2006)・・・いわゆるactivistでない、学者としてのチョムスキーを知りたかった。『革命戦争回顧録』(チェ・ゲバラ。平岡緑訳。中公文庫。2008年2月25日)・・・何故、これを買ったかは、以下の段落につづく。
・神戸まで行く電車の中で『反米大陸』(伊藤千尋。集英社新書。2007年12月19日)を読みました。(私のすむ鴨方から三宮まで、鈍行、それも赤穂線→新快速で行ったので十分時間アリ)おもしろいっ!という表現は、いささか不謹慎かも。驚愕というべきか。たぶん多くの日本人は、この中に書かれていることを、あまり知らないと思います。なぜなら、ほとんど報道されないから...私は、断片的にしか知らなかった事実が、この本で、整理され、知識がつながっていきました。それは、さておき、この本はアメリカがいかに中南米の人民に(およびアメリカ先住民に、そして、じつは、アメリカ市民に)あくどいことをしてきたかを書いています。日米軍事同盟を結んでいる日本国民は、必読の書だと思います。
・この本の出だしが、9・11のことを書いていますが、この著者の問題意識と私の問題意識はぴったり重なります。「9・11といえば、アメリカ人は二〇〇一年のテロのことしか頭にないが、南米チリの人々は一九七三年のこの日を思い起こす」という出だしで始まっています。チリの1973年9月11日は、合法的に選出された政府を軍事クーデーターでひっくり返し、知っている人はしっているピノチェトの軍事独裁が長期続きました。これを裏で糸をひいていたのが、アメリカです。この本の中では、アメリカ(正確には、その支配層、資本家)がいかに自分の利益のために、極悪非道なことをしてきたかが、書かれています。身も凍る思いです。
・ひとつ、ご紹介:「米軍アメリカ学校」について。これは、アメリカの国内にある軍事学校で、中南米の軍人を集めて教育しているところです。「一般的な」(というのが、わたしには良くわかりませんが)軍事教育のみでなく、拷問の仕方、暗殺の仕方、クーデターの起こし方等教育しているそうです。実際そこの「卒業生」が中南米で、それらのことを「実践」しております。ひとつ、この本から引用を。
敵として取り締まるのは、自国の「デモやストを行う者、及びその共感者」や「政府が国民の基本的な必要性を満たせなかったことを非難する国民」である。ベトナム戦争の際に、ベトナム解放民族戦線の捕虜に対して行った拷問のビデオを上映しながら、アメリカ人の医者が人間の神経系統の図を示し、体のどこをどう責めれば効き目があるのか、などを説明する。
医師も拷問に関与しているのです。話は、それていきますが、LancetやBMJは医師の拷問への関わりの記事をいくつも載せています。それに引き換え、日本の医学雑誌・・・何を代表にしましょうか、内科学会雑誌や医師会雑誌・・・に、拷問のことについて(事実でなく、それに反対する立場)の記事が載っているのを見たことがありません。もし、あったら(皮肉ではなく)是非、教えてほしいと思います。たぶん、日本は731部隊で代表される、戦時中の医学犯罪を総括できていないから、そういう記事もかけないのではないかと思ってしまいます。もしくは、権力に弱いか。こんなことを書くのは、日米軍事同盟を結んでいる日本は、そして、日本の医師は、拷問に関与する可能性があるからです。杞憂と思わないで下さい、だって、そういうように有事立法が整えられていっているのですから・・・米軍アメリカ学校ですが、ひょっとして、日本の自衛隊もこういった学校で訓練をうけているかもしれません。なんせ、同盟国ですから。
・ちょっと、笑えた話も、ありました。アメリカは、キューバのカストロを何べんも暗殺しようとしたとのこと。(キューバ政府が摘発しただけで、638件)どうしても、殺せないとなると、せめてカストロの威厳を落とそうと、あご鬚が抜け落ちる薬を食事にまぜるという、計画すらあったそうです。(ホンマかいな?)ちなみに、アメリカは、「合法的に」大統領が、他国の人間の暗殺を認める国ですから。
・この本の中で、キューバ革命のことがでていました。キューバ革命は、モンカダ兵営を165人の若者が襲撃したことからはじまる・・・一応これは、知っていました。失敗したことも。でも、その計画が、こんなに無謀というか、「お粗末」とは思いませんでした。そりゃ、失敗するわな、という内容でした。しかし、その後革命は成功するのですね。その細かい経過は、この本には載っていないので、キューバ革命の本を読みたいと思いました・・・ジュンク堂をあるいていると、チェ・ゲバラの文庫本が4冊目につきました。これも「情報の縁」と思い、少しの迷いがあったものの購入となった次第。(ゲバラ生誕80年だそうです)
・この本、多くの日本人に読んでほしいですね。
この本を読み終わったら、アメリカの会社のバナナを食べる気がなくなるかもしれません。
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・『何々のうそ』といったタイトルの本が,何冊か出回ってます.『社会調査のウソ』『環境問題のウソ』といった本は読みました.その流れでこの『学者のウソ』(掛谷英紀.ソフトバンク新書.2007年2月)を読みました.結論から言うと,一読に値するというものです.一番興味深いのは,「言論責任保証」というものを提案しているところです.私は,マスコミ/言論人が,色々いうけど責任とってないじゃないと,思っておりましたが,この著者も同様の問題意識で,如何に自分の言説に責任をとるか,そのシステムを提案しているところに,他の『~~のウソ』との違いがあると思います.ただ,何かそのシステムが難しそうで,ちょっとここでは,説明ようしません.原著読んでください.それと,この著者が中心となって運営しているNPO 言論責任保証協会のWebsiteもご参照を.
・さて,この本の中で「エリート」について述べている所があります.「4 既得権益としての学歴エリート」といった項で,そもそも高度な仕事とは何かについて論じられています.五つの職業:医者,弁護士,看護婦,介護士,保母を代表として,この中で高度な仕事は何かと問題提起しています.途中の議論の展開は,原著を読んで貰うこととして,結論は,「ロボットやコンピューターなどの自動機械や人工知能でその仕事をさせることの難易度を物差しとする方法」がある.「医師や弁護士の仕事で要求される能力は記憶力と論理的推論の能力である.こういった作業は,言語化,記号化,数値化が簡単である.」途中略して,「内科医の場合,どの薬を処方するかを決めるのが主な仕事であるから,とりうる選択肢はある程度絞られる.そういった仕事は人工知能に覚えさせるのは比較的楽である.」・・・著者は,医師の仕事(弁護士も同様に述べていますが)は,コンピューターで代替できるから,高度な仕事ではないと言いたいようです.この部分医師側(弁護士側も)からは,いろんな側面から反論がでてくると思います.まず,大前提(と思われる)「医師や弁護士の仕事で要求される能力は記憶力と論理的推論の能力である」というところから,議論がわき起こるし,内科医の仕事が薬を処方するのが主な仕事というのも,いろんな議論が起こると思われます.私は,ちょっと人のふんどしで相撲を取ろうと思います.医師は,論理・推論のみしているのでなく,以下のようなことを患者・国民から期待されていると思われます,というものです.(以下の引用は,直接的な反論というのでなく,医師というものは,多面的な役割があると言うことをいうための一つの例示とお考えください)
五つのモデル・イメージ:『21世紀プライマリ・ケア序説』(伴信太郎.プリメド社.2001年)より
1.魔法使い
権威づけをして,上下関係をつくりあげるようないろいろな状況,装置をつくりあげる.その典型が「知らしむべからず依らしむべし」という態度である.この魔法使い的なイメージは今も医師の底流に流れている.
2.学者
西洋では12~13世紀から,日本では鎌倉時代から学者モデルの医師が登場する.そのころは大した医療技術はなく,むしろ高等教育機関で哲学,天文学などを学んだ知識階級としての医師で,伝承された正当な知識をもった物知りというイメージである.
3.科学者
科学者は,個別性を捨象し,普遍的な要素に焦点を当ててアプローチしようとする.科学者として象徴的なのが,研究をして博士論文を書くということと,白衣を着るという習慣である.白衣は科学的な研究に従事するときの実験着に由来する.このモデルでは,現場の医療に求められる対人間関係にはあまり注意が払われない.科学者モデルでは,患者は客観的に観察される対象になっている.
4.技術者
人間の身体を機械的モデルでとらえ,画一化して,さらには分業して効率的に取り扱おうというものが技術者モデルである.技術者モデルによるアプローチでも,個々の患者の個性は捨象されている.技術者は,自分のもっている知識,技術で対象をコントロールし,また自分が確実にコントロールできる対象以外は「自分の専門でないから」ということで,ほかで診てもらってくださいということになる.
5.援助者
患者さんとコミュニケーションをとりながら,患者さんの問題を感知し,それをいろいろな専門家といっしょに解決しようという問題解決志向.その基本は,まず相手を対等な人間として認めることである.そして,自らの健康に関する決定権はあくまでも患者さん自身にあり,医師はそれをサポートするという立場である.援助的コミュニケーションでは,説明や説得よりも傾聴が重視される.援助者は,患う人と共感することによって,同じような体験ができ,それによって援助者自身も成長する機会が与えられる.
*私は,医師に必要な中核的な能力は,コミュニケーション能力だと思っています.そして,不測自体対応能力が,それに加われば,「言うことナーシ」と思っています.特に,不測自体対応能力は,日々積み上げていくものだと思います.
不測自体に対応するためには,情報を収集し,評価し,発信し,他の人・組織をコーディネートしなければなりませんから,総合的な力量が必要と考えます.
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・私は,今まで11件過労死の労災認定/損害賠償の意見書を書いてきました.1件はまだ結論が出ていませんが,9件認められて1件のみ認められていません.とっても残念なことに過労死は減っているように思えません→労災の申請数も当分減ることがないでしょう.で,労災申請する場合医師の意見書が必要ですが,その意見書を書く医者が少ないのです.(だから,大阪の弁護士さんが岡山の片田舎の玉島まで,意見書作成の依頼に来られるのでしょう)過労死問題に関わり,少しでも,その意見書を書く医師が増えて欲しいと思うのです.ただ,意見書を書いても良いな/書きたいなと思っても,いったいどのように書けばいいのか分からないお医者さんがいることと思います.そこで,私の経験から,過労死意見書の書き方をこのブログで紹介しようと思います.標題が,過労死意見書となっていますが,基本的にどの業務上疾病の意見書にも応用可能と思います.
・そもそも意見書は誰に向かってかくものか?
裁判なら,裁判官に,最初の労災申請は,監督署長に,不服申請は,労働保険審査官に対して書くものです.つまり,医師以外の「素人」に医学的な意見を述べることになります.ですから,極力分かりやすい言葉で書くべきです.(「偉い」先生=被告側,の意見書をみていると,難しい言葉を並べて,英語の文献なんか引用していますが,私から言わせると,けむにまいてるだけですね)
・意見書の構成
1.はじめに
2.本文
3.おわりに
4.補足事項
簡単に言ってしまえば,これだけの構成です.本文については,後ほど細かく説明します.
・はじめに
この部分は,誰の意見書をどういう経過で,自分が書くことになったかを記載します.
例文をあげます.(実際に私が書いた文章を若干かえた形で載せます)
**タクシー株式会社にタクシー運転手として勤務していたJohn Doe氏(19**年(昭和**年)**月**日生,死亡時年齢**歳)は,19**年(平成*年)*月*日午前*時頃,心筋梗塞で死亡された.遺族は,死亡の原因が長時間の深夜にわたる労働によるものとして,労災申請を**労働基準監督署へ行ったが業務外との判定であった.遺族はそれを不服として審査請求を行ったが,棄却され,また,再審査請求も行ったが,それも棄却された.遺族はその処分の取り消しを求めて岡山地方裁判所へ業務上と認めるよう行政訴訟を行った.それが,本件であるが,私は原告代理人の****弁護士より,医学的意見を求められたので,以下与えられた情報より,意見を述べたい.
・おわりに
これは,サマリーにあたります.結論は,被災労働者の死亡が業務によるものであり,業務上疾病と認めるべきであるという意見になります.
例文をあげます
John Doe氏の場合,心筋梗塞のリスクファクターが複数みられた.しかし,それらがあるから即,業務起因性がないとは,言えない.心筋梗塞自体,また,そのリスクファクターへ,業務がいかに影響したかを考察すること無しに,業務上外の判断はすべきでないと考える.
・リスクファクターのことのみに関して言えば,次のようになる.高血圧は,あったとしても,軽症高血圧であったし,死亡前約4ヶ月間はまったく正常であった.糖尿病に関しては,罹病期間が,長く見積もっても2年2ヶ月であり,それのみで心筋梗塞を発症するような状態ではないと考えられる.肥満はあったが,高度ではない.高脂血症はあり,喫煙は20本/日.複数のリスクファクターはあったわけであり,虚血性心疾患のリスクは,高かったであろう.
・問題は,リスクファクターへの労働の影響である.John Doe氏の場合,長時間,不規則なタクシー運転労働が,心筋梗塞のリスクファクターである,糖尿病,高脂血症の悪化をもたらしたのではないかと,考えられる.また,John Doe氏が過労状態であったことは,ほとんど常に訴えている,頭重感や,倦怠感,不眠等により明らかである.加えて,企業に於ける健康管理も十分であっったとは言えない.(健診後の事後処置=勤務形態の考慮等がされていない)
・結論:John Doe氏は,それまでは昼間勤務であったところ,**タクシーに就職した昭和**年*月から死亡する平成*年*月まで深夜を含む連続長時間のタクシー運転業務に従事した.かかる労働が高脂血症・糖尿病を悪化させ,喫煙,肥満といった危険因子に加わり,John Doe氏の動脈硬化を自然的経過を超えて悪化させたていたと思われる.このような条件の下で,タクシー内で仮眠中にヒーターが切れて,寒冷曝露をうけるといった突発的な事態が引き金となり,心筋梗塞を発症し,死亡されたと考えられる.
*「はじめに」と「おわりに」の例文は,一つの意見書からとったモノです.車庫に止めていたタクシー内で,死亡しているところがみつかった方です.糖尿病,高脂血症,喫煙のリスクファクターがありましたが,裁判で業務上と認められた事例です.(地裁は敗訴,高裁で逆転勝訴)
・補足事項
引用文献をかきます.弁護士さんや裁判官は英語が苦手みたい(偏見???)なので,引用文献は,できるだけ日本語に.英語文献の引用なら,最低必要部分を和訳しなければなりません.当然のことですが,自分の書いたことには,必ず裏付けとなる文献をつけます.単に自分の経験にとどまるような叙述は極力さけるべきと考えます.(「えらい」先生が,思い込み,独断で事実と違うことを意見書に書かれていたことを複数回経験しております)
また,最後に自分の略歴を書きます.個人的には,好かんのですが,肩書きや経験,所属学会等あげて自分がこの意見書を書くに値するものであるというアピールとなるものです.(裁判では,意見書を書く医師に対し,相手側弁護士が,意見を書くに値しない医師だとこきおろしてくることがあります)
・長くなったので,今日はここまでとします.
to be continued.
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・昨日,うちの理事長と私,近々ご近所で開業されるM Dr.とお食事会をしました.そのDr.はアメリカに数年留学され研究,何と『生理学展望』を書いたWilliam F. Ganongの最後の弟子だったそうです.それに関していくつか良い話をききましたが,次にその一つをご紹介
:最後の実験でデータ出たものの,その解釈がわからず論文にならず,そのままになって日本に帰ってきたそうです.10年後隣の教室のプロフェッサーから手紙が来て,あのデータの意味が分かった,論文にしたいから名前をpaperへ載せて良いか(first authorで)というものだったそうです.いろんな意味で「すごい」ですね.特に解説を加えませんが,各自その余韻を味わってください.また,留学から帰るとき,何故日本に帰るんだ?ここでの生活はhappyじゃなかったのか?と聞かれ,happyだとこたえると,じゃあ何故日本に帰る?と言われたそうです.アメリカ人の感覚ってこんなモンでしょうか.おもしろですね.
・さて,標題の筋肉痛には,尿検査,CPK,Cr,BUNというのは,すぐお分かりになると思いますが,横紋筋融解症のことです.うちの理事長は腎・透析専門,開業されるM Dr.も透析をやっておられて,横紋筋融解症→腎不全の話に「花が咲きました」.一つは,おばあさんが,階段あがっていて尻餅をついた,それだけで横紋筋融解症→腎不全になった話.理事長は,長時間の山歩きで非乏尿性腎不全になった人の話,そして,強力さんのはなし:白馬の山頂に50貫の石があるそうで,それを一人の強力さんがチャレンジして運んだそうです.その人は,2日後血尿を出して死んだそうです.「ありゃ,横紋筋融解症から急性腎不全になったんじゃろう」ということです.(うちの理事長は,岡山弁丸出しの人です)面白かったのは,M Dr.の経験です.若者が久々に運動したら,ひどい筋肉痛でCPKが異常に上昇した.あまりにも例がないので筋肉生検したが,異常がなかったとのこと.その時は分からなかったが,あとからある種の酵素の欠損だったそうで,日本で10家系くらいあるそうです.また,遺伝子はどうか分からなかったが,似たような若者(久々の運動後の筋肉痛,CPK↑↑↑)がいたそうです. →これらの教訓.筋肉痛を訴えてきたひとには,尿検査で潜血の有無をチェックし,CPKの上昇のみでなく,腎不全がないかCr,BUNをチェックしましょうと言うことです.(血中,尿中ミオグロブリンも当然するべきでしょうが、たぶん外注ですぐ結果がでないのでは...)
新田次郎の「強力伝」読んでみようかな。
・・・なお,懇親会での話で,わたしも結構酔っていたので,細かいところは,正確ではないかもしれません.M先生,このブログ見ておられたら,間違ったところ訂正してください.
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・そもそも私がこのブログを立ち上げた訳は,今の臨床医学で職業・環境性疾患がしばしば見逃されているというか,考慮に入れられていないことに問題意識を感じたからです.最近の臨床医学の「失敗」は,何といってもアスベスト問題でしょう.ここで「失敗」というのは,きちんと職業・環境性疾患としてアスベスト関連疾患が診断されなかったこと.きちっと補償に結びつけられなかったこと,再発を予防できなかった事等をいいます.
・今日のブログの記事は,日常診療の一般的な外来での,職業・環境性疾患とのfirst contactのあり様/種類についてです.まとまった記事でなく,思考過程のメモとお考えください.
1.外来初診時
(1)腹痛とか,頭痛,発熱といった訴えをもって患者さんが来られます.当然,職業・環境性疾患もあれば,そうで無い場合もあります.ですから,その症状の原因疾患の鑑別診断を考えるときは,以前書きましたように,①良くある疾患②見落としたら大変な疾患③職業・環境性疾患を考えないといけません.
(2)職業・環境性疾患を鑑別診断に挙げるためには,問診で,職業や労働環境を聴く必要があります.唐突ですが,『感染症外来の事件簿』(岩田健太郎.医学書院.2006年)に外来ヒストリー・リストというのが載っております.
①既往歴②手術歴③家族歴④職業⑤家族構成⑥家屋の構造,住宅,職場(学校)周辺の環境⑦常用薬⑧アレルギー⑨予防接種歴⑩喫煙歴⑪飲酒歴⑫旅行歴⑬ペット,その他の動物との接触(節足動物を含める)⑭子どもとの接触⑮シック・コンタクト(似たような症状の人間との接触)⑯性交渉⑰最近の外傷⑱その他(それぞれの場合.状況によって発生)
*赤字の部分が,特に,職業・環境性疾患にかかわるところ
上のリストは,本当に聴くこといっぱいですね.でも,外来で待っている間に問診票に書いて貰うと結構時間を省けますね.
で,職業の問診の仕方を割と簡便にできるようにしておく必要があると思います.具体的な問診の仕方は,後日述べたいと思います.
(3)外来受診される患者さんの場合,①自分の症状を職業・環境と結びつけていない人,②ひょっとしたら関係あるかも,と考えている人,③明らかに仕事と関係ある(→労災申請希望)といったひとに分類できると思います.いずれにしろ,「自分の症状は,仕事・環境に関係すると思いますか?」といった質問が必要と考えます.③の患者さんは,ご本人が職業・環境性疾患と思い込んでいて,じつは,関係なかったりするので,鑑別疾患はしっかりしないといけないですね.
2.定期受診者(他疾患観察時)
外来で,職業・環境性疾患に接する第二の機会は,職業・環境と関係ない疾患をフォローしていて,たまたま職業・環境性疾患を見つける事があります.例えば,糖尿病でフォローしており,たまたま胸部レントゲン写真を撮ったら,塵肺があった,高血圧の患者さんが手のしびれを訴えるのでよくよく聴くと振動工具を使用していた(振動病)と,いったことです.この場合,患者さんと相談し,疾患を詰めて行って必要な処置を行う必要があると思います.(塵肺なら管理区分をとるとか,振動病なら振動工具を使わない職場に配置転換してもらうとか)
以上述べたようなシチュエーションで,臨床医が的確に対応できるよう教育・訓練が必要と考えます.
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・当院では,現在職員全員で社会保障の学習中.一つのテキストを4回に分けて学習しています.先日講師のS Dr.が『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果著.岩波新書.2008年)を紹介されていたので,昨日・今日で読んでみました.内容は,本当に暗澹たるもの,そして,まさに日本がアメリカの後追いをしているというのを実感しました.
・貧困のために戦争に行かなければならない状況がリアルにでていました.日本人で州兵となりイラクへいった日本人へのインタビューが載っていました.その中で「アメリカ社会が僕から奪ったのは二十五条です.人間らしく生きのびるための生存権を失ったとき,九条の精神より目の前のパンに手が伸びるのは人間として当たり前ですよ.」まさに、憲法25条と9条はクルマの両輪という気がしました。そして、また、最近「丸山眞男をひっぱたきたい 希望は戦争」といった「論文」がでていることを思い出しました。
一九五〇年に創立され、全米に六万八〇〇〇人の会員を持つこの組織は、二〇〇六年一一月にワシントンDCで大規模な「製薬会社不介入キャンペーン」を開催し、市民の前で会員たちが製薬会社からの贈賄拒否宣言をした。
「製薬会社が使う広告費、販促費および医師への贈賄費用の合計は年間八億ドルで、中でも贈賄費用は医師一人につき一万ドルです。これにノーを言う医師を増やすこと、民営化された医療保険システムに反対する医師を増やし、政治家たちや一般市民に呼びかけていくことが、市場原理型医療制度にノーをつきつける一つの手段であると、私たちは信じています」
*アメリカでは、製薬会社から「指示された」薬を使うと「ボーナス」がでると、何かで読んだことがあります。
こういうことが、日本でもできたらなと思います。
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・以前、シアン中毒のところで、ちょこっとメトヘモグロビンが出てきたので、今回メトヘモグロビン血症のことを書きます。
・メトヘモグロビンとは、医学書院医学大辞典には,次の様な説明があります.
ヘモグロビンの2価のヘム鉄Fe2+が酸化されて三価鉄Fe3+になったもの.・・・二価鉄ヘモグロビンとは異なり, O2,CO,NOなどとの結合能を失っている.・・・
・メトヘモグロビン血症は,同辞典には,以下のように書かれています.
メトヘモグロビンが約15g/L以上に増加し,チアノーゼに始まり,呼吸困難,頭痛,めまいなどを呈する病態.遺伝性(常染色体劣性)と中毒性がある.遺伝性のものはNADHシトクロム還元酵素欠損による.中毒性は,過酸化物によるもので,亜硝酸ナトリウム,ニトログリセン,サルファ剤,ニトロベンゼンなど身近な薬剤が原因に挙げられる.
・職業・環境医学で問題になるのは、上で述べられている「中毒性」,即ち,さまざまな化学物質によるものです。UpToDateには、原因物質が以下のようにあげられています。
| Acetanilid | | p-Amino salicylic acid | | Aniline dyes | | Benzene derivatives | | Clofazimine | | Chlorates | | Chloroquine | | Dapsone | | Local anesthetic agents | | Benzocaine | | Lidocaine | | Prilocaine | | Menadione | | Metoclopramide | | Methylene blue* |
| | Naphthoquinone | | Naphthalene | | Nitrites | | Amyl nitrite | | Farryl nitrite | | Sodium nitrite | | Nitroglycerin | | Nitric oxide | | Nitrobenzene | | Paraquat | | Phenacetin | | Phenazopyridine | | Primaquine | | Resorcinol | | Sulfonamides |
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Haz-Mapには、以下のような説明があります。(英語が面倒な方は,読みとばして,治療のことが書いている方へ行ってください)
Methemoglobinemia is a sentinel health event (occupational) associated with exposure to aromatic amines and nitro compounds (aniline, TNT, nitroglycerin, toluidine, and nitrobenzene) and working in the explosive, dye, and rubber industries; [Mullan] Methemoglobin Concentration and Adverse Effects: 1 % = normal; 10-20% = chocolate brown central cyanosis; 20-45% = CNS depression; 45-55% = coma; [ATSDR Case Studies: Nitrate/Nitrite Toxicity] In some cases, methemoglobin-forming compounds cause denaturation of hemoglobin (Heinz bodies) followed by hemolytic anemia. It is not known why some individuals have methemoglobinemia and others experience hemolytic anemia after exposure to the same oxidants. [Sullivan, p. 376] Methemoglobinemia severe enough to require treatment is relatively rare in smoke inhalation victims. [Bizovi KE. Smoke Inhalation Among Firefighters. Occup Med. 1995 Oct-Dec;10(4):721-33.] Pulse oximetry cannot distinguish oxyhemoglobin from methemoglobin, and SpO2 is falsely elevated in methemoglobinemia. [Merck Manual, p. 370] Cyanosis becomes apparent when methemoglobinemia reaches 7-10%. Nitrates and nitrites also cause vasodilation with headache, tachycardia, hypotension, and syncope. Venous blood at the time of venipuncture appears brown-colored. Methylene blue is the antidote for patients who are not G6PD deficient and who have cardiorespiratory distress with methemoglobinemia >30%. Like CO, CN, and HS2 poisoning, methemoglobinemia is a form of chemical or systemic asphyxia. [AHLS, p. 97-99, 225] Drugs that may induce methemoglobinemia include benzocaine, lidocaine, prilocaine, chloroquine, dapsone, primaquine, sulfonamides, trimethoprim, phenazopyridine, phenacetin, and metoclopramide. [Olson, p. 262] Subacute methemoglobinemia, oxidative hemolysis, and Heinz body anemia may develop in susceptible individuals exposed to chemicals that can induce methemoglobinemia. Polycythemia may also be seen as a response to the chronic anoxia caused by the methemoglobinemia. Individuals with G6PD deficiency are susceptible to this disorder. [LaDou, p. 211] In vitro testing for potency showed the following: p-Dinitrobenzene > o-Dinitrobenzene > copper = nitrite >chlorite > chlorate. [See Hyperlink]
・酸化作用のある物質は、メトヘモグロビン血症か(and/or)溶血性貧血をおこすということですが、どうしてこの違いがでてくるのか、理由はよく分かっていないそうです。
・急性のメトヘモグロビン血症の治療は,OXFORD HANDBOOK OF OCCUPATIONAL HEALTHには以下のように書かれています.
Methylene blue(methylthioninium chloride) should be administered in a dose of 1-2mg/kgIV over 5 minutes. Repeated doses may be needed.
Methylene blue(methylthioninium chloride) should not be used if the methaemoglobinemia is due to chlorate poisoning as it may convert the chlorate to hypochlorite which is an even more tocis compound.
・『中毒百科改訂第2版』にも,次の様な記述があります.(130ページ)
「メチレンブルーは,赤血球のNADPHの存在下に,赤血球中のメトヘモグロビンを還元してヘモグロビンに戻す.NADPHは,前述のようにペントースリン酸経路のG-6-PDを介して産生されるから,G-6-PD欠損者にあってはメチレンブルーは効果を発揮しようがない.効果がないだけでなく,前述のようにメチレンブルーは細胞外ではメトヘモグロビン生成物質として働くから,メトヘモグロビン血症を増悪させるし,溶血を起こす.・・・・
塩素酸塩によるメトヘモグロビン血症には,メチレンブルーは効果がない.メチレンブルーは赤血球内のNADPH-還元酵素を介してその作用を発揮するが,塩素酸塩によるメトヘモグロビンは主に赤血球外のものだからである.しかも,塩素酸塩には,NADPH産生の元になる肝心のグルコース-6-リン酸脱水酵素を不活化してしまう作用もある.・・・」
・『今日の治療指針2008』には,「亜硝酸エステル類によるメトヘモグロビン血症に対して」(124ページ)という項目があり.「処方例 :メチレンブルー1%溶液 1-2mg/kgをゆっくり静注(市販製剤なし,試薬を院内調剤)」とあります.これを,そのまま,原因物質を考慮せず,何でもかんでもメトヘモグロビン血症に使用すると,悪化させる可能性があるということです.
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・本日朝8時前から、地域の草刈り。(お盆が近いので、「墓道」をきれいにする「行事」)先日購入した刈払機でさっそうと、草刈り。暑くて、草刈るより、座って休んでいる時間の方が長かったみたい。
・さて、この記事の標題は、ランセットの症例報告の標題を私なりに訳したものです。
Gardening can seriously damage your health
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673608608776/fulltext
健康だった47歳の男性が、庭に根覆いしたあとに、acute invasive aspergillosisになり死亡したという症例報告です。その最後のほうに、Acute aspergillosis after contact with decayed plant matter is rare, but may be considered an occupational hazard for gardenersとあります。枯葉や堆肥にaspergillusがいるんですね。(月桂樹の落ち葉の掃除していて、aspergillosisを発症した症例報告もあります)庭師(や、公園、森林の手入れをするひと)の職業性疾患の一つとして、aspergillosisを考えないといけないということです。また、職業曝露以外に、趣味の園芸での曝露、もしくは、わたしのように地域の草刈りによる曝露もAspergillosisの原因となりえるわけです。
・職業性疾患?の症例報告をも一つ、次に紹介しておきます。
Locally invasive pulmonary aspergillosis occurring in a gardener: an occupational hazard?
http://www.pubmedcentral.nih.gov/picrender.fcgi?artid=462010&blobtype=pdf
34歳の健康だった庭師の男性が、亡くなっています。
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