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・毎年夏、冬に『医療・福祉政策学校』というものが、三重県名張赤目温泉で行われています。私は、知人に誘われ、ここ何年間か、皆勤ではないですが、参加しており、この23,24日と参加していきました。野村拓(元大阪大学医学部衛生学教室助教授)という先生が、中心に、医療、福祉系の研究者、学生、医師、看護師、MSW、労働組合員等年齢、領域も多彩な人間が集まり、行っている勉強会です。「野村塾」といってもいいかもしれませんが、野村先生は、最初に「講義」をされ、あと参加者が研究発表や、実践報告を行っています。

・今回のテーマは、「生き方・究め方」ということで、野村先生と三塚武男(同志社大学名誉教授)先生の対談でした。最初にお二方が、30分弱お話をされ、あとは、対談。今回野村先生の「講義」で、印象に残ったのが「志」ということでした。

・野村先生のレジュメの一部を書き出してみます。

1.「生き方」と公教育

・「いかに生きるべきか」を教えず、「なにが有利か」を教える教育

・手段、方法としての「受験」の目的化

・「志」(人生目的)が見失われた時代

2.「志」の歴史を簡単に振り返ろう

1)明治期-「お国のために」と立身出世(故郷に錦を飾る、末は博士か大臣か)

2)大正デモクラシーと人生哲学(人生、いかに生きるべきか)

3)昭和初期-真・善・美の探究

・「真理は万人によって」(岩波文庫)

・西田幾多郎『善の研究』

・和辻哲郎『古寺巡礼』(美の入門書)

・社会的『善』の追及-セツルメント活動など

4)戦時中-いかに死ぬべきか(葉隠論語-武士道とは死ぬこととみつけたり)

5)そして戦後ー人間は「恋と革命」のために(太宰治)-love and revo.

6)社会科学世代

  変革-政治経済学的人生目的

7)人生目的は考えず、フレームのなかでの選択(センター入試世代)

8)人生目的放棄-ただただ「生き残り」とバーチャル世界への逃避

  バーチャル世界と現実世界とで共通してできるのは「人殺し」だけ

3.「志」と社会科学

1)いかに多くの人たちが「志」を失ってしまったかの歴史的プロセスを解明することから「志」の復活を

2)「やらされたこと」を自分が「やること」に生かす

3)社会科学者の養成に「純粋培養」は向かない。雑多な経験が必要

4)自然科学系のビッグプロジェクトは大学・研究所・大企業のシステムに適応しないとできない場合が多いが社会科学は?(丸腰人間でも企画力、組織力、行動力があれば・・・)

5)研究対象である「社会」のなかに研究者自信も含まれる。だから単に「対象を客観的に」という自然科学的方法論を超えるものを持っていなければならない。(例えばクルト・レヴィンのAction Reserch 1944のような)

ここで再び「志」が問われることになる

***以下略****

・このお話を聞きながら、自分の「志」は何かなと考えていました。私個人的には、人生に志は必要と思うのですが、果たして、若い世代は、どう思うだろうか?そもそも人生に志が必要なのか???といった、思いもわいてきました。→→→夜のお酒飲んでの交流会で、野村先生に聞いてみたところ「志がないと人生おもしろくないやろ」と言われました。これで、私は、納豆食う、じゃなく、納得。若い世代がこのことばで納得するかどうか分かりませんが、オリンピックで活躍している選手をみていて、そしてそれを見ている人たちが、その姿に感動するのを見ていて、一定の人たちには納得できる答えのような気がします。志という言葉でなく、ロマンという言葉でもいいのではないかと思います。やっぱり、人生に目標があったほうが、面白いですよね。どうせで、生きるのなら、おもしろく生きたいですね。

・あと、「対談」で印象に残ったのは、三塚武男先生の、WHOの健康の定義の、社会的健康についてのお話:孤立化がすすんでいる。これは現代の貧困である。相談できる人がいない。これは社会的に健康ではない等々。・・・これは、現在の私の問題意識というか課題にまさに一致します→私のいる病院の影響の及ぶ範囲で、餓死者、孤独死、無理心中等を出さない、といったことにぴったりあっているなと思いました。蛇足ながら、当院では、地域の方のSOSをキャッチするため、全ての職員が地域に出ようといった方針を今年度掲げました。

・その他、発表で印象に残ったのは、「児童養護施設における子どもと親の健康・生活問題に関する実態調査から」という発表で、「児童養護施設で暮らす子どもの健康問題」~東海地区5施設(子ども211名)の調査から~と「児童養護問題の構造と子育て世帯との共通性ー児童養護施設5カ所の実態調査から」(子どもと福祉vol.1)という二つの論文を中心に、養護施設の子どもの健康及び家庭的な背景の紹介がありました。発表者の問題意識は「・・・施設で暮らす子どもたちが入所当時どのような健康状態で、その後、施設で職員から様々な援助を受けるなかで症状がどのように改善していったかについて取り上げた研究はほとんど見受けられない・・・」ということでした。この発表は、私のほとんど知らない世界を見せてくれました。そして、養護施設への看護師配置の必要性と嘱託の医師の役割の重要性を認識しました。発表者が『しあわせな明日を信じて』(長谷川眞人監修。福村出版。2008年7月1日)という乳児院・児童養護施設の子供達の作文とそれへの施設職員のコメント、さらにそれに対する研究者のコメントというものが載せてある本を紹介されました。即行で購入、これから読みます。

・この研究会へのご参加希望は、私まで、ご連絡ください。

 

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