・先日,マッサージで乳糜胸が起こった症例をご紹介しましたが,本日は,中皮腫で乳糜胸が起こった症例をご紹介します.(中皮腫は胸水,腫瘤影で見つかることが多いですが,以前気胸の原因ともなるという記事を書いたと思います.)
【症例】乳び胸を契機に発見されたびまん性悪性胸膜中皮腫の1例
伊東 真哉 高嶋 義光, 佐野 武尚, 石川 真也, 菅沼 秀基八木 健, 小林 淳, カレッド レシャード
日呼吸会誌, 39(10): 775-780, 2001
【著者抄録】患者は53 歳女性.1997 年検診で胸部異常影を指摘され当科を受診した.胸腔穿刺で乳び胸と診断された.悪性腫瘍の合併が疑われたが,本人の希望により約22 カ月間保存的に加療を行うも軽快せず.経過中に両側胸水および腹水も出現した.胸部CT で胸骨裏面に径約1 センチの結節を認め,リンパ管シンチで右側傍胸骨リンパ管の閉塞が疑われた.1999 年9 月胸腔鏡施行,前縦隔・横隔膜上に腫瘤を認め,一部を切除した.病理組織学的にびまん性悪性中皮腫と診断された.乳び胸の発生機序として,腫瘍の浸潤により胸管の閉塞が生じ,1)壁側胸膜で発達したリンパ側副路からの浸みだし,2)胸腔内の各所でリンパ管
の破綻が生じたことが示唆された.成人の乳び胸においては,つねに悪性疾患の合併を念頭に置き早期に積極的に胸腔鏡検査を考慮する必要がある.
・この患者さんの職業は印刷業とありました.明らかな粉塵(アスベスト)への曝露歴なしとも書かれておりました.
・私は,初めてこの論文で「乳糜腹水」ということを知りました・・・本当は,習っていたかもしれないけれど,すっかり忘れておったのでしょう.医学書院の医学大辞典には「乳糜性腹水」として以下の様な説明がありました.
腸管リンパ管から胸管に至る経路から腹腔内に乳糜が漏れ,白色の懸濁液状となった腹水.小児では先天性のリンパ管異常が多く,成人では悪性腫瘍による胸管の閉塞が多い.その他,糸状虫,結核,外傷,肝硬変,蛋白漏出性胃腸症などが原因となる.
・何はともあれ,乳糜胸をみたら,悪性疾患の検索が必要ですね.
・今日病院の全体朝礼で,ガザの問題を訴えました:何らかのactionを起こしましょうと.
LancetのWebsiteに,救急車に銃を向けるイスラエル兵士の写真が載っていました.
http://www.thelancet.com/home
コメント
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テロリストが救急車で脱出する可能性を考えたのでしょうか。
オバマ氏は苦しいところですね。自動車業界からは支援を受けていたらしいので大幅なリストラを強制しにくいでしょうし、かといって景気浮揚策としての戦争続行開始もできないし。
>Paul Carpenterさま、コメントありがとうございます。私も、仕事に関してどこかで石綿が混入したのではないかと疑いますが...
救急車の件は、「善意」に考えれば「テロリスト」のチェック、「悪く」考えれば、「嫌がらせ」でしょう。
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