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・何回かこのブログで書いたと思うのですが、私はお酒は好きですが、残念ながら弱いです。「思想的」には、甘党左派です。 特にカクテルが好きで、良く飲むのは、ソルティードッグやギムレット、ブラッディーマリー。軽いのだとパナシェやレッドアイです。時に、ジン・トニックも飲みますが、本日は、それに関連してトニック・ウォーターのお話。以下のような症例報告があります。(とりあえず三種類)

 

①トニックウォーターによる固定疹の1例

久保田由美子(福岡大学 医学部 皮膚科学 教室)

アレルギー(0021-4884)52巻4号 Page447-449(2003.04)

【抄録】33歳男.飲酒後に有痛性皮疹が出現し,翌日頭痛も伴った.右眉毛部に紅斑,びらん,左頬部と下顎に紅褐色斑,左3指末節に境界明瞭な紫紅色斑を認め,咽頭痛,嚥下痛もあった.セレスタミン 3T/日3日間投与で紅斑は軽快したが,色素沈着は残った.半年後にジントニックを飲んで30分後に前回と同部位に痛痒い紅斑が出現した.ジントニックによる固定疹を疑い,セレスタミン 3T/日7日間,オロパタジン2T/日14日間,リンデロンVG軟膏外用で色素沈着を残し軽快した.生検病理所見で,表皮真皮境界部の液状変性と表皮内に多数のnecrotic keratinocyteが認められた.後日,トニックウォーター単独摂取で口腔内違和感と皮疹が再燃したこと,塗布試験で皮疹部のみ紅斑が増強したことより,これによる固定疹と診断された.又,キニーネを含まない炭酸飲料では皮疹は誘発されず,トニックウォーターに含まれるキニーネが原因と推定した。

 ・この論文の引用文献を見てちょっと、笑ってしまいました。「カクテルの副材料 炭酸飲料②トニックウォーター。”ザ・サントリーカクテルブック2001”.TBSブリタニカ。」でした。私が持っているカクテルの本は「おしゃれに味わうカクテル・コレクション」(オキ・シロー。ナツメ社。1988年)ですが、そこにトニックウォーターの説明が「イギリス生まれの飲料で、味はほろ苦く、さわやかさを併せもった無色透明の炭酸飲料。もともとは、暑気あたりを防ぐためのキニーネを配合した保健飲料で、熱帯植民地に働くイギリス人が飲んでいた。」と書かれています。また、ジン・トニックの説明は「大英帝国時代、熱帯の植民地で水にキニーネをたらし、マラリアよけとして飲んでいた。このトニック・ウォーターに誰かがジンを加えて飲んだ。これがジン・トニックの最初という。」とありました。

 

②トニックウォーターに含まれるキニーネによる固定疹の1例

荒木祥子(大阪大学 大学院医学系研究科分子病態医学皮膚科学講座), 磯ノ上正明, 駒村公美, 東山真理, 小澤健太郎, 田中まり, 佐野栄紀, 板見智, 吉川邦彦

皮膚科の臨床(0018-1404)46巻5号 Page763-766(2004.05)

【抄録】26歳女.4年前から飲酒後に口囲と手足の限局した部位に紅斑が出現し1~2週間の経過で軽快することを繰り返した.今回,カクテル飲用後に口囲に境界明瞭な紅斑が出現し,口唇は浮腫状で一部びらんがあった.また,手足にも滲出性紅斑を認めた.トニックウォーターに含まれる香料混合物とキニーネの貼布試験を行ったところ,皮疹部のみ陽性を示した.以上よりトニックウォーターに含まれるキニーネによる固定疹と診断した.抗アレルギー剤内服とステロイド剤外用で皮疹は約2週間で治癒した

 

 

③キニーネによる固定疹 2症例報告(Fixed eruption due to quinine: Report of two cases)(英語)

MusoYumi(大阪大学 皮膚科), OzawaKentarou, ItamiSatoshi, YoshikawaKunihiko

Source:The Journal of Dermatology(0385-2407)34巻6号 Page385-386(2007.06)

【抄録】固定疹は同部位に反復して紅斑が出現する特徴的な疾患である。固定斑は大多数の症例で薬剤に起因するため、問診により疑わしい物質を確定することは困難ではない。しかし、食品添加物が原因の症例では時に困難となる。トニックウォーターに含まれるキニーネによる固定疹のまれな2症例を経験した。症例1は37歳男性であった。各種カクテルを飲んだ後、同部位に反復して紅斑が出現した。原因物質としてトニックウォーターが疑われた。トニックウォーターの経口負荷試験は陽性であり、硫酸キニーネのパッチテストでも陽性であった。症例2は24歳女性であった。患者はアルコール、特に症例1と同様カクテルを飲んだ後に紅斑が出現することに気がついた。本症例でもトニックウォーターの経口負荷試験および硫酸キニーネのパッチテストは陽性であった。

 

・ところで、Wikipediaのトニックウォーターのところで、不思議な記述を見つけました。 (09年1月3日時点)

「キニーネは現在の日本では劇薬として指定されており、日本向けの商品には含まれていない。」

この記載が事実なら、上記症例報告となった患者さんたちは、非合法のお酒(トニックウォーターは炭酸飲料/清涼飲料水ですが)をのんだことになりますね。上記症例報告後に、輸入禁止になったのでしょうか?なにはともあれ、お酒飲んで痒くなる人は注意しましょうね。幸い私は、大丈夫ですが。

 

 

 

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