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・以前殺虫剤と悪性リンパ腫は関係あるという記事を書きましたが、JAMAをみていたら、殺虫剤と糖尿病も関係があるといった記事を見つけました。

http://jama.ama-assn.org/cgi/content/full/300/4/386-a

 

この記事の元になった文献のサマリーを下に貼り付けます。 

Incident Diabetes and Pesticide Exposure among Licensed Pesticide Applicators: Agricultural Health Study, 1993–2003

M. P. Montgomery, F. Kamel, T. M. Saldana, M. C. R. Alavanja and D. P. Sandler

 Am J Epidemiol. 2008;167[10]:1235-1246

Exposure to certain environmental toxicants may be associated with increased risk of developing diabetes. The authors' aim was to investigate the relation between lifetime exposure to specific agricultural pesticides and diabetes incidence among pesticide applicators. The study included 33,457 licensed applicators, predominantly non-Hispanic White males, enrolled in the Agricultural Health Study. Incident diabetes was self-reported in a 5-year follow-up interview (1999–2003), giving 1,176 diabetics and 30,611 nondiabetics for analysis. Lifetime exposure to pesticides and covariate information were reported by participants at enrollment (1993–1997). Using logistic regression, the authors considered two primary measures of pesticide exposure: ever use and cumulative lifetime days of use. They found seven specific pesticides (aldrin, chlordane, heptachlor, dichlorvos, trichlorfon, alachlor, and cyanazine) for which the odds of diabetes incidence increased with both ever use and cumulative days of use. Applicators who had used the organochlorine insecticides aldrin, chlordane, and heptachlor more than 100 lifetime days had 51%, 63%, and 94% increased odds of diabetes, respectively. The observed association of organochlorine and organophosphate insecticides with diabetes is consistent with results from previous human and animal studies. Long-term exposure from handling certain pesticides, in particular, organochlorine and organophosphate insecticides, may be associated with increased risk of diabetes.

 

・ある種の化学物質が糖尿病発症の原因/リスクをあげることは,あまりくわしく臨床の教科書には書かれていないのではないでしょうか?わたしの持っている教科書をチェックしてみました.

『糖尿病治療ガイド 2006-2007』の「糖尿病と,それに関連する耐糖能低下の成因分類」には,「Ⅲ.B.④薬剤や化学物質によるもの」というのがあります.でも,化学物質に関する詳しい記述は無いようです.このガイドに「環境・職業性因子」といった項目が何時の日か,盛り込まれることを...

朝倉書店の『内科学 第八版』も糖尿病ガイドと変わりませんね.『第3版 臨床医マニュアル』もDo. 『新臨床内科学 第8版』もlikewise.さて,期待のハリソン第17版はどうか?やっぱり,今一.ETIOLOGIC CLASSIFICATION OF DIABETES MELLITUSという表に.Ⅲ.Other specific types of diabetes E. Drug-or chemical-inducedというところがありますが,そこには,日本の分類表よりも多くの薬物は載っていますが,産業用の化学物質は載っていません.・・・がっかりだよーっ.

本日の英語

pesticide 小学館プログレッシブ英和中辞典では、殺虫剤:除草剤、カビ、防除剤、殺鼠剤などの総称としても用いられる

リーダース英和辞典では、農薬(殺虫剤・殺菌剤・除草剤・殺鼠剤など)

逆に、和英で、農薬をみると、agricultural chemical(小学館プログレッシブ和英中辞典も新和英中辞典)となっています。YahooのWebsiteの翻訳を利用してみると、pesticideとなっています。

OXFORD Advanced Learnere's DICTIONARYでは、

a chemical substance used to kill pests, esp insects

 

なにを言いたいかと言いますと、農薬と「正確に」言おうと思ったら、agricultural pesticideと書くのが良いのかな、というお話です。

 

 

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2008.08.30 23:30 |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

同窓会

・本日岡山大学医学部の同窓会でした。卒後25年、物故者は5名でした。120人の卒業生中50名弱が集まりました。もし、なにか発言の機会があれば、医師不足・看護師不足のことを訴えようと思いましたが、私の前に何人も医師・看護師不足のことを訴えられるDr.がおられ、しみじみ、本当に不足してるんだなと思いました。あるDr.によると、医師は東京に集中している、某有名大学皮膚科には100名の研修医がはいったとのこと。彼らは、ブランドを求めていると。これは、このまえ医療・医学の品格のところで書きました、学齢ロンダリングですね。(出身大学より、ネームリューのある大学で臨床研修をうける)

・それは、さておき、楽しいひと時を過ごしました。二次会で同席したあるDr.がとてもおもしろく大笑いさせてもらいました。カレは、携帯電話の待ちうけ画面を穴子どんぶりにしておりました。曰く、これから死ぬまでに晩御飯は1万回は食べられない。おいしいものを食べないと、と。しかし、かれは独身で、夕食は、冷奴やお好み焼きを自分で作って食べていると・・・悲しい(つへ`。)

・あと、みんな年をとり老眼のはなし、薄くなった髪の毛のはなし。ひとり、次のようなことを言っていました。5年前は、誰よりも早く、雨が降ってきたのが分かった。今は、どこまでが洗顔で、何処からが洗髪か分からなくなった。

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2008.08.29 23:30 |  その他(一般)  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

1日だけ夏休み

・29日(金)夏休みをとりました。前日よりナンバヘ。20時30分頃ナンバヘ着いて、まず、『大阪で1番おいしいたこやきくん』で腹ごしらえ。大阪で1番おいしいかどうかは、知りませんが、安いです。それから、ブックオフで本を物色:『ウンコな議論』その他新書2冊と、いしいひさいちの4コマ漫画1冊ゲット。そして、中国整体専門店へ:今までうけたマッサージと違って、割と広い範囲の筋肉を一度に揉みほぐしているという感じですが、気持ちよかったですね。ただ、中国人の従業員(たぶん経営者も)で、接遇がいまいちですね。(私をマッサージしてくれたお姉さんはよかったのですが。。。)それから、鯨専門店へ。一皿2~3人分の鯨の刺身の盛り合わせを一人で食べました。当分鯨は、よさそうです。それから、ホテルへ帰って、有料ビデオで『I am legend』を観ました:こんなもんか。しかし、久々に英語きいたなぁ。

・翌日8/29は、9時40分に起きてあわててチェックアウト→天王寺へ。アポロビルというところへ。そこで『ハムナプトラ3』を観る:これも、まあ、こんなもんか、ですね。舞台は中国。最初中国人はちゃんと中国語しゃべってたのに、最後の方は、英語になっとりました。まあ、アメリカ映画では、ロシア人やフランス人が英語しゃべっとりますから、この映画はよいほうでしょう。予告編で、赤壁の戦いの映画がありました。面白そうですね。英語で、赤壁は、red cliffと訳すんですね。ヘンなところに感心しました。映画館のビルに喜久屋書店があり、ほしかったカフカの『流刑地にて』が買えてラッキー。この本屋でも、蟹工船チェックしたら、文庫の売り上げベスト1でした。

・大阪市立美術館へ:常設展のみでした。主に焼き物の展示でしたね。商の時代の青銅器が展示されており、妙に感動:この青銅器が日本にたどり着くまで、文才があれば、物語が書けように...

・そして、14時30分頃新世界へ。(以前にも書きましたが、私の悲願の一つが、新世界の全ての串勝屋で食べるということ)いつも新世界へ行ったら人が並んでいる『八重勝』という串揚屋へ。まあそれなりにおいしいが、そんなに人が並ぶほどのものかなぁ。ひとつ、気になったのは『二度付けお断り』Tシャツ2700円でした。小市民な私は、よう買いませんでした。今度、懐があたたきときに、買おうっと。それから、心斎橋へ。東急ハンズに行こうと思っていましたが、何故かLoftへ。そこで念願の、**を買いました。(**の名前が出てこない。ベルトに通して腰につける小さなカバン)新書本が入って、かつ、そうかさばらないものを探しておりました。その後梅田へ。梅田ブルグ7で、『アクロス・ザ・ユニバース』というミュージカルを観る。ビートルズの曲一色でした。この映画、よろしかった。途中泣きました。やはり、ミュージカルは、音響効果の良い映画館で観るべきですね。これについての、感想は、また後日書こうと思います。

・最後、阪神デパ地下のいか焼きを食べて、帰路につきました。この「旅行」の生き返りで、やっと『ツァラトゥストラはこう言った』(岩波文庫の訳は、これ。私の記憶では、ツァラトゥストラはかく語りき』)が読めました。はっきり言って、何を言ってるのやら。それから、岩波新書の『反貧困』が半分読めましたね。なかなか良い本のような気がします。

・本日は、ここまで。私の、日記にお付き合いくださり、ありがとうございました。

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・エージェント・オレンジって何?という人が多いでしょう.枯葉剤といったら,すこし知っている人が増えるでしょうか?「はてなダイアリー」には,以下のような説明があります.

ベトナム戦争でアメリカが空から撒いた化学薬品。

これは、木々の葉を枯らし、相手を攻撃をしやすくするためにあった。

ところが、このあと、大きな問題になった。枯葉剤に含まれた成分で子どもの奇形児が生まれ、ベトナム国民に大きな苦しみをもたらした。

この枯葉剤によって、その後の後遺症や危険性を作り、歴史に汚点を残した。

また、ダイオキシンにもその毒素が含まれてるといわれ、一時期、問題になった。

  

また,本日(27/8/08)のWikipediaには,こういった説明がありました.

枯葉剤(かれはざい)は除草剤一種である。収穫を容易にするため葉を枯らす薬品であり、綿の栽培などで使用される。

・・・

ベトナム戦争で行われた枯葉作戦は、名目上はマラリアを媒介する蚊や蛭を退治するためとされたが、実際はベトコンがジャングルに隠れられないよう森林を枯死させる事、およびゲリラ支配地域の農業基盤としての耕作地域を破壊する事が目的であったともいわれる。

・ここで,Wikipediaの見方に注意が必要なことを思い出します.以前,アメリカの大学生達のレポートに同じ間違いがあることに教授が気づき,調べてみたらWikipediaからの引用で,それが間違っていたという報道がありました.Wikipediaはとても便利だけど,注意が必要ということです.さて,上の引用文章の,「・・・であったともいわれる.」という記述が問題ですね.表現をアイマイにしていますが,これは断定すべきものです.と,断定的に私が書くのも,それをUSAの行政機構の発行したパンフにちゃんと述べられているからです.いわく,・・・to kill unwanted plants and to remove leaves from trees that otherwise provided cover for the enemy.・・・for defoliation and crop destruction.

・上記引用した文献は"AGENT ORANGE information for Veterans Who Served in Vietnam    GENERAL INFORMATION" Environmental Agents Service Department of Veterans Affairs   JULY 2003というパンフレットに載っております.このパンフレットは,ベトナム戦争に従軍した兵士にむけて,エージェント・オレンジという枯れ葉剤の健康問題について解説したモノです.

・枯れ葉剤と言えば,ベトナムのベトちゃん,ドクちゃんで代表される,ベトナムの汚染が問題になります.あたりまえです.しかし,被害をうけたのは,米軍の兵士もなんですね.このパンフレットには,エージェント・オレンジによると考えられている「疾患」が挙げられています.ベトナムで言われている,流産,早産,先天奇形のみではありません.引用します.

Birth Defects, Chloracne, Non-Hodgkin's Lymphoma, Soft Tissue Sarcomas, Peripheral Neuropathy, Hodgkin's Disease, Porphyria Cutanea Tarda, Multiple Myeloma, Respiratory Cancers, Prostate Cancer, Spinal Bidida, Diabetes, Chronic Lymphocytic Leukemia

・上記いろいろな疾患が挙げられています.ただ,これがどの程度のevidenceをもって挙げられているか,私には分かりません.今後,ボチボチと確認していこうと思います.ここで,確認したいのは,エージェント・オレンジは,枯葉剤である,つまり除草剤の一種であると言うことで,べつに除草剤は戦争でなくても使用されるわけで,それと,これらの疾患の関係を気をつけて見るべきだと思います.(以前,このブログでNHLと殺虫剤のこと書いたと思います)じつは,これについて,後日書くつもりです.

 

 

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・孤独死,餓死,介護疲れの無理心中/殺人といったことを報道で聞く度に胸が痛みます.ああ,どうして誰かに相談しなかったのだろうという思いでいっぱいです.(市役所に相談しても,餓死した北九州の事例もありますが)せめて,自分の病院のある地域では,このような事が無いようにと,当院が駆け込み寺的になろう,何でも相談にのろう,地域からのSOSをキャッチしよう,待つだけでなくコチラから地域へ出ていこうという事で,全ての職員が一度は地域へ出ようといった方針をだしました.

・『月間介護保険』という雑誌の,2008年7月号(No.149)に「レポート「介護殺人」を阻止できるかー背景にある深い心の闇-」といった記事が載っていました.この中で,日本福祉大学の加藤悦子准教授の調査が載っていました.平成10年から平成19年の10年間で,350件,355人が死亡しているそうです.こんなに事件が多いとは驚きです.加藤氏の著書『介護殺人ー司法福祉の視点から』というのに実態及び分析等が詳しいみたいで,また,買って読んでみようと思います.(あーっ,また,本が増える)

・この記事で,気になった部分を以下,少し引用します.

「介護疲れによる虐待や放置,心中の恐れなど,介護者と要介護者との関係に何らかの問題が見られる場合では,介護者は自分が困っていることを明確に訴え,事態の改善に向け動くことはできないかもしれない.さらざまな危機状況に直面するうちに疲れ果て,状況を打開することができなくなっているかもしれない.・・・」

←誰かが,声をかけてあげる,聴いてあげるということが必要でしょう.

「・・・とくに要介護者から『あなたは誰』と言われたときの家族のショックは計り知れない.」

←このまえ亡くなった私の祖母から「アンタ誰や」と言われたとき,さすがにショックでした.「アンタの孫や」と応えてみたモノの...

「・・・やさしい言葉をかけてもらうだけで精神的な疲れは緩和され,次の日もがんばれるのです.」・・・逆に親戚や小姑的な厭味な言葉には,精神的疲れが100倍になってしまうのだという.・・・「介護する人を非難してはいけない.」

←実際,こういう状況を日常でみますよね.

「介護殺人」を阻止するのはおせっかいおばさん!?(こみだしです)

←おばさんだけでなく,おせっかいおじさん,おせっかい姉さん,おせっかい兄さん,そしておせっかい病院です.

・この記事を読んで,私の提起している病院の方針は,あながち間違いではないなと少し自信を持ちました.

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・先日書いた『医療・福祉政策学校』への行き来の電車のなかで、『サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉』(春山昇華著。宝島新書。2007年11月24日)が読めました。そもそも、アメリカの住宅問題が、なぜ世界経済に影響を与えるのか、さっぱり分かりませんでしたが、この本を読んである程度理解できた気がします。

・感想は、アメリカの資本主義は腐っちょる、ということです。資本主義といったら、言いすぎなら、銀行、証券、格付け、住宅、ブローカー各企業は、汚い、堕落しているという感じです。著者は、日本でも似たようなことが起こるのではないかと、危惧されています。「リバース・モーゲージ」という制度の悪用ということです。これが、何かは、この本読んでください。次に一つだけ,ひどい話を引用しておきます.

サブプライムの証券化商品をとりぷるAと評価した,格付け機関の責任者の言いぐさ

「企業の格付けと,証券化商品の格付けは性格が異なる.同じトリプルAでも意味は違う.そこを投資家は理解しているはずだ.定義は紙に書かれており,読めばわかる.もし,証券化商品のトリプルAと,企業のトリプルAが同じだと混同されたのであれば,我々の意図したところではなく,責任は投資家にある..」

「格付け機関のトリプルAというのは何の責任もないひとるの参考意見というのが法的な位置づけだ.したがって,仮に格付けがおかしいといわれても,責任はない.投資の責任はあくまで投資家の自己責任であって,格付け機関の知るところではない.」

 

・よう言うわと,思いますが,話変わって,突然、情報の評価について:情報は、複数の関係ない「筋」からできるだけ仕入れる方がよいですね。別に今回そういう意図でこの本読んだわけではないですが、期せずして、以前読んだ『反米大陸』で書かれていたことと同じことが、書かれていました。つまり、この情報の信憑性は、高くなったということです。引用します。

現在アメリカを悩ませている問題として、アメリカの裏庭である「中南米の反米化」がある。実は、アメリカ200年の歴史は、中南米の属国化の歴史だった。血なまぐさく、えげつない侵略・殺戮もやってきた。テキサスやメキシコ侵略もその一環で、かつての欧州の宗主国ポルトガル、スペインを追い出して中南米を我が物にした。半植民地状態で借金に苦しむ中南米に金を貸し、傀儡政権に軍事協力することで実質的に属国化してきたわけだ。中南米の金融危機の度に、高金利のローンを供与し、借金でがんじがらめにした。

 

・サブプライムのような、詐欺的な行為が私の身近(地域の患者さん、組合員さん、高齢者、認知症といった人たちに)で起こらないことを願うばかりです。

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・毎年夏、冬に『医療・福祉政策学校』というものが、三重県名張赤目温泉で行われています。私は、知人に誘われ、ここ何年間か、皆勤ではないですが、参加しており、この23,24日と参加していきました。野村拓(元大阪大学医学部衛生学教室助教授)という先生が、中心に、医療、福祉系の研究者、学生、医師、看護師、MSW、労働組合員等年齢、領域も多彩な人間が集まり、行っている勉強会です。「野村塾」といってもいいかもしれませんが、野村先生は、最初に「講義」をされ、あと参加者が研究発表や、実践報告を行っています。

・今回のテーマは、「生き方・究め方」ということで、野村先生と三塚武男(同志社大学名誉教授)先生の対談でした。最初にお二方が、30分弱お話をされ、あとは、対談。今回野村先生の「講義」で、印象に残ったのが「志」ということでした。

・野村先生のレジュメの一部を書き出してみます。

1.「生き方」と公教育

・「いかに生きるべきか」を教えず、「なにが有利か」を教える教育

・手段、方法としての「受験」の目的化

・「志」(人生目的)が見失われた時代

2.「志」の歴史を簡単に振り返ろう

1)明治期-「お国のために」と立身出世(故郷に錦を飾る、末は博士か大臣か)

2)大正デモクラシーと人生哲学(人生、いかに生きるべきか)

3)昭和初期-真・善・美の探究

・「真理は万人によって」(岩波文庫)

・西田幾多郎『善の研究』

・和辻哲郎『古寺巡礼』(美の入門書)

・社会的『善』の追及-セツルメント活動など

4)戦時中-いかに死ぬべきか(葉隠論語-武士道とは死ぬこととみつけたり)

5)そして戦後ー人間は「恋と革命」のために(太宰治)-love and revo.

6)社会科学世代

  変革-政治経済学的人生目的

7)人生目的は考えず、フレームのなかでの選択(センター入試世代)

8)人生目的放棄-ただただ「生き残り」とバーチャル世界への逃避

  バーチャル世界と現実世界とで共通してできるのは「人殺し」だけ

3.「志」と社会科学

1)いかに多くの人たちが「志」を失ってしまったかの歴史的プロセスを解明することから「志」の復活を

2)「やらされたこと」を自分が「やること」に生かす

3)社会科学者の養成に「純粋培養」は向かない。雑多な経験が必要

4)自然科学系のビッグプロジェクトは大学・研究所・大企業のシステムに適応しないとできない場合が多いが社会科学は?(丸腰人間でも企画力、組織力、行動力があれば・・・)

5)研究対象である「社会」のなかに研究者自信も含まれる。だから単に「対象を客観的に」という自然科学的方法論を超えるものを持っていなければならない。(例えばクルト・レヴィンのAction Reserch 1944のような)

ここで再び「志」が問われることになる

***以下略****

・このお話を聞きながら、自分の「志」は何かなと考えていました。私個人的には、人生に志は必要と思うのですが、果たして、若い世代は、どう思うだろうか?そもそも人生に志が必要なのか???といった、思いもわいてきました。→→→夜のお酒飲んでの交流会で、野村先生に聞いてみたところ「志がないと人生おもしろくないやろ」と言われました。これで、私は、納豆食う、じゃなく、納得。若い世代がこのことばで納得するかどうか分かりませんが、オリンピックで活躍している選手をみていて、そしてそれを見ている人たちが、その姿に感動するのを見ていて、一定の人たちには納得できる答えのような気がします。志という言葉でなく、ロマンという言葉でもいいのではないかと思います。やっぱり、人生に目標があったほうが、面白いですよね。どうせで、生きるのなら、おもしろく生きたいですね。

・あと、「対談」で印象に残ったのは、三塚武男先生の、WHOの健康の定義の、社会的健康についてのお話:孤立化がすすんでいる。これは現代の貧困である。相談できる人がいない。これは社会的に健康ではない等々。・・・これは、現在の私の問題意識というか課題にまさに一致します→私のいる病院の影響の及ぶ範囲で、餓死者、孤独死、無理心中等を出さない、といったことにぴったりあっているなと思いました。蛇足ながら、当院では、地域の方のSOSをキャッチするため、全ての職員が地域に出ようといった方針を今年度掲げました。

・その他、発表で印象に残ったのは、「児童養護施設における子どもと親の健康・生活問題に関する実態調査から」という発表で、「児童養護施設で暮らす子どもの健康問題」~東海地区5施設(子ども211名)の調査から~と「児童養護問題の構造と子育て世帯との共通性ー児童養護施設5カ所の実態調査から」(子どもと福祉vol.1)という二つの論文を中心に、養護施設の子どもの健康及び家庭的な背景の紹介がありました。発表者の問題意識は「・・・施設で暮らす子どもたちが入所当時どのような健康状態で、その後、施設で職員から様々な援助を受けるなかで症状がどのように改善していったかについて取り上げた研究はほとんど見受けられない・・・」ということでした。この発表は、私のほとんど知らない世界を見せてくれました。そして、養護施設への看護師配置の必要性と嘱託の医師の役割の重要性を認識しました。発表者が『しあわせな明日を信じて』(長谷川眞人監修。福村出版。2008年7月1日)という乳児院・児童養護施設の子供達の作文とそれへの施設職員のコメント、さらにそれに対する研究者のコメントというものが載せてある本を紹介されました。即行で購入、これから読みます。

・この研究会へのご参加希望は、私まで、ご連絡ください。

 

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・神戸・明石の「旅」で読めたのが、『医学・医療の品格』(久道茂。薬事日報新書。2006年)です。私は、この著者は、医学判断学で知っていました。大学教授退官後は、病院事業管理者となり、『病院経営ことはじめ』(医学書院。2004年)という本を書いておられました。著者は、藤原正彦氏の『国家の品格』を読んだあと、「貯めていたメモを見ながら気も急くままに一気に書き上げたもの」だそうです。内容は10章に別れていますが、その中のひとつひとつの項目が短くまとめられており、読みやすい本でしたし、私の知らない言葉も結構あって、勉強になりました。私の評価の、優良可でいえば、良でしょうか。

内容

第1章 世界一の平均寿命と医療の質

第2章 医療人・患者の品格

第3章 ランキング主義が人心を惑わす

第4章 病院経営と市場経済主義

第5章 患者中心主義の行く末

第6章 病院は「女男共同参画社会」

第7章 大学医学部・附属病院の役割ー教育と研究ー

第8章 科学性と倫理性

第9章 なぜ医師不足が解消されないか

第10章 医学・医療・病院の品格

 

・私が読んでいて、面白かった言葉を挙げてみます。

学歴ロンダリング:これは、マネー・ロンダリングのパロディーでしょうかね。大学の卒業生が、自分の大学の大学院でなく、より格上と見られている大学院に入学する傾向があること・・・最終学歴の改造ではないかということ

偏差値エリート医師:これは、よく(?)言われている言葉と思います。

患者の品格・住民の品格:問題患者や、問題地域住民のことがかかれていました。「医師に成り立ての若い医師が地域医療に貢献しようと意欲に燃えて地方に赴任しても、さまざまな思いを抱いて意欲を失い、もういやだ、となることが少なくないのです。」

論文のサラミ化:「論文数を増やすために、研究成果をサラミ・ソーセージの薄切りのように、一編で済みそうな論文を数編に分けて書く」ことだそうです。こういうの、時々見ますね。

書くか負けるか症候群:英語のPublish or perish syndromeの訳ですね。この言葉は、英語の雑誌で見かけたことがあります。英語は、最初のPと最後のishの発音が韻を踏んでいて面白いのですが、日本語にすると全然面白くないですね。それは、さておき、この「症候群」は、インパクトファクターの高い雑誌に論文を書きまくる、そうしないと教授選に負けるということですね。特に臨床の研究者が、基礎的な研究発表ばかりしてファクターの点数稼ぎをするのを、皮肉っているようです。

医療機関にとって赤字とは:赤字とは、そもそも何か、この本で議論されています。とっても大事なことだと思います。赤字の定義をはっきりさせないと、医療機関の経営を議論する時、混乱の元となります。

ナイチンゲールの誓い:私は、当然ナイチンゲールが作ったものと思っておりましたが、これは、「1894年にアメリカのファランド看護学校の看護委員会がヒポクラテスの誓いを基に作成といわれ」と、この本に書いておりました。

お患者様:「ポピュリズムやがて悲しき「患者様」」という項に続いて「お患者さま」という項があります。著者のヘンな夢の話です。

患者は顧客か:こういう項の中に、「患者は病院に行きたくて行くのではありません。行かざるを得ない状況になって渋々いくのです。買い物をしたくてデパートに行くとか、オペラを鑑賞にいくのとは違うのです。」とありました。

マルチボスシステム:本来組織はワンボスシステムが望ましいのに、病院の看護師さんはマルチボスシステムですね。そう、言われりゃ、そうだと、あらためて認識しました。

FD:Faculty Development=教育者のための教育向上:「近年、教育者のための教育が必須だといわれ」と書かれています。近年というのは、いつごろからでしょうか?私が、研修医を指導するようになってから、そう認識したのですが、日本の医学部の教員はいつごろからそう認識しだしたのでしょう?

二重遮蔽法:二重盲験法が、差別用語ということで、こういうようになったそうな。

同僚に知らせる責務:ここでは、ある治験をしていて有害と分かった時点で、治験を中止する。それだけでなく、そのことを知った医師は、他の医師に知らせて同様な行為をやめさせる責務があるということです。この言葉が何処から、出てきたか知りませんが、私の、このブログを書いている問題意識も、ある意味同僚(or 国民)に知らせる責務があると思って書いております。

若い医師に対する地域住民の暖かい対応:「医師不足解消策のいろいろ」と言う項で、著者が思いつくままに色々な医師不足解消法を書かれています。このこともその一つ。「研修のために休暇をとることや、たまには夏休みを取れるくらいの理解を示すことが必要でしょう」この文では、「誰が」理解を示すのか主語が書かれていませんが、患者・住民ではないかと思います。もしくは、若い医師のボスや病院管理者かもしれませんが。でも、これは、別に若い医師に限らず、全ての医師に言えることだと思います。私は、休む時には、患者さんに堂々といいます。そして、何か言われたら、医師も休まないといけないor学会で勉強しないといけないと、きちんと説明をして患者さんの理解を得ようとします。

  

長くなりました。今日は、ここまで。これから、風呂入って、ビール飲んで寝ます。

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2008.08.20 22:30 |  診療  |  その他(医療関連)  |  ミチバ  | 推薦数 : 2

職業性・環境性皮膚疾患

・昨年出版された『皮膚科診療プラクティス 20. Environmental Dermatology 環境・職業からみた皮膚疾患』(戸倉新樹,他編集.文光堂.2007年4月)という本に,職業性・環境性皮膚疾患として,以下のようにまとめられていました.

1)接触性皮膚炎

  a)一次刺激性接触性皮膚炎から化学熱傷

  b)アレルギー性接触性皮膚炎

2)紫外線障害

  a)生理的障害

    ⅰ)急性紫外線障害:サンバーン,サンタン

    ⅱ)慢性紫外線障害:光老化,光発癌

3)座瘡

  a)オイルアクネ

  b)クロールアクネ

  c)タールアクネ

4)色素異常

  a)色素脱失

  b)色素沈着

5)放射線皮膚炎

  a)急性放射線皮膚炎

  b)慢性放射線皮膚炎

6)タール・ピッチ皮膚症

7)砒素皮膚症

8)熱傷

9)凍傷

10)皮膚癌

11)皮膚循環障害

12)感染症,虫刺症

13)化学物質過敏症

 

*当院では、玉南医懇と言って、当院の医師と玉島地域南部の開業医さんと勉強会を月1回開いています。たぶん20年以上続いているでしょう。本日は、新年と夏の年2回のうちの夏の飲み会でした。ということで、本日は、酔っぱらっているので、ここまで。と、言いながら一言のみ追加。化学物質過敏症が、この一覧表に載っているのは、ある意味感慨深いです。なかなか、化学物質過敏症という疾患が、疾患単位としてみとめられていませんでしたから...(今も、なかなか認められていない雰囲気もありますが)

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・8/18祖母の49日のため、前日の8/17実家の明石へ帰っておりました。帰る前に神戸まで足をのばしました。まずは、ジュンク堂へ。この2日で2冊本が読めたので、「2冊は買ってもいいよね」と自分に言い聞かせながら行ったのですが、意志の弱い私は、3冊買ってしまいました。(どんどん、読まない本がたまってしまう(;_q*))買った本は、『小林多喜二名作集「近代日本の貧困」』(祥伝社新書。2008.8.5)・・・やっぱりブームなのね。『チョムスキー入門 生成文法の謎を解く』(町田健。光文社新書。2006)・・・いわゆるactivistでない、学者としてのチョムスキーを知りたかった。『革命戦争回顧録』(チェ・ゲバラ。平岡緑訳。中公文庫。2008年2月25日)・・・何故、これを買ったかは、以下の段落につづく。

・神戸まで行く電車の中で『反米大陸』(伊藤千尋。集英社新書。2007年12月19日)を読みました。(私のすむ鴨方から三宮まで、鈍行、それも赤穂線→新快速で行ったので十分時間アリ)おもしろいっ!という表現は、いささか不謹慎かも。驚愕というべきか。たぶん多くの日本人は、この中に書かれていることを、あまり知らないと思います。なぜなら、ほとんど報道されないから...私は、断片的にしか知らなかった事実が、この本で、整理され、知識がつながっていきました。それは、さておき、この本はアメリカがいかに中南米の人民に(およびアメリカ先住民に、そして、じつは、アメリカ市民に)あくどいことをしてきたかを書いています。日米軍事同盟を結んでいる日本国民は、必読の書だと思います。

・この本の出だしが、9・11のことを書いていますが、この著者の問題意識と私の問題意識はぴったり重なります。「9・11といえば、アメリカ人は二〇〇一年のテロのことしか頭にないが、南米チリの人々は一九七三年のこの日を思い起こす」という出だしで始まっています。チリの1973年9月11日は、合法的に選出された政府を軍事クーデーターでひっくり返し、知っている人はしっているピノチェトの軍事独裁が長期続きました。これを裏で糸をひいていたのが、アメリカです。この本の中では、アメリカ(正確には、その支配層、資本家)がいかに自分の利益のために、極悪非道なことをしてきたかが、書かれています。身も凍る思いです。

・ひとつ、ご紹介:「米軍アメリカ学校」について。これは、アメリカの国内にある軍事学校で、中南米の軍人を集めて教育しているところです。「一般的な」(というのが、わたしには良くわかりませんが)軍事教育のみでなく、拷問の仕方、暗殺の仕方、クーデターの起こし方等教育しているそうです。実際そこの「卒業生」が中南米で、それらのことを「実践」しております。ひとつ、この本から引用を。

 敵として取り締まるのは、自国の「デモやストを行う者、及びその共感者」や「政府が国民の基本的な必要性を満たせなかったことを非難する国民」である。ベトナム戦争の際に、ベトナム解放民族戦線の捕虜に対して行った拷問のビデオを上映しながら、アメリカ人の医者が人間の神経系統の図を示し、体のどこをどう責めれば効き目があるのか、などを説明する。

医師も拷問に関与しているのです。話は、それていきますが、LancetやBMJは医師の拷問への関わりの記事をいくつも載せています。それに引き換え、日本の医学雑誌・・・何を代表にしましょうか、内科学会雑誌や医師会雑誌・・・に、拷問のことについて(事実でなく、それに反対する立場)の記事が載っているのを見たことがありません。もし、あったら(皮肉ではなく)是非、教えてほしいと思います。たぶん、日本は731部隊で代表される、戦時中の医学犯罪を総括できていないから、そういう記事もかけないのではないかと思ってしまいます。もしくは、権力に弱いか。こんなことを書くのは、日米軍事同盟を結んでいる日本は、そして、日本の医師は、拷問に関与する可能性があるからです。杞憂と思わないで下さい、だって、そういうように有事立法が整えられていっているのですから・・・米軍アメリカ学校ですが、ひょっとして、日本の自衛隊もこういった学校で訓練をうけているかもしれません。なんせ、同盟国ですから。

・ちょっと、笑えた話も、ありました。アメリカは、キューバのカストロを何べんも暗殺しようとしたとのこと。(キューバ政府が摘発しただけで、638件)どうしても、殺せないとなると、せめてカストロの威厳を落とそうと、あご鬚が抜け落ちる薬を食事にまぜるという、計画すらあったそうです。(ホンマかいな?)ちなみに、アメリカは、「合法的に」大統領が、他国の人間の暗殺を認める国ですから。

・この本の中で、キューバ革命のことがでていました。キューバ革命は、モンカダ兵営を165人の若者が襲撃したことからはじまる・・・一応これは、知っていました。失敗したことも。でも、その計画が、こんなに無謀というか、「お粗末」とは思いませんでした。そりゃ、失敗するわな、という内容でした。しかし、その後革命は成功するのですね。その細かい経過は、この本には載っていないので、キューバ革命の本を読みたいと思いました・・・ジュンク堂をあるいていると、チェ・ゲバラの文庫本が4冊目につきました。これも「情報の縁」と思い、少しの迷いがあったものの購入となった次第。(ゲバラ生誕80年だそうです)

・この本、多くの日本人に読んでほしいですね。

 

 

この本を読み終わったら、アメリカの会社のバナナを食べる気がなくなるかもしれません。

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