・読者は、超合金Zをご存知か?(エラソーにっ!)知っている人は、知っているマジンガーZの装甲に用いられている架空の合金です。くわしくは、Wikipediaをどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E5%90%88%E9%87%91Z
・マジンガーZのアシュラ男爵が好き。私の母親は、気持ち悪いと嫌がっとりましたが。(声優は、たしか男役が星一徹の声)
・さて、まじめな話です。超合金Zは架空のものですが、超硬合金というものが実際に存在します。Wikipediaから引用すると、
硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる合金で、単に超硬とも呼ばれ、これを利用した工具を超硬工具と云う。一般的には炭化タングステン(WC、タングステン・カーバイド)と結合剤(バインダ)であるコバルト(Co)を混合して焼結したものを指す。主に切削加工や金型などの耐磨耗性を要求される分野で使用される。
続きは、以下のWebsiteをどうぞ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%A1%AC%E5%90%88%E9%87%91
・この超硬合金で、何種類かの肺病変が起こりえます。以下は、その一つで、DPBとの鑑別が問題になるようです。
超硬合金吸入の関与が疑われた細気管支炎の1例
石井寛(大分大学 医学部感染分子病態制御講座(内科学第二)), 梅木健二, 吉川裕喜, 串間尚子, 橋永一彦, 大濱稔, 岸建志, 時松一成, 平松和史, 門田淳一
日本呼吸器学会雑誌(1343-3490)45巻1号 Page100-104(2007.01)
(著者抄録):症例は36歳の男性で、喫煙歴はない。6年前よりタングステンやコバルト粉末を用いた冶金業に従事し、5年前から慢性的な咳嗽、喀痰が続くため精査入院となった。びまん性汎細気管支炎(DPB)の臨床診断基準を満たしたが、気管支肺胞洗浄液中に好中球増多を認めず有意な細菌も検出しなかった。外科的肺生検を施行したところ、細気管支周囲の単核球の集簇とその周囲肺胞内への泡沫マクロファージの集簇を認めたが、それらはびまん性ではなく病変部位には黒色の異物沈着を認めた。金属分析では肺組織内にタングステンやコバルトは検出されなかったが、マクロライド薬投与による改善を認めず、DPBの典型的な臨床像と異なることから、超硬合金吸入による細気管支炎の可能性が示唆された。
・この論文で、面白かったのは、胸腔鏡下肺生検の検体を電子顕微鏡で金属分析を行ったが、タングステンやコバルトが検出されなかったということです。・・・「肺組織の金属分析に関しては、コバルトの体液に対する高い溶解性や、資料作成段階での流出の可能性から、元素の検出ができないことも多いと報告されている」ということです。・・・肺内にないからといって、ある有害物質が原因ではないということは、言い切れないということです。
コメント
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病理が重要なのは間違いないのですが、それと同じくらい問診職歴と画像診断は大切であるとつくづく思い知らされます。
どんな偉い病理医でも、診断後にこちらが疑問に思うことや画像診断、臨床情報を再度投げかけると、診断が変わることもあります。それは病理医が悪いというよりも、臨床医がしっかりと臨床情報や画像情報を提供していないことによる場合が決して少なくないと思います。
画像診断も病理組織学的診断もきっちりとした臨床情報がなければ、鑑別診断を山のように挙げるしかなく、さらに稀な疾患となると挙げることさえできない可能性は十分にありますので。
そうすれば、検体処理中に云々、は速やかに病理医から臨床医へフィードバックされるはずだと思います。
>Paul Carpenterさま,コメントありがとうございます.
若かりし頃,病理所見が絶対だと勘違いしていた時期がありましたが,そんなことありませんね.きちっとして情報を病理医に伝えないと,病理医も「間違えますね」.若いDr.には,ぜひそういう認識を持ってもらいたいと思います.
>first authorさま,コメントありがとうございます.
研究会での知見の蓄積,期待しております.
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