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・11月26日午後9時50分、79歳で、財団法人林精神科医学研究所・前理事長の南雲與志郎先生がお亡くなりになりました。ご病気をされていたのは知っていましたが、お亡くなりになるとは思ってもいませんでした。不細工なことに、本日朝、大阪過労死問題連絡会のMLで知りました。(病院に訃報のfaxが届いていたのに、私は知らなかった。)

・南雲與志郎医師とは、どんな人?と思われるかもしれませんが、そのスジ人たちには、有名な方でした。(そのスジいうのは、過労自殺にとりくんでいる弁護士さんや医師、労働組合、市民団体等)

・実は、近々南雲先生の本の紹介をアップロードしようと下書きを9割がた書いていたのです。こんなに早くお亡くなりになるとは思っておらず、そのうちアップロードしようと悠長にかまえておりました。本日その下書きをそのまんま下記に載せておきます。 

  *      *     *     *

・『過労自殺の原因分析-精神科医南雲與志郎鑑定意見書集-』という本が,昨年10月1日に過労死弁護団全国連絡会議より発刊されています.(2100円)しかし,(南雲先生には、とっても失礼ですが)全然売れていないそうです.私の同僚のDr.Jが,売れていないので私のブログにも書いて宣伝してくれと言われましたので,ちょっと紹介します.

・南雲與志郎先生は,医師としては私の大々先輩にあたる方です.1990年,岡山県で職業性疾患,過労死問題にとりくむため,「岡山県労災職業病・過労死連絡センター」というNPOを弁護士さん,労働組合,市民団体,医師等で立ち上げたのですが,その時の「同志」が南雲先生です.

・南雲先生は,川鉄渡邊事件,オタフクソース木谷事件等自殺過労死に関する意見書を書かれました.我々が自殺過労死に取り組む前は,自殺というのは,ほとんど労災とならなかったのですが,南雲先生の意見書が大きな力となり過労自殺裁判で原告が勝利するといったなかで,過労自殺の認定の基準が変わっていきました.全国の我々のような運動が,労働行政の流れを変えていったと思います.

・最初に紹介した本は,八つの事例の意見書が載せられています.そもそも,過労自殺の実態や病態を知りたい方,これから,意見書を書こうと思う医師,弁護士,労働組合員,一般市民の方々等広く読んで欲しいと思う次第です.

過労死弁護団全国連絡会議

tel 03-3813-6999 fax 03-3813-6902

URL:http://karoshi.jp

*    *    *    *

・若干の思い出を

南雲先生には、医学生時代「夏期講座」というのもので、「ヒューマニズムについて」の講義をうけました。歴史的に掘り起こしたお話であり、お医者さんでこんな話ができるのかと感心した覚えがあり、また、私がヒューマニズムについて勉強しようと思ったきっかけとなりました。研修医の頃は、ある講義で「精神疾患にたいする偏見は、医療従事者が一番強いのではないかと思うんですよね」とお話されました。その言葉が印象に強くの残っており、(まわりを見ると、まさにそんな感じであって)そうなってはいけないと自分に言い聞かせてきました。過労死連絡センターを立ち上げた頃、過労死問題のシンポジウムで私が司会、南雲先生がシンポジストで、とっても熱が入って発言が長引いてしまい、私がちょっと短くしてもらおうとジェスチャーしたら、「もうすぐ終わりますから」と言われて、なかなか終わってもらえなかったことも思い出します。とっても、言いたかったことがいっぱいあったんですね。

・本日夕方お通夜にいってきました。綺麗なお顔でした。お亡くなりになる直前まで、診療をされ、また意見書を書かれていたそうです。患者さんの診療、過労死の意見書、そういったことでエネルギーを費やすのでなく、逆にエネルギーを得ていた。そういう生き様だったのでしょう。

ご冥福をお祈りします。

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