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< 赤壁 | メイン | 超硬合金吸入の関与が疑われたNSIP >

・以前(11/27)に超硬合金によるDPB様の肺病変の記事を書きましたが,そのfirst authorから,コメントをいただきました.one clickもめんどくさい方のために,そのコメントを貼り付けておきます.

 

私どもの論文をご紹介いただき有難うございます。肺のパラフィン包埋切片を用いた金属分析の結果は陰性と報告しましたが、その後超硬合金肺症例の経験が多い施設にお願いして再度金属分析を行なった結果、タングステンの存在が明らかとなりました。超硬合金肺についての研究会が来年東京で行なわれる予定ですので、本疾患に関して少しでも理解が深まることを期待おります。

 

・さて今回は,多分一番新しい日本語の論文の紹介です.以下にsummaryを貼り付けます.

 

慢性過敏性肺炎の病態を呈した超硬合金肺の1例

坂本理(熊本大学 大学院医学薬学研究部呼吸器病態学分野), 小佐井幸代, 興梠博次

日本呼吸器学会雑誌(1343-3490)46巻7号 Page535-541(2008.07)

著者抄録:症例は35歳、男性。15年前健診にて胸部異常陰影を指摘され、精査の結果、超硬合金肺と診断された。ステロイド治療にて改善を認めたが、その後の長期経過観察はなされていなかった。2005年9月の健診にて再度胸部異常陰影を指摘され、乾性咳嗽と労作時呼吸困難の精査も含め入院となった。胸部X線・HRCT所見上、肺の容積減少と両肺野びまん性に網状・スリガラス状陰影が認められ、牽引性気管支拡張像や大小の嚢胞も認められた。血液検査所見では、KL-6 1,321U/ml,PaO2 73.8Torr,%VC67.4%,%DLco34%と低酸素血症に加え、拘束性障害と拡散障害も認められた。本症は、コバルトと炭化タングステンを扱う職場に勤務しており、BALF中に黒色粒子を貪食する多核巨細胞と多核巨細胞を伴う間質性肺炎の組織像(GIP:giantcell interstitial pneumonia)を認め、元素分析でBALF中粒子にタングステンを確認したことより、GIPの組織像を呈した超硬合金肺と診断した。本症例は、一度目は約2年という極めて短い経過で発症していること、今回は少なくとも約4年前には胸部X線写真上の異常が確認できていることより、コバルトやタングステンによる感作が成立しており、それらが原因抗原となり慢性過敏性肺炎の病態を呈した可能性が考えられた。本症例のように超硬合金に感受性を示す個体は、緩徐進行性の肺線維化を伴う慢性過敏性肺炎の病態を呈する可能性があり、職場環境の改善も含めた十分な対策が必要である。

 

・この論文の中で,超硬合金肺とよばれるものの病理像は,GIP,閉塞性細気管支炎(BO),剥離性間質性肺炎(DIP),通常型間質性肺炎(UIP)などの病型があると述べられています.別の論文では,NSIPの報告もあります.で,超硬合金肺の診断基準として,以下の様なものがあげられています.

1)超硬合金の粉塵吸入歴

2)息切れや咳などの特徴的臨床症状

3)画像上の間質性肺炎の所見

4)組織学的に間質性肺炎やGIPの証明

5)肺組織に超硬合金の成分を証明

以上の5項目を満たすこと

 

問題は,労働者が超硬合金の粉塵曝露と認識せず,医師も分かっていない場合ですね.ただ,間質性肺炎をみたら,多分気管支鏡をしてBAL/TBLBをするでしょう.BALF中に,多核巨細胞が見られた場合や,組織にGIPの所見がみられたら,強く超硬合金肺を疑うべきでしょうね.

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塵肺、金属吸入などの無機物質でも有機物質と同じように感作して過敏性肺臓炎を引き起こすことがあるということは案外知られていません。
そこのところも含めて、啓蒙活動が必要だと思います。

>Paul Carpenterさま、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりでございます。ほんの微力ですが、そういう情報の普及にと、細々とブログを書いております。
written by Paul Carpenter / 2008.12.02 12:48

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