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・最近新しい遊び場所をみつけました.福山にあるコロナワールドというところで,温泉,映画館,ネット喫茶,フードコート,パチンコ等の複合施設です.温泉にあるモンゴル式のサウナのようなところが気持ち宜しい.温泉に入り,マッサージをしてもらい,「サウナ」(韓国のチムジルバンに近い)で寝転がっていると極楽.(あまり気持ちよく長時間寝入っていると,脱水→血栓→肺塞栓→極楽となるかも)

・さて,ときどき温泉でレジオネラ感染という新聞報道があります.そういう施設や我々のような病院もレジオネラの検査が義務づけられています.でもお風呂(水回り)による病気はレジオネラのみではありません.hot tub lungという疾患もあります.まだ,日本語訳は無いみたいです.(知ってる人いたら教えてください)内科学会雑誌(第95巻第6号2006年6月)に総説がありますので,まず,その要旨を書きます.

hot tubについては,下記の論文に次のような説明が載っています.

    日本語では,温水浴槽と翻訳されるが,日本のお風呂(バス)と同意語ではない.水面下のマッサージ用に泡を立てたり,強力なジェット噴流を備えている24時間循環型の風呂である.

Hot tub lung(HTL)は,強力なジェット噴流を備えている24時間循環型浴槽の使用者に発症するびまん性肺疾患である.浴槽内の水に増殖したMycobacterium avium complex(MAC)が,エアージェットによりエアゾール化され,吸入され発症する.HTLの本態が感染か,過敏性肺炎かについては決着がついていないが,過敏性肺炎説が有力である.MAC等の非結核性抗酸菌が含まれたエアロゾルを吸入すると過敏性肺炎を発症する事は認識すべきである.

・この論文の最後に「hot tubは日本ではほとんど使用されていないので,厳密にはHTLは日本で経験することはない.」と書かれています.本当にそうかな?というのが私の感想です.自宅にあるのは少ないかもしれませんが,最近各地にできている「温泉(銭湯のデラックス版)」では,よく見かけます.私の曇った水晶玉占いによるときっと,そういった「温泉」で発症したという症例報告がでるでしょう.

  

・以下症例報告を2例ご紹介

24時間循環風呂に関連したMACに対するhypersensitivity pneumonitisの1例

釼持広知(静岡県立総合病院 呼吸器科), 本多淳郎, 馬場智尚, 松本裕, 志知泉, 江藤尚, 新井一守
日本呼吸器学会雑誌(1343-3490)43巻11号 Page689-692(2005.11)

抄録:症例は26歳男性.労作時呼吸困難,咳嗽を主訴に受診し,胸部CTで小葉中心性の小粒状陰影とスリガラス陰影を認めた.過敏性肺臓炎を疑われ,すでに他院でプレドニゾロンの投与をされていたが,胸腔鏡下肺生検を施行.非乾酪性類上皮肉芽腫が散見され,胞隔の肥厚を伴い,斑状に分布する間質の慢性炎症を認めた.また喀痰,自宅の24時間風呂の水よりMycobacterium avium complex(MAC)を検出した.以上より24時間循環風呂の使用に関連した,MACによるhypersensitivity pneumonitisと診断.24時間循環風呂の使用を中止するとともに,ステロイド・抗結核薬の投与を行い改善した.本疾患は,健康な人に起こるMACによる肺疾患であるHot tub lungと同様の所見を示し,本邦での報告は少なく,貴重な症例と考えられる

 

・上記症例は,まさに24時間風呂のhot tub lungですが,次の症例は24時間風呂を使ってないのにhot tub lungなんですね.

 

Hot Tub Lungが強く疑われた肺Mycobacterium avium complex症の1例

佐藤長人(埼玉医科大学 呼吸器病センター呼吸器内科), 河端美則, 永田真, 萩原弘一, 金澤實

日本呼吸器学会雑誌(1343-3490)44巻12号 Page962-967(2006.12)

著者抄録:症例は56歳男性。2004年2月より労作時呼吸困難を自覚し、3月に当院を受診した。胸部CT上、両側びまん性の汎小葉性スリガラス陰影と小葉中心性の小粒状陰影を認めた。気管支肺胞洗浄液ではリンパ球の増加を認めた。臨床経過と画像所見からは過敏性肺臓炎に矛盾しなかった。胸腔鏡下肺生検を行い、増殖期の壊死性肉芽腫、気腔内に形成された集合性類上皮細胞肉芽腫ならびに小葉中心性の傾向のある胞隔炎を認めた。細菌学的検査よりMycobacterium aviumが検出され、Hot tub lungが強く疑われたMycobacterium avium complex(MAC)症と診断した。副腎皮質ステロイド剤が有効であったが、抗結核剤単独の治療中に再燃し、ステロイド剤の併用が必要となった。本疾患は本邦での報告例は少なく、本例は胸腔鏡下肺生検を行うことで確定診断できたが、治療に難渋した貴重な症例であった。

補足:抄録ではhot tubの使用も職業のことも書かれていませんが,本文を読むとhot tubの使用歴がなく,仕事の内容が,「汚れた工事現場器材などに井戸水をシャワー状に吹き掛けて,掃除・清掃を行う業務」ということで,著者らはこの業務が原因と疑っています.残念ながら十分な職場調査はできなかったとのことです.

教訓:hot tub lungを疑った場合,仕事で水(シャワー,エアロゾル)を使うかどうかきいてみましょう.

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物的証拠はないのですが、以前遠隔読影していたときに過敏性肺臓炎を疑う画像があり、詳しく問診するようコメントしたところ後日呼吸困難発症数時間前に健康ランドのような施設でシャワーを浴びたことがわかったそうです。この場合は非結核性抗酸菌症だけでなくカビも考えられますが。いずれにしても肺野びまん性に拡がるすりガラス陰影をみたときは、肺水腫(心原生および非心原性肺水腫(腎性、薬剤性、吸入性など)と過敏性肺臓炎は常に考えねばなりません。ところが実際に患者さんの診療にあたる主治医が心原生肺水腫(うっ血性心不全)しか知らないことが多く、詳細な問診をせずなかなか診断がつかないことがよくあります。ミチバ先生に啓蒙していただくのは大変大切なことだと思います。

>Paul Carpenterさま,コメントありがとうございます.診断というものは,画像や病理のみではつかないもの/つけてはいけないものですよね.最初に色々鑑別診断を頭に描いて画像や病理の検査をオーダーしないといけないと常日頃思っております.(でも,実際なかなかできませんが)
written by Paul Carpenter / 2008.05.22 09:18

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