・労働基準法施行規則第35条の別表の「物理的因子」による疾病の中に「寒冷な場所における業務または低温物体を取り扱う業務による凍傷」というのがあります.ごもっともな規定だと思いますが,これは寒冷の局所影響しか述べていないですね.
・寒冷の影響は,凍傷のような局所症状と全身症状があります.簡単に全身症状を順をおって挙げるなら,次のようになります.
皮膚温低下 ふるえ 低体温症(hypothermia): 意識障害,筋硬直,血圧低下,徐脈,不整脈,心室細動
・『現代労働衛生ハンドブック』に以下のような記載がありました.
直腸温が35℃以下になったときを低体温症という.呼吸数,心拍数,血圧の低下が見られ倦怠感があるが,進行すると意識の低下,昏睡,瞳孔反射消失などが見られる.山岳や海などでの遭難などに見られるほか,1人暮らしの老人にもみられることもあるという.
この記述を見て,この冬灯油価格の高騰のため,灯油が買えず,家の中で何枚も重ね着をして暮らしているお年寄り達を思い出しました.きっと,低体温症で救急外来へ運び込まれた方がいるはず...
・その他,特殊なものとして,寒冷蕁麻疹というものがあります.『医学書院 医学大辞典』には,「冷水,冷風などの寒冷刺激に曝されることにより生じる蕁麻疹.局所性と全身性がある.20~30%にIgE抗体が関与」とさらっと書いてあります.
・あと,事務所の中にいて問題になるのが,クーラーによる冷房病ですね.これから夏になりますが,冷房もほどほどに.(最近人間のためよりもコンピューターのために,冷房をガンガンにきかせている例をみかけます)
・おまけ:アイスクリーム頭痛(ice cream headace)・・・これはジョークでなく,医学大辞典に載っています.寒冷刺激頭痛cold stimulus headaceの一型.アイスクリームやかき氷などの氷菓を摂取した時に15~40%の人が日常的に経験する一過性の頭痛,です.何を隠そう,私は,これを持病として持っております.毎年夏は,宇治金時ミルク白玉付きのカキ氷を食べることを楽しみとしていますが,かなりの頻度で頭痛に苦しみます.
・本日,スキーマ(『分かったつもり』より)という文章を別のブログで書きました.
http://oesm.blog.so-net.ne.jp/