・ハリソンの内科学書(HARRIOSN'S INTERNAL MEDICINE 17th editon)の腹痛(Abdominal Pain)のところに主要な腹痛の原因の表が載っています。大きく六つに分けて、それらがまた、細かく分けられています。以下にその六つを引用します。
1. Pain Originating in the Abdomen
(腹部からくる痛み)
2. Pain Referred from Extraabdominal Source
(腹部外からくる痛み)
3. Metabolic Causes
(代謝性疾患)
4. Neurologic/Psychiatric Cause
(神経/精神疾患)
5. Toxic Cause
(中毒)
6. Uncertain Mechanisms
(機序不明)
*カッコ内は私の意訳です
・さて、この中に職業・環境性疾患がどれだけ挙げられているかです。
Toxic Causesの中で第一にLead Poisonig(鉛中毒)が挙げられているのは、さすがです。次にInsect or animal envenomations(虫や動物が刺したり、噛んで毒を注入すること)とあって、Black widow spiders(クロゴケグモ)とSnake bitesがありました。
Uncertain Mechanismsの中に、Heat stroke(熱中症)がありました。確かに、熱中症の症状に腹痛がありますね。でも、ちょっと鑑別診断のリストに挙がってきません。やるな、ハリソンです。
で、もひとつ頭に入れておきたいのが、Metabolic Causesにあるangioneurotic edemaです。angioedema(血管浮腫)ともいいますね。同じハリソンのURTICARIA AND ANGIOEDEMAの項に、gastrointestinal involvement may present with abdominal colic, with or without nausea and vomiting, and may precipitate unnecessary surgical intervention.
この青字でかいた部分は、鉛中毒も同様だと思います。
血管浮腫で腹痛がくるというのは、どれだけの頻度があるか分かりませんが、頭に入れといた方がよいかも。
・今私の手元に『ER救急ハンドブック 改訂第2版』(益子邦洋・大塚敏文。INTER MEDICA.2006年6月20日2版第2刷。)という本があります。とてもコンパクトで分かりやすくまとめられているのですが、残念ながら腹痛の項に鉛中毒がありません。日本の医学書にも、腹痛の原因に鉛中毒をいれてほしいと思うものです。
∵ 中小企業の労働環境は、いまだ劣悪なところがある。大企業では起こりえない職業病も中小企業では起こりえる。また、グローバル化で、さまざまな国籍の労働者が日本で働くことになってきている=もともと自国で一定の鉛暴露があり、日本で発症する可能性がある。また、一般に外国人労働者の労働条件は劣悪=有害因子に暴露されやすい
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