・昨日、薬屋さんと医師の関係に関してかきましたが、ちょっとその続きです。
・今まで何回かWolters Kluwer Healthから"UpToDate"の購読お勧めのダイレクト・メールが届いています。直近は、今年の1月です。もう5年以上前から購読しているのですが...多分、直接Websiteから申し込んだので、日本の法人のデータベースには私の名前が入っていないのでしょう。全世界ひとつのデータベースで顧客管理していないというのが想像されます。それは、さておき、その手紙の中に以下のような文言が、下線を引かれて書かれています。
極めて重要である編集権の独立性を保つため、製薬企業やその他の機関・団体から資金的援助や後援を受けることは一切ございません。
ということは、逆に、資金援助や講演をうければ、「編集権の独立性」が侵される可能性があるということですね。簡単に言ってしまえば、一杯薬剤メーカーの広告が載っている医学雑誌は、「気をつけろ」ということです。ちなみに一流と言われている、NEJMやLancetにも薬の広告は載っておりますね。
・さて、本日言いたいのは、こんな誰でも知っている(???)当たり前のことではなく、もう少し突っ込んだお話です。では、UpToDateは、本当に利益を追求する製薬メーカーや医療機器メーカーの影響をうけないのか?その可能性はありますね。なぜなら、Wolters Kluwer Healthという会社が私企業であり、また、いろんな関連会社を持っているからです。そしてまたWolters Kluwer Healthの親会社が、Wolters Kluwerであり、これは明らかに株式会社だからです。株式会社というものは、誰が何と言おうと利益追求が第一であり、また、昨今の大企業の経営陣のふるまいをみていると自分の利益を優先しているひとが、いる。UpToDateで、本当に本来up to dateで流されなければならない情報を4カ月遅らせて、自社or自分の株のもうけを得るとうことも考えられます。本来なら、こういう会社はNPOであるべきだと思います。
・余談ですが、下のようなUpToDateに関する説明の文章があります。この文章は、EBMで有名な名郷直樹先生が書かれていますが、現時点では間違いですね。UpToDateとは、何かという説明で、「米国の主要学会が共同制作するCD-ROM 版の教科書である」と書かれていますが、違いますよね。(ただし、この文章は、2001年に書かれており、その時点では、正しかったのかも・・・さすがに、そこまで検証する手間をかける気はありませんので、あしからず)本文全体は↓
・結論は、UpToDateといえども、企業の論理(もうけ)ははいる余地があり、その点気をつけてみないといけないこと。ついでに、思いっきり蛇足ですが、今の時点で正しい記述でも、後世まちがっていたと評価されることがあるので、どんな教科書でも、盲目的に信じないこと。
・まったく、余談ですが、オランダ(行政上)の企業統治規則
(Dutch Corporate Governance Code) ↓
http://www.commissiecorporategovernance.nl/page/downloads/DEC_2008_UK_Code_DEF__uk_.pdf
・さて、なぜ今回情報リテラシーという標題にトヨタをいれたか?分かる人にはすぐわかるでしょうし、分からない人にはさっぱり分からないでしょう。私の左腕の限界もあるので、単刀直入に。
・トヨタ車の不具合が現在報じられていますが、トヨタの不具合は遠い昔からあったわけです。ただ、それが、トヨタに金力や政治力があったから、メディアが大々的に取り上げなかっただけですね。たしかにトヨタの技術は評価できると思いますが、(ちなみに私の車はプリウスです)問題がないわけではない。問題があったが、それを力で封じ込んでいたか、もしくは、メディアが媚びていたかでしょうい。(今回の「不具合」がアメリカの陰謀であるといった論調もあるでしょうが...)
・別にトヨタが憎いわけではないですが、本当に社会的責任を果たしなさいと言いたいし、マスメディア(と言うよりもジャーナリズムか)もきちっとそのあたりを追求してほしいですね。
・情報リテラシーとの関連で言えば、本屋にいっぱい「トヨタ本」が並んでいますが、その情報源は、はとんどトヨタの広報部と考えとけばよいでしょう。(つまり、ちょうちん持ちか、自分の頭で考えないか)ちなみに、こう批判的に書いていますが、いま本箱をみたら、『トヨタの口ぐせ』『トヨタ生産方式と安全管理』『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』『トヨタのお父さん』というのがあります。(ちゃんと本を読んでこのブログを書いていますよというアピールです)これらは、トヨタを肯定的にとらえている本。トヨタに批判的な本は『あなたの知らないトヨタ』ですね。(あと、トヨタ本は、2冊はあったと思いますが、見つけるのめんどくさくて探してませんが)
・『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』という本の標題は、レトリックとしてうまいですね。大前提として、トヨタは人を育てているのが自明の理のようですから。この標題を批判するなら、本当にトヨタは人をそだてているにか?また、どのようにそだてているか?という切り口でしょうね。とくに、血も涙もなく不況になったら首を切って、住居も奪っても心が痛まない人間をそだてているかもしれません。また、気に入らなかったら広告費を削って、マスコミを恫喝人をそだてているかもしれませんよね。短く書くつもりで長く書いてしまいました。マスコミに書かれていないから問題ないと思ったら大間違いということです。マスコミは、何を報道するかは、その立場(たとえば広告主の立場)で取捨選択しています。それを知っていないと、安全神話を信じてしまいますね。