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2009.04.04 21:30 |  仕事 / 職場  |  その他(一般)  |  ミチバ  | 推薦数 : 3

共歓共苦・・・魯迅が近い

・私の勤める病院の会議室に「共歓共苦」と書かれた書が飾られています.私が赴任してもうすぐ9年ですが,どっかの(私の知らない)偉い人が書いたモノだろうなと,ボヤンと思っていました.最近それをかいた人が,内山完造という人だと知りました.(内村鑑三では,ありません,おなじキリスト者だけど)内山完造という人がどういう人かは,書けば長くなりますが,ごく簡単にご紹介.

岡山県の井原市生まれ,若くしてキリスト教に入信.上海で内山書店をひらく.その書店がサロンのようになって,谷崎潤一郎や林芙美子,尾崎秀美,魯迅等の交流の場になったそうです.魯迅との交遊が深く,魯迅の葬儀委員をつとめ,弔辞を読んだそうです.・・・彼は,戦前,戦後と日中友好促進に尽力した方だそうです.

・私の勤める医療生協の先輩方々は平和運動や日中友好に努力され,内山完造氏を講演によび,その後夜も懇談し,その時書いてもらったのが,『共歓共苦』という文字だったとのことです.はーっ,知らなんだ.共に歓び,共に苦しむ.この事は,家族,友人関係にも通じるし,生活協同組にも通じると思います.そしてその時代を考えるなら,日本・中国の人民もこうあって欲しいという願いではないかと思うのです.

 ・唐突に話は変わりますが,私研修医の時代に突発性難聴になったことがあります.その時治療していただいたのが岡山大学医学部耳鼻科の増田游先生です.その後,私の患者さんのIgA腎症の方を何人か診ていただいたことがあります.(Dr.なら腎疾患の患者さんを耳鼻科で診てもらう意味分かりますよね)現在も,私がもと勤めていた「総合病院」/臨床研修指定病院で診療されています.その先生のお父様が,何と中国文学者の増田渉だったのです.(以前のブログの小さい字で蔵書2万冊と書いたあの人です)この増田渉というひとは,直接魯迅の教えを乞い,文通もしていたそうです.そして何と角川文庫の『阿Q正伝』の翻訳者は,増田渉だったのです.(私、学生時代と医者になってから阿Q正伝2回読みましたが、角川文庫だったかどうか定かでありませんが...家の本棚探しても、見つからない)

・またまた話変わって,井上ひさしという作家がいます.とても有名ですが,何と私はこの人の作品を読んだことがありませんでした.(「ひょっこりひょうたん島」は好きでしたが...)この度,内山完造との関係で『シャンハイムーン』という戯曲を読んでみました.この内容は,amazonのWebsiteから,貼り付けさせてもらうと:

魯迅は、いまさら言うまでもなく、アジアを代表する世界的な文学者の一人です。たとえば、一九二七年、ノーベル賞選考委員会は上海へ特使を送ってきました。その年の文学賞を受けてくれるかどうか、魯迅の胸中を打診しにきたのです。ところが魯迅は、それから十年とは生きておりませんでした。そしてここに不思議は、彼の臨終に立ち会ったのが、彼の妻と弟のほかは、みんな日本人だったという事実です。日本を心底憎みながら日本人を心から愛した魯迅。それはこの魯迅とその妻と、彼の臨終に立ち会った四人の日本人の滑稽な、しかしなかなか感動的な物語です。

ということです.青字でかいた,四人の日本人の中に内山完造が入るわけです.この戯曲笑えて,また,ほろりとさせられます.上映されるなら見に行きたいです.それは,さておき,あと3名の日本人です.その中にお医者さんの須藤五百三(いおぞう)という人がいます.岡山県出身,私の母校岡山大学医学部の前身第三高等学校医学部卒業ということでした.シャンハイムーンの中で,「医は仁術」を体現しているような人に描かれていますが,実際のそのような方だったみたいです.ただ,残念なのは,この須藤医師が魯迅を「謀殺」したという説があるとのことです.詳しくは,

http://f18.aaa.livedoor.jp/~satoman/bichu_0312a.htm

 

を見てください.

・何はともあれ,この「共歓共苦」に込められた思いを何らかの形で引き継げればよいなと思うのでした。

 

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