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・今回のブログの標題が、「製薬大企業」とありますが、以下は直接は医学研究者の問題です。ただ、利益相反をおこさせる「原動力」が製薬大企業なのです。  

・すこし古いですが、『医学と利益相反 アメリカから学ぶ』(三瀬朋子。弘文堂。平成19年12月30日)という本が出ています。これは、おもにアメリカの医学研究における利益相反について書かれています。この著者の博士論文を加筆修正したものということです。ちょっと、くどくてもう少し簡潔になってもよさそうですが、内容はOK。かなり勉強になります。企業の株をもっている医師(研究者)の利益相反や、Studyに登録する患者の紹介料なんて、わたしの想像もつかない問題でした。最初に、アメリカで医学研究の利益相反が問題となるきっかけとなったゲルシンガー事件は、そういえば何かで読んだような気がしますが、ひどい話です。私、IRB(Institutional Review Board・・・医学研究にかんする倫理委員会)って、結構機能してると信じてたのに。

・この本読まれていない人は、私が何を言っているかわからないと思います。一つだけ、この本から引用。医学研究における利益相反は、以下の四種類があるそうです。

①医師が医学研究と関係のある製薬企業やバイオ技術企業からの贈与を受ける

②同僚審査における利益相反的状況:ここでの「同僚審査」とは、バイオ医学研究の予算配分や、研究成果を雑誌などへ掲載することを認めるか否かの決定に、同業である医師および研究者が審査役として役割を果たす場合をさしている。ここで、自己の今日昇進や偏見が不当に審査に影響を与え、ひいては社会の利益を行うことが「利益相反」の一種(医学研究成果の社会的影響は甚大であるため、医学雑誌の同僚審査委員にとっては、「社会全体がいわば患者といえるのであり、彼らはその患者との間に信任関係にあり、それゆえに、審査過程においては社会の利益を第一にかんがえなければならない。」)

③製薬企業や医療機器メーカーから仕事上の旅行の費用や医療器具の贈与をうけること

④自己が経営または投資している医療機関へ患者をしょうかいすること

 

・最初に書きましたように、この本はおもには研究における利益相反の話です。ただ、ちょこっと実地医療の事も出ています。・・・製薬企業が臨床医に対し自社の製剤を処方してもらうことを目的に行う贈与や利益供与。・・・いろいろ論考がありますが、最後に以下のような文章で、わたしのこの本の紹介は終わります。

医療と製薬という専門分野は、新しい規制という脅威に直面しているが、その一因は、自らのメンバーに対する十分な自主規制を実施してこなかったことにある

 

・学会や医師会、医療機関も、利益相反がマスコミでやりだまにあがって、規制の法律ができるまえに、自浄しておいた方がよいと考えますが...

 

以下日記

・本日は、早朝に病院にいって、患者さんのカルテチェック。その後、労災の意見書をかいて、岡山市のコンベンションセンターというところに行きました。岡山県医師会主催の県民公開講座「日本の医療史ー特に入院施設の歴史ー」(日本医史学会理事長、順天堂大学名誉教授 酒井シズ先生)を聴きに行きました。しかし、とっても、腹立たしかったです。私は、単発でこの講演会があるのかとおもっていたら、ちょうどこの時期、全国有床診療所連絡協議会総会というのがあって、その記念公演だったんですね。それを県民公開講座としたわけです。で、時間が11時30分~12時50分だったのですが、11時30分になっても、先述の協議会の行事が長引いていて、はじまりません。結局始まったのが11時55分、終わりは予定通り、12時50分。25分も短縮。で、始まるまで会場で、「協議会」の議論をきいてました。私以外も、何人かこの講演のみ聴きに行っていた人がいます。医療関係者以外の一般の県民の人もいたと思います。まったくそういう人のこと考慮せず、時間を守らず、講演時間も短い。すっごく腹が立ちました。また、講師の先生にもとっても失礼だと思います。私が、運営担当なら、招待した講師の時間は絶対確保しますけどね。気持ちとしたら、岡山県医師会報に謝罪文を載せてもらいたいものです。

・ところで酒井シズ先生は、『病が語る日本史』 (講談社学術文庫)というのを書いていて、また、TVドラマにもなった「JIN-仁」の医学監修もされているひとです。それから、「戦争と医の倫理」の検証を進める会の顧問でもあられるんですね。

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