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・Lancetのcase reportは面白くて大好きです。クイズみたいで面白いし、標題が気がきいてウィットに富んでいてよろしい。2000年以前のものは、全て読みました。2000年以後のものは、虫食い的に読んでいます。

・あることを考えていて、フとLancetのあるcase reportを思い出しました。パッカーについてです。皆さんは、パッカーという「職業」をご存知ですか?グーグルやヤフーで、パッカーといれても、バックパッカーが最初にでていくるし、Wikipediaでは、「パッカーPACCAR、NASDQ:PCAR )は、アメリカ合衆国ワシントン州ベルビューに本社を置く企業で、大型トラック(商用車)の製造を行っている。各地の子会社では小型・中型トラックの製造も手掛けている。」しか出てきません。

・Lancetのcase reportは次のようなものです。標題が、「何かな?」と思わせますよね。

Do not give paraffin to packers

The Lancet 1998; 352:1352

 

標題を訳すなら「パッカーにパラフィンをあげちゃだめ」ということになります。このcase reportでは、パラフィンは下剤としてpackerに投与しています。(私は、それまでパラフィンが下剤として使われるとは知りませんでした)さて、packerとは、ですが、今私の手元にある新スタンダード英和辞典(大修館書店。1976年。・・・ふっるーーっ)では、荷造り人、包装人、かんづめ製造業者、荷造機械とあります。SONYの電子辞書に入っている小学館プログレッシブ英和中辞典(出版年不詳)でも同じような訳です。OXFORD Advanced Learner's DICTIONARYでもやっぱり同じ・・・

・Lancetの論文の5年後、NEJMに

Body Packing — The Internal Concealment of Illicit Drugs

Vol. 349:2519-2526, Dec 25, 2003       No. 26

 

という総説がでました。これに、パッカーの説明があります。

Body packers may also be called "swallowers," "internal carriers," "couriers," or "mules." The term "body stuffing," occasionally and inappropriately used synonymously with body packing, refers to the swallowing of relatively small amounts of loosely wrapped drug because of the fear of arrest. This distinct clinical entity has been reviewed elsewhere. In addition to transporting cocaine and heroin, body packers may smuggle amphetamines, 3,4-methylenedioxymethamphetamine ("ecstasy"), marijuana,or hashish. Occasionally, they ingest more than one type of drug. Body packers usually carry about 1 kg (2.2 lb) of drug, divided into 50 to 100 packets of 8 to 10 g each (0.3 to 0.4 oz), although persons carrying more than 200 packets have been described. Each packet of cocaine, heroin, or amphetamine contains a life-threatening dose of drug.

 

まあ、俗語ですから厳密な定義はないと思いますが、小袋に詰めた覚せい剤等の非合法薬物を飲み込んで運ぶ「運び屋」のことですね。最初のLancetの運び屋は便秘になったのでパラフィンを投与されたのですが、麻薬を入れていたラテックスの袋がバラフィンで溶けて麻薬中毒になって死んじゃったと症例報告です。コレだけなら、パッカーというのは、「チャレンジャー」だなという話で終わるのですが、NEJMの総説を読んで私は、頭にきました。やっぱりヤクザはヤクザであって、任侠団体では決して無いと...パッカーになるのが自分ならまだしも、子供にさせているんです。論文読んでいてこんなに腹が立ったことはありません。こんなことさすのは、ダニです。やるなら、自分の命かけてせーよ。(しちゃーいけないけど)

・なぜ、こんなことを書いたかというと、もうすぐ6月12日。この日は、「児童労働反対世界デー」です。

 

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