・産業衛生学会参加3日目in札幌。昨日の夜も懇親会で居酒屋で飲む。その時複数のDr.より「小樽へ行ってきたら(おいしい寿司と小林多喜二の展示をしている文学館へいってきたら)」という「悪魔のささやき」あり。その夜とても悩みましたが、まじめな私は、本日9時より小樽には行かず学会のサテライトシンポジウム「多様化する化学環境と見逃されやすい健康障害への対策」というシンポジウムに参加。三つの演題を聞きました。①工業ナノ粒子の有害性評価と現状②アレルギーを引き起こすことが懸念される職場の新しい化学物質③化学物質による障害を見逃さないために-インジウム肺を例として
・①でナノテクの概要と演者(森本康夫産業医科大学教授)の研究発表。わかりやすかったです。そこでNEDOという言葉を強く認識。森本教授の発表が主に吸入曝露だったので、質問しました。皮膚曝露、とくにアトピー性皮膚炎等で皮膚のバリアー機能が低下している場合の影響について。(ナノ粒子が化粧品に使用されているとのことで興味をもちましたので)森本教授は、吸入曝露の研究で皮膚曝露については他の研究グループが取り組んでいるとの事。NEDOの報告書が6、7月にはでるでしょうとのことでした→楽しみにしておきます。
・ちなみにNEDOという言葉は、時々聞いていましたが、何のことかわかっていなかったので、さっき調べてみました。http://www.nedo.go.jp/
NEDOとは、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構The New Energy and Industrial Technology Development Organization (NEDO) のことで、さまざまなプロジェクトを手がけているようです。
・②のお話で興味深かったのは、内視鏡の消毒で使用している健康障害で問題になったグルタールアルデヒドの代替品のオルトフタルアルデヒドでも健康障害(下に症例報告貼り付けておきます)が起こっていることが興味深かったです:「代替品」の評価がきちっとされていないといけない。
症 例 |
オルトフタルアルデヒドによるアナフィラキシーショックを来たした1例 |
(平成19年3月12日受付)
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症例は80歳,男性.下部消化管内視鏡検査直後にアナフィラキシーショック症状が出現した.その原因物質として,無水フタル酸特異的IgEが高値であったことと,プリックテストで陽性であったことから,オルトフタルアルデヒドが考えられた.現在,内視鏡検査における感染管理が重要な問題として注目されている中,本症例を経験し,消毒液についての十分な理解が必要と考えた.消毒液にはグルタルアルデヒド,オルトフタルアルデヒド,過酢酸および強酸性電解水の4種類(ただし,強酸性電解水は厚生労働省より高度作用消毒剤としては認可されてはいない)がある.これらを比較,検討し,利点と欠点とを理解することで,より安全な内視鏡検査を施行することが可能と考えた. |
(日職災医誌,55:201─205,2007) |
も一つ、論文ですが、クリックして見てください。
http://joh.med.uoeh-u.ac.jp/pdf/J49/J49_1_01.pdf#search='オルトフタルアルデヒド'
・③はこのブログでも紹介したインジウムの肺障害ですが、第1例の把握から診断、対策まで一連の流れがわかり、これまた興味深かったです。
・今回の産業衛生学会は、2年ぶりですが、非常に実りがありました。時間と金をかけて行ったかいがありました。残念なのは北海道のおいしい食事を食べられなかったこと。(昼食は近くのダイエーの食堂、夜は全国チェーンの居酒屋)今度は、小樽へいっておいしい食事をたべ、文学館へいきたい。(果たして、「今度」があるか...)
注:突然小林多喜二がでてきたのは、現在日本の格差、労働の酷さのため『蟹工船』がベストセラーになっていることが、学会シンポジウムでも紹介されたので。
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