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・8月15日に過労死意見書の書き方という記事を書きました.see  http://blog.m3.com/OEM/20080815

 

・大分間があきましたが,その続きです.

まず復習:意見書の構成

1.はじめに

2.本文

3.おわりに

4.補足事項

「はじめに」で,自分が意見書を書くに至った経過.「おわりに」は,サマリーといいましょうか,結論=「業務上疾病である」ですね.補足事項は,参考/引用文献と自分の略歴でした.

・さて,本日は本文です.

書くべき内容は,順番は色々あるでしょうが,以下の様なことは書かないといけないと思います.

・死亡時の状況と死因

ex. 私が書いた意見書のより

[1]死亡の状況
  A.K氏の死亡当日の状況は,以下の通りであった.
  平成*年*月*日H病院を「昨夜胸痛があった」ということで,受診.心電図上心房性期外収縮あり,血圧144/100.抗不整脈剤等投与され,帰宅している.翌日H病院へ「吐気,嘔吐,頭痛,耳鳴り,回転性めまい,右上肢しびれ,ろれつ困難」ということで救急搬入された.種々検査の結果,脳幹部梗塞と診断された.その後四肢麻痺で寝たきり状態となり,肺炎を繰り返すため4月25日には気管切開が行われた.しかし,結局肺炎より敗血症となり,5月26日永眠された.
  以上のような経過より,直接死因は,敗血症であるが,根本的な原因は,心房細動から生じた脳梗塞(脳塞栓)と考えられる

・死亡原因である疾病についての解説(非専門家,ここでは裁判官にわかるように):例えば心筋梗塞とは,こういう病気であり,リスクファクターは何々である.くも膜下出血とは...といった,一般的な説明.

・被災労働者のプロフィール

    性格 体格 既往歴 現病歴 趣味・嗜好等

    過去の健診結果

    持病があったなら,その治療状況

ex.これは,別の方の意見書から(「心筋梗塞」が死因とされた方)

[3]既往歴・家族歴・職業歴等
・既往歴
  生来健康であり,[問題となる既往歴は無かった.高脂血症を窺わすデータもない.
・家族歴
  父は,日光過敏症.母は健康.とくに心臓疾患はない.医学資料によれば,父親に高脂血症は無い.
・職業歴
  19**年より,O信用金庫に勤務しており,他の職場は経験していない.職種は,事務系である.
・嗜好
  アルコールはのまない.喫煙歴はあった.どの程度かは不明であるが,陳述書等で見る限り,いわゆるヘビースモーカーではなかったようである.
・体格等(1987年の検診結果より)
  身長 171.3cm 体重 64.5kg 肥満度 -1%  血圧 112/76 尿糖(-) 尿蛋白(-)
  胸部X線異常なし

・労働の実態

  これが大切なところですが,この情報の収集は家族や弁護士さん,労働組合等がしてくださいます.医師の出番は,時系列に本人の訴えや血圧の変動,検診結果の変化等と関連づけることです.・・・疲労がたまってくると血圧が上がってきたり,頭痛や不眠と言った自覚症状が増えたり,「グチ」や「疲れた」という事が聞かれたり,健診データが悪化したり,活動性が低下したり...

  また,肉体的な負担のみでなく,精神的な負担も明らかにすることです.参考になるモノとして,(意見は分かれるでしょうが)「心理的に負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」(基発第544号平成11年9月14日)というものがあり,その中に「別表1 職場における心理的負荷評価表」というのもがあります.それに,具体的に被災労働者の状況をあてはめるのも,一つの「手」だと思います.

 ・一番メインは,被災労働者の労働が,死亡原因の疾病に以下に影響をあたえたかと言うことを考察することです.これは,個別に,緻密に,考えていくしかありません.重要なことは,基礎疾患がもともとあったから業務外(労災にならない)ということは,無いということ.労働者が,高血圧があり,糖尿病があり,たばこを吸っていても,労働が過重であり,本来自然経過では亡くならなかったのに,若くして命を落とした場合は,業務上(労災)疾病として認められうるということです.これは,別に私が個人的に言っているのではなく,労働省(厚生労働省ができる前から)が言っているのです.

to be continued

 


 

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てことは労働省自体、昔から身内に過労死があった、ということでしょうか?

>Paul Carpenterさま,コメントありがとうございます.
多分労働省や労働局,労働基準監督署等過労死の事例があったのではないかと想像します.その根拠は,霞ヶ関のビルの電気が夜中までついているという記事をみたことがあります.(労働省って霞ヶ関にあるんでしたっけ?)また,監督官の川柳に「休まずに 休め休めと 言う仕事」というのがあり,その労働の実態の厳しさを垣間見ます.
written by Paul Carpenter / 2008.10.30 08:17

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